更新情報・今週のヘッドライン
2023年10月第1週号
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創業100年誓い新たに 竹内社長「新しい問屋へ変化する」 ―― 旭食品
100周年式典で挨拶する竹内孝久社長旭食品は9月21日、高知・高知市の高知文化プラザかるぽーとで「創業100周年記念式典」を開催、メーカートップ、旭食品関係者など約500人が出席した。竹内孝久社長は、「100周年を通じて得られた経験値が旭食品グループの財産で今後の商売の本質がある。この本質を大切にしながら、我々旭食品グループは新しい問屋へ変化する」と述べた。今後もチャレンジを積極的に行うことを宣言した。併せて発表した次期中計「ACE2030」では2030年度に売上高7500億円、経常利益82億円、ROIC10.0%を目指す。
式典で竹内孝久社長は要旨以下の通り述べた。
皆様方のお陰で100周年を無事迎えることができた。100年間を通じて得られた経験値が旭食品グループの財産であり、今後の商売の本質がこの経験値に含まれている。本質は5点ある。一つ目は、人とのつながり。二つ目は投資の手をゆるめなかったこと。三つ目は、高知から進出し、色々な視座を持つことができたこと。四つ目は、時代の流れに応じて経営を変えていくことの大切さ。五つ目は、高知発祥の誇り。高知人の負けん気が我々のDNAとなっている。
この5つの商売の本質を大切にしながら、我々が現在行っている事業フォーマットが本当に今後も通用するのか、我々の強みは未来永劫続くのかなど、もっと追求していきたい。
今後の経営で大事にしたいキーワードは「自由」だ。多様化、独自性を発揮しながらも相互尊重でつながっていく、ハイレベルな自由を求めていきたい。
100周年を節目として宣言する。我々旭食品グループは新しい問屋へ変化する。「さらば、卸!」だ。今後も和をもって、色々なことにチャレンジしていきたい。
■中計「ACE2030」
旭食品は同日、2024年4月からの次期中期経営計画「ACE2030」(2024年4月~2031年3月)を発表した。
2030年に目指す方向性として「開拓と挑戦のシン化」とし、総合食品卸業、食品製造業、業務用食品卸業、インフラ事業の4つの事業についてグループ間シナジーを発揮する。
総合食品卸業では製造業と一次産業との関わりをより深めるほか、菓子部門も強化。また味噌、茶、乾物について専門部隊で取り組む。食品製造業、業務食品卸事業、インフラ事業もそれぞれ強化する。
社内体制の変革では、エリアカンパニー制に段階的に移行。現在4支社15支店体制から5支社3管理本部体制に移行する。DXも強化する。財務面では、ROIC(投下資本利益率)経営を導入する。
定量目標では、2030年度の売上高7500億円、経常利益82億円、ROIC10.0%、ROE12%以上を目指す。
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2023年9月第4週号
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冷食売場拡大を検討、具付きうどん、スイーツ投入 ―― セブン-イレブン・ジャパン
青山本部長セブン-イレブン・ジャパンは20日、東京・有明の東京ビッグサイトで開いた秋季新商品発表会の席上で、店舗の冷凍食品売場拡大について検討していると明らかにした。現在は、新たな冷凍什器の開発に取り組み、実験店舗で売場拡大の効果などについて検証している。秋季の新商品については、アルミ容器入りの冷凍うどん、冷凍スイーツなどを投入する予定。また、物流の2024年問題の対応として冷凍配送の減便に取り組む方針も示している。
冷凍食品関連の取組のうち売場の拡大について青山誠一商品戦略本部長兼商品本部長は、「冷凍食品売場を広げることを視野に入れて新たな冷凍什器の開発を進めている。現在は実験店舗で最適な売場構成について検証している段階だ」としている。2017年の新レイアウト導入を端緒に強化し続けてきた同社の冷凍食品売場が、更に広がる可能性がある。
秋季の冷凍食品の新商品については、アルミ容器入りの冷凍具付き麺、冷凍スイーツなどを投入する。
冷凍具付き麺は、イトーヨーカドーと共同で開発した〈EASEUP(イーザップ)〉ブランドから、「お鍋でグツグツ肉うどん」(税別458円)などを数品発売する予定。アルミ容器入りで、直火で加熱調理する設計。秋冬に需要が高まる具付き麺の充実を図る。
冷凍スイーツは、「レアチーズ」「クッキーティラミス」などを発売する。包装はトップシールで、アイスクリーム売場への展開を想定していると見られる。
また、イトーヨーカドーと共同開発した冷凍食品〈イーザップ〉ブランドの販売状況についても説明した。
今春に4品の取扱いをスタートした同ブランドの売上は計画通りに推移している。月次で好・不調の波がなく、売上が安定しているという。
●冷凍物流を減便
下期は冷凍物流の減便にも取り組む。これまで週7便又は週6便を基本に気温が下がったタイミングで減便していた冷凍商品の納品回数を通年で固定する。回数も週6~5便に減らす。
今秋を目途に千葉県などに出店する予定だった〈SIPストア〉については、現在商品の見直しを進めており、当初の想定より出店が遅れる見通しを示している。「SIPストア」は売場面積100~150坪(コンビニの約1.5~2倍)、商品数訳5000SKU(同約2倍)を想定するコンビニと食品スーパーの中間の施設規模の業態。〈イーザップ〉シリーズなどの冷凍食品を豊富に取り揃えることを公言している。
