業務用冷食・秋の新商品 コンセプトより明確に、時短・簡便に注力

更新情報・今週のヘッドライン

2024年6月第3週号

  • 営業利益が2年で倍増、中計目標を2年前倒しで達成 ―― 西友

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    大久保社長

     西友の大久保恒夫社長は12日、東京都中央区のベルサール東京日本橋で会見を開き、同社の直近の業績、現中計の進捗などについて説明した。同社は現中計で2025年度の目標に掲げた営業利益300億円、営業利益率5%の定量目標を、2年前倒しで達成している。「導入時にトラブルがあれば2~3カ月は店舗を閉める覚悟だった」(大久保社長)という新基幹システムの切り替えにも成功し、デジタルマーケティング業化と質販店化に向けた商品強化も進んでいる。今年度は、①本州への集中②規模のメリットの拡大③基本方針の継続─を重点課題に掲げ、営業利益を維持しながら売上も積み増していく。

     同社の直近の営業利益を見ると21年度の約162億円から、22年度は約242億円、23年度は315億円となり、2年間でほぼ倍増している。大久保社長は「小売にとって重要なのは売上ではなく、営業利益だ。利益を確保し、それを前向きな投資に注ぐことが成長の鍵になる」とし、現体制で取り組んだ改革によって「営業利益率は商品スーパーの中でトップレベルに、パートナーと役職者の比率は最も低い水準になった」と語った。
     大久保社長が最も重要視する営業利益の向上には「①商品力②販売力の強化が2本の柱になる」(大久保社長)と説明した。この2本の柱を強化し、確保した利益を「人材」「情報」「店舗」などの分野に投資に回すことで、成長の好循環を生む方針を示している。
     そのうち、①商品力については、「味と品質への徹底したこだわり」「差別化商品の開発」「売場・売り方の進化」「製造小売業のさらなる進化」をテーマに強化する。商品の価格は、改革以前の「低価格化を重要視する」値付けから「品質が良くて値ごろ感がある」設定に切り替えて、質販店化を進める。惣菜はPCの活用を進める。将来的には、PC製造の市販用冷凍キット品の開発も検討する。
     ②販売力の強化については、「店頭での売り込み」「個店別の単品在庫の適正化」「人件費のコントロール」「スタンダードの徹底」の精度を高める。メーカーとタイアップしたプロモーションなども積極的に展開して集客力を上げる。商品の特長を伝えるPOPや賑わいを生む販促物の掲示を増やして活気のある売場を構築する。
     同社が強化しているネットスーパーは、早期に成果が実りやすい店舗配送型で展開する。実店舗の商圏内の来店者に併行して利用してもらうことでOMOの利便性を伝え、一人当たりの利用額を引き上げる。
     24年度は「中計達成にむけたギアチェンジ」「価格創造に向けた更なる変革」に取り組む。ポイントカードなどのデータを検証してデジタルマーケティング化を進め、「価値の創造」「デジタルマーケティング」「営業利益」「ネットスーパ―」「地域集中と規模拡大」でNo.1のリテーラーを目指す。

