更新情報・今週のヘッドライン
2025年5月第3週号
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千葉に冷凍餃子新工場、投資額100億円 ―― CJ第一製糖
4万2,000㎡の用地に8,200㎡規模でCJ第一製糖(韓国、イ・ジェヒョン)は9月、千葉県木更津市の工業団地内に冷凍餃子の新工場「CJ FOODS JAPAN千葉工場」を稼働する。8200㎡規模の工場で、最新鋭の製造ラインを設置して〈Bibigo〉ブランドの冷凍餃子を製造する。投資額はおよそ100億円。2019年に買収した「餃子計画」の工場に続く五つ目の工場。新工場の稼働を原動力に、日本国内での冷凍餃子市場の規模拡大を図る。
新工場では、主力の「ワンマンドゥ」に加えて消費者に調理の利便性を訴求できる新商品などを製造し、市場のトレンドをリードしていく。
同社のイ・ジェヒョン会長は「日本に再燃した韓流ブームはKカルチャーのグローバル拡散の決定的なチャンスであり、このチャンスを逃してはならない。現地化とグローバルインフラ構築を加速し、競争力を高めて当社をグローバルリーディングカンパニーに躍進させる」と説明。年間約1000億円を超える日本の冷凍餃子市場のうち、シェアの半分が同社の冷凍餃子「ワンマンドゥ」と類似した形態の商品であることから、同社の商品に更に拡大の余地があるとしている。
同社では現在、ワンマンドゥ、冷凍キンパ、Kソースなどを国内大手小売店で販売している。特に全世界に先駆けて日本国内で発売した「bibigo」キンパは、2024年度実績で約250万個を売り上げる人気商品に育っている。
なお、近年同社はグローバルな展開を強化しており、海外事業の売上高は2019年の3000億円余りから24年には5500億円に伸長(約77%)した。この期間で全体の食品売上で海外売上高の割合も39%から49%に増え、食品事業の成長をけん引している。
成長性の高い米国とヨーロッパでも、生産拠点を相次いで拡充している。
ハンガリー・ブタペスト近郊にも用地を確保して「欧州Kフード新工場」の設計に着手した。26年から冷凍餃子を製造してヨーロッパに供給する予定。
また、米国ではサウスダコタ州で27年の完成を目標に「北米アジアンフード新工場」に着工した。この工場では蒸し餃子・エッグロールの生産ラインと物流センターなどを備えた北米最大規模のアジアン食品製造施設で、米国中部の生産拠点になる予定。
2025年5月第3週号 その他の記事
2025年5月第2週号
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冷食供給高が過去最高に ―― 日本生活協同組合連合会
日本生活協同組合連合会は4月24日、2024年の冷凍食品の業績と今後の方針について公表した。2024年度の冷凍食品の供給金額は前年比101.6%となり、過去最高額を更新した。また、9月~11月にかけて対象商品を拡大して実施した「くらし応援全国キャンペーン」第3弾の期間中、対象となった商品の販売が拡大したという。生活防衛意識に対応したキャンペーンの展開が、組合員の購買意欲を刺激したようだ。
昨年度実施した「暮らし応援キャンペーン」では、対象商品として選定した冷凍カツ、冷凍米飯類、冷凍スナック、冷凍中華惣菜(餃子)、冷凍グラタンなどの売上が拡大してその後もリピーターが増えている。9月以降は精米不足や価格高騰の影響により、焼きおにぎりや冷凍ピラフなどの冷凍米飯の利用者が増えた。
商品カテゴリー別の売れ筋食品を見ると、大分類の「調理冷凍食品」部門では、同キャンペーンの対象商品となった冷凍米飯、冷凍麺、冷凍洋風惣菜(グラタン)、冷凍中華惣菜(餃子)、スナックの供給高が好調に推移した。
「畜産」部門ではミールキット、やきとり(輸入)、冷凍カツの供給高が伸長して部門全体の実績を押し上げた。
「冷凍野菜」は国産ポテトなどの根菜が大幅に伸び、冷凍果実も好調に推移した。生鮮野菜の価格高騰でニーズが高まったほうれん草、ブロッコリーも好調に推移した。冷凍野菜の利便性と価格優位性の高さが組合員に受け入れられているようだ。
2025年度は春・秋発売で新規開発と併せて、組合員からの支持が高い主力商品の再開発に取り組み、利便性を向上した。この取組で値ごろ感の維持に努めると共に、冷凍食品の品揃えも強化していく。
なお、コープ商品の冷凍食品の魅力を引き出すアンバサダーとして、前年に引き続き冷凍生活アドバイザーの西川剛史氏が就任した。今後は全国各地の地域生協で展開するの宅配用の誌面や店舗販促物でコープの冷凍食品を提案する。
商品カテゴリ別の実績(前年比(%))
2025年5月第2週号 その他の記事
2025年4月第4週号
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新たな決意で挑戦 ―― ニッスイ・田中次期社長
ニッスイの次期社長に就任(5月14日付)する田中輝取締役執行役員水産事業執行は23日、都内で就任会見を開いた。田中次期社長は、「浜田社長の意思をしっかり受け継ぎ、さらなる発展に向けて新たな決意で挑戦し、サステナビリティ経営を軸に、世界に誇れる企業へと成長する」と抱負を述べ、「より良い未来の実現に向けて、環境・社会・人財・経済の持続的な発展をめざし、食の可能性を追求する。安全安心でおいしい食を届けることで、笑顔をつなぐ食のリーディングカンパニー、食品企業の『グローバル50』を目指す」とした。