●初の機能性表示のおにぎりも
下期の商品全体の戦略については、価値訴求型商品と価格訴求型商品を両軸で強化する。「健康」「環境」「地域」をキーワードとした商品を投入する。
「健康」をキーワードとした商品として、機能性表示食品のおにぎりを発売する。「もち麦もっちり!梅こんぶおむすび」(税別130円)、「同ごま塩おむすび」(同150円)の2品で、併せて機能性表示食品の弁当「混ぜて食べる温玉ビビンバ」(同580円)も発売する。
同社が販売する健康配慮型商品の購入者を分析したところ、通常の来店客数より来店頻度が約2.2倍高く、商品の購入を習慣化する傾向が見られたことから、機能性表示食品の展開が来店客数の増加に繋がると見ている。
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2023年9月第3週号
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北米冷食事業を本格始動 アジアンメニューの新ブランド ―― マルハニチロ
「Japanese-Style Ramen Stir Fry(ガーリック塩焼きそば)」
下川氏マルハニチロは、北米での冷凍食品事業を本格化する。同社が22年3月に出資した現地企業「WaffleWaffle社」(米・ニュージャージー州)と共同開発し、アジアンメニューの新ブランド「LAUGHING TIGER」(ラッフィング タイガー)を立ち上げ、第1弾商品4品を8月29日より発売、ウォルマート等での販売を開始した。同ブランドは、マルハニチロ、WaffleWaffle社共同で開発したもの。同ブランドにより、マルハニチログループでの北米冷食事業を拡大させる。
今回発売した商品は、「Japanese-Style Ramen Stir Fry(ガーリック塩焼きそば)」、「Thai-Style Green Curry Sauced Chiken(グリーンカレー)」、「Korean-Style Bulgogi Beef Stir Fry(プルコギ)」「Thai-Style Drunken Noodles(ドランケンヌードル)」。ターゲット層は、第1義はミレニアル世代(主に主婦層)、次に、新しもの好きなアーリーアダプターなどを想定する。
規格は、いずれもファミリー層を対象としたマルチサーブと言われる2~3人前、595g。フライパン調理専用。麺や米、野菜、畜肉、ソース袋が入っており、フライパンで調理(約10分)して食べるキット商材的な商品設計。現地の販売価格は9.27ドル(約1360円)。
フライパン調理専用にしたのは、2~3人前をフライパンで10分程度で調理できるのは評価が高く。米国でも家庭内調理でひと手間かけて調理する潜在ニーズがあること。また、電子レンジも普及はしているものの、ワット数が1200Wと高いため、加熱ムラができ、仕上げに影響がある。本格的な味を追求するため、フライパン調理のみとしたと説明している。
マルハニチロの下川健事業企画部ユニット企画チーム加工食品ユニットフィールド担当は、「米国での家庭用冷凍食品の展開は日系メーカーなど既に進出しており当社は後発組だ。後発組だからこそ、当社の既存事業での知見、ノウハウを活用し、既存のアジアンメニューとは一線を画した商品として、味、香り、麺の食感、ソースなどにこだわった。同事業をきっかけに北米事業を軌道に乗せていきたい」としおり、第1弾商品の反応を見ながら第2弾、3弾商品も検討しているとしている。
米国のアジアンフードは、現地スーパーの冷凍食品売場では必ずコーナー化されいるなど多数の商品が揃っている。
同社によると「アメリカの冷凍食品市場は現在650億ドル規模で年4%平均で成長が予想される。そのうちアジアンフードは約2000~3000億円規模と想定される」としており、市場の成長が期待されるとしている。
2023年9月第3週号 その他の記事
2023年9月第2週号
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ウェルナと共同開発商品、惣菜売場向けパスタで ―― ニチレイフーズ
1/3日分野菜のペペロンチーノニチレイフーズは、10月1日から日清製粉ウェルナとの共同開発商品第1弾として業務用冷凍食品「1/3日分野菜のペペロンチーノ」を発売する。同品は1食で1日に必要な野菜の1/3を摂取できる。日清製粉ウェルナの麺の知見を活かし経時変化耐性を付与、時間が経っても伸びにくい食感、を実現、袋入りの野菜ミックスとパスタを同時間スチームコンベクション調理するだけで本格的なメニューが提供可能な商品に仕上げた。
新商品はニチレイフーズの「素材の組み合わせ技術(アッセンブル機能)」を生かし、下ごしらえされた具材とパスタをキット化することで、調理時の食材廃棄を削減、さらにスチームコンベクション調理に対応することで、惣菜業態の「タイムロス」「廃棄ロス」「チャンスロス」という3つのロスを解決する。
日清製粉ウェルナは、麺の経時変化への対応技術を生かし、伸びにくく食感のよい麺を設計。ニチレイフーズの凍菜の高い調達力を生かし、「1食分野菜」をトッピングすることで健康感と具材感を両立させた。
業務用業態では慢性的に続く人手不足の中、時短・簡便調理が可能で、「3つのロス」(タイムロス・廃棄ロス・チャンスロス)を解決できる冷凍食品のニーズが高まっている。ニチレイフーズではこれまでキット商品「Vegedelica®」シリーズ等を提案してきた。また量販店惣菜でのパスタ類の需要の底堅さを受け、2社の強みを生かし、惣菜売場向けのパスタ商品を共同開発した。