2024年6月第3週号 その他の記事

2024年6月第2週号

  • 新会長に白潟氏 新体制で連携を一層強化 ―― (一社)日本冷凍めん協会

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    白潟会長

     (一社)日本冷凍めん協会は5日、東京・高輪の品川プリンスホテルで「第21回通常総会」を開催した。総会では任期満了に伴う役員の改選により、新会長に会長代理を務めていた白潟昌彦キンレイ社長が就任。新体制の下、会員間の連携強化、冷凍めんの認知拡大、安全で安心な商品の提供に引き続き取り組みながら、さらなる業界の活性化を図っていく。
     総会では岡田賢二副会長の開会の言葉に続き、白潟会長(総会時は会長代行)が挨拶、昨年の活動を振り返った上で「今年度の事業についても、昨年からの基本方針をもとに作り上げてきたことを深耕し、さらなる情報発信・共有の活性化、活動の幅を広げていかなければならない。業界が結束して認知拡大を図るとともに、消費者の信頼を得られるよう安全で安心な商品づくりをサポートしていく」とした。
     来賓あいさつは佐々木農林水産大臣官房新事業・食品産業部食品製造課課長補佐。議事では13人の理事、2人の監事が選任された。伊勢英一郎副会長の閉会の言葉で締めくくった。
     その後行われた理事会において、新規役員体制を決定。新役員体制は次の通り。
     ▽会長=白潟昌彦(キンレイ代表取締役社長)▽副会長・会長代行・技術委員長=岡田賢二(シマダヤ代表取締役社長)▽副会長・物流委員長=松田要輔(テーブルマーク代表取締役社長)▽副会長=鳥居憲夫(全国製麺協同組合連合会会長)▽副会長・情報委員長=伊勢英一郎(日清製粉常務取締役)▽副会長=木村富雄(ニップン取締役常務執行役員製粉事業本部長※6月27日付)▽専務理事=桑山和基(日本冷凍めん協会常勤)▽理事・会計担当=道添秀樹(フレッシュフードサービス取締役社長)▽理事=上和田公彦(日清食品冷凍代表取締役社長)▽同=西山隆司(西山製麺代表取締役社長)▽同=及川俊則(マ・マーマカロニ取締役社長)▽同=大谷昌史(信越明星代表取締役社長)▽理事・相談役=前場敏男(全国製麺協同組合連合会前会長)▽監事=奥能理士(日本リッチ代表取締役社長)▽同=堀啓祐(堀啓祐公認会計士・税理士事務所所長)

2024年6月第2週号 その他の記事

2024年6月第1週号

  • 第2創業期具体化へ 前期は減収増益で着地 ―― 味の素冷凍食品

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    寺本社長

     味の素冷凍食品は5月27日、東京・東銀座の本社で23年度業績報告を行った。寺本博之社長は前年度業績について、「残念ながら減収増益だが、事業利益76億円で、20年から4年連続で70億円台に達している。頑強な事業構造が、ある程度は作れてきていると自負する」とし、23年度末までに事業構造強化のための布石は全て完了、24年度は成長投資へ転換していく。「直近では4月、22年6月以来22カ月ぶりに国内の販売数量が前年を上回った。今年は掛け声だけではなくて、第2創業期の具体的な中身、解像度を上げていく年としたい」と決意を語った。

     寺本社長の発言要旨は以下の通り。
     2023年度は残念ながら減収増益となった。昨年、2030年向けたロードマップとして事業構造強化に加えて事業成長の両立を掲げたが両立は果たせなかった。減収要因は価格改定により家庭用の、特に餃子の数量が想定以上にダウンしたこと。ここに集約できる。事業利益76億円というのは、歴代3位の実績だ。20年から23年まで4年連続で70億円台に達している。頑強な事業構造が、ある程度は作れてきていると自負する。
     23年度末までに国内の工場7工場中、大阪工場を閉鎖し6工場に集約。またFFA連結子会社である海外の7工場を4工場にした。事業構造強化に一応目途をつけた。
     また業務用は不採算アイテムの整理を23年度でほぼ完結した。23年度末までにほぼ事業構造強化のための布石は全て完了した、24年度は成長投資へ転換していく。
     なお、23年通期業績は以下の通り。売上高1007億円、前年比95%。事業利益76億円、同103%、BP率7.6%。カテゴリー別では家庭用売上高前年比93%、業務用同106%、KA同95%、海外同84%。

    ■ギョーザ、シェア争いよりも市場拡大

     23年度家庭用餃子のシェアが2位に後退した。シェアは追う物ではなくて結果だと思っている。シェアのために一貫したマーケティング活動を逸脱したことはやらない。餃子市場に関しては非常に危惧している。餃子市場がコモディティ化している。コモディティ化している市場が基幹事業だということを感じ、マーケティング手法を変えている。まずプレイヤーが多い。次に価格が安い。この品質に対して、このプライシングに成り下がっている製品カテゴリーなのかと危惧する。当社は単品ではトップブランド。トップブランドメーカーとして今一度冷凍餃子の本質的な価値を伝える。自戒を込めて言えば、シェアを守るため、売上げを確保するためにバラエティー化を進めてきた。今市場もそうなっている。いずれ間違いなく淘汰される。冷凍餃子が使用されているのは全世帯の4割位だ。4割が5割6割にならないのかと考える方が、シェア争いすることよりもよほど重要だ。