田中次期社長は社長就任について、「2023年8月に浜田(晋吾)社長より2025年度からスタートする次期中計『GOODFOODS Recipe2』の実行は次世代の経営陣に委ねるべきであり、先導役に私が指名されたことがきっかけだ。昨年12月に『若い血で会社を運営してほしい』と社長就任を打診され、気持ちよく受託した」と経緯を語った。
また、就任に当たり抱負については、「浜田社長の意思をしっかりと受け継ぎ、さらなる発展に向けて新たな決意で挑戦し、サステナビリティ経営を軸に、世界に誇れる企業へと成長させる。私は『誠実であること』『挑戦を楽しむこと』を大切にしている。急激に変化する時代だからこそ、『変わる勇気』と『続ける覚悟』が何より重要だと考える。そのため、従業員一人ひとりが個々の能力を最大限に発揮し、個人と会社が共に成長できる会社、職場を作り上げる。また、取引先や地域社会、株主などのステークホルダーとは共感と共創を通じた信頼関係をさらに深め、持続可能な成長を追求する」と述べた。
「当社の創業の遺伝子である使命感、イノベーション、現場主義、グローバル、お客様を大切にするを基に新しい会社にチャレンジする。変化の激しい中でマテリアリティは重要だ。マテリアリティを基本に、世界の食品企業トップ50を目指す。『長期ビジョン2030』の最終年度の2030年度に売上高1兆円以上、営業利益500億円以上、ROIC7%以上、海外所在地売上高50%以上を目標としており、これができればトップ50に入る」とし、「サステナビリティ経営、新しい“食”の創造、グローバル市場での価値創造の3つの柱とマテリアリティの重点課題を解決で、事業成長を果たす。新しい“食”の創造は、既存保有技術の深化と多様なパートナーとの連携を通じ現在の課題、未来のニーズを踏まえた食および新しい“食”を創造する」とした。
またグローバル市場での価値創造では、「当社が長年培ってきた調達・加工・販売の各機能の強みを生かしたグローバルリンクス・ローカルリンクスを最大限に活用し、地域に根差したブランド戦略を推進する。これまで以上にグループ各社とのシナジーを発揮する。独自の価値を創造する。このつながりが、当社グループが在りたい姿だ」とした。
25年度の経営方針は、「新たなシナジーを創出し最大限活用する経営」。「事業間、組織間、グルー企業間等の壁を取り払い全ての局面でシナジーを創出し、最大限活用する」とした。
2025年4月第4週号 その他の記事
2025年4月第3週号
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2024年の国内生産、前年に比べ微減、出荷額は過去最高 ―― (一社)日本冷凍食品協会
(一社)日本冷凍食品協会は17日、2024年1―12月の冷凍食品の生産・消費を発表した。国内生産量は、数量が153万7854t(対前年比0.5%減)と前年を下回った。金額(工場出荷額)は8006億円(同2.6%増)と前年に引き続き調査開始以来最高額となった。家庭用は数量73万9629t(同2.3%減)と2年連続減、金額は4062億円(同1.7%増)と増加した。一方、業務用は数量79万8225t(同1.2%増)、金額が3944t(同3.7%増)と数量、金額ともに増加した。
家庭用と業務用の比率は数量ベースで家庭用48.1%対業務用51.9%(前年49.0%対51.0%)と業務用が家庭用を上回った。金額ベースでは家庭用50.7%対業務用49.3%(前年51.2%対48.8%)と5年連続で家庭用が業務用を上回っている。
大分類の品目別生産量では、農産物(同4.4%増)が増加したものの、国内生産の大部分を占める調理食品(同0.5%減)は減少し、水産物(同1.2%減)、菓子類(同0.5%減)なども減少した。
小分類の品目で前年に対して量的に大きく増加したのは、ラーメン類(同8.3%増)、ピラフ類(同5.8%増)、シュウマイ(同5.6%増)などであった。
小分類の品目別生産量の上位20品目を見ると、引き続き、1位うどん、2位コロッケ、3位ギョウザ、4位炒飯、5位ラーメン類で、上位5品は前年同様の順位だった。なお、上位20品目は入れ替わりがない。
■国内消費、1.5%増の292万t
冷食協では「冷凍食品国内生産量」「冷凍野菜輸入量」「調理冷凍食品輸入量」の合計を冷凍食品の「消費量」としているが、24年の冷凍食品消費量は292万4514t(同1.5%増)と増加。これを総人口で割った国民一人当たりの年間消費量は23.6㎏(0.4kg増)だった。また、金額ベースは1兆3018億円(同4.4%増)と伸長した。
今回の統計結果ついて出倉功一専務理事は、「家庭用は上期は好調も下期に入り伸長しなかった。これは米や野菜をはじめあらゆる食料品の値上もあり、賃金はそれほど伸長していないこともあり、食料品への支出が減少した影響を冷凍食品も受けたと思う。業務用は順調もコロナ禍からの回復の途中だ。家庭用は後半落ち込んだが、そこまで落ち込んでいない。冷凍食品に対する需要は変わらない。各社あらゆる新商品を発売、特にワンプレート品も社会需要を掴んでいる。業務用も調理現場の人手不足もあり素材型の商品など伸長する。いずれにしても冷凍食品は今後も伸長すると思う」とした。
5月21日 通常総会を開催
(一社)日本冷凍食品協会は5月21日に東京・大手町のパレスホテルで「令和7年度通常総会」を開催する。15時から総会、17時から懇親会の予定。