2024年6月第1週号 その他の記事

2024年5月第3週号

  • PR活動を拡充、シニアに加え若年層も ―― (一社)日本冷凍食品協会

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    冷凍食品産業功労者を表彰
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    大櫛会長

     (一社)日本冷凍食品協会は22日、東京・大手町のパレスホテルで「令和6年度通常総会」を開催した。今年度の広報事業では、業界統一キャッチコピー「べんりとおいしいのその先へ 冷凍食品」をベースに、冷凍食品の優れた価値や特性を訴求し、ポジティブイメージを高める。冷凍食品のさらなるユーザーを獲得するため、ボリュームの大きいシニア層と、今後の利用機会の増加が見込める若年層を主な訴求対象とする。SNSからの発信など、WEBによる広報を強化するほか、「認定制度」「認定証」の認知度向上に努める。
     開会に当り挨拶した大櫛顕也会長は、「冷凍食品は、業務用は急速な回復が見られる一方、家庭用は、価格改定もあり金額としては前年をやや上回っているが、経済状況を反映して数量的には前年を下回って推移している。その他、外食店の人気メニューなどを冷凍した食品の自動販売機・無人店舗、デパートなどでの高価格冷凍調理品販売などが増加し、家庭用市場の変化と拡大が続いている。一方、輸入原材料、エネルギー、物流などのコストは円安の再進行により、依然として上昇傾向が続いており、コスト上昇分を十分転嫁できていない」との認識を示した。
     令和6年度事業計画では広報事業で、さらなるユーザー獲得のため、ボリュームの大きい「シニア層」と、今後の利用機会の増加が見込める「若年層」を主な訴求対象とする。SNSからの発信など、WEBによる広報活動を強化するほか、「認定制度」「認定証」の認知度向上に努める。
     PRイベントでは、「冷凍食品の日PR」イベントは、10月18日に都内で一般消費者を対象に開催する。また10月の冷凍食品月間に農林水産省「消費者の部屋」特別展示も計画する。これらの企画については前年とは違う形式で行うことを検討している。
     WEBによる情報発信力の強化では、SNS、YouTubeなどを活用する。ホームページを改変。「冷食ONLINE」は、コンテンツを充実させる。
     認定制度、認定証の認知度向上では、3月制作の認定証の紹介動画をYouTubeで発信し、認定証パンフレットの配布も含め各種団体との連携でのセミナー、講座、展示会などで活用する。また認定証はデザインを変更する。変更に合わせ会員向けに認定制度の解説資料を作成し、会員社の各部署に配布する。
     役員異動では、改選期であるが基本的には重任も。会社人事等で理事6名、監事2名が交代。長年、専務理事を務めてきた、木村均氏が退任し、新専務理事に出倉功一氏が就任した。

    ■14名に功績者表彰

     令和6年は協会創設55周年を迎えることから記念事業として冷凍食品産業功績者表彰式を実施。14名が表彰された。
     【冷凍食品産業功績者】▽池田泰弘(ニチレイフーズ顧問、元ニチレイフーズ会長)▽伊藤滋(元マルハニチロ会長、前日本冷凍食品協会会長)▽尾辻昭秀(前日本冷凍食品協会常務理事)▽木村均(日本冷凍食品協会専務理事)▽左東賢治(元ニチレイフーズ取締役専務執行役員営業本部長)▽佐藤巳喜夫(水産タイムズ社相談役)▽鈴木徹(東京海洋大学名誉教授)▽田島正人(元マルハニチロ取締役専務執行役員)▽日比聡(元味の素冷凍食品取締役専務執行役員)▽福間浩一(前日本冷凍食品検査協会(現日本食品検査)理事長)▽細見典男(日本水産(現ニッスイ)会長)▽間野実花(冷凍食品調理コンサルタント、マノ料理学園園長)▽山橋英一郎(大水社長、元日本水産(現ニッスイ)執行役員業務用食品部長)▽吉峯英虎(元味の素冷凍食品社長) 

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