千葉に冷凍餃子新工場、投資額100億円 ―― CJ第一製糖

4万2,000㎡の用地に8,200㎡規模で
CJ第一製糖(韓国、イ・ジェヒョン)は9月、千葉県木更津市の工業団地内に冷凍餃子の新工場「CJ FOODS JAPAN千葉工場」を稼働する。8200㎡規模の工場で、最新鋭の製造ラインを設置して〈Bibigo〉ブランドの冷凍餃子を製造する。投資額はおよそ100億円。2019年に買収した「餃子計画」の工場に続く五つ目の工場。新工場の稼働を原動力に、日本国内での冷凍餃子市場の規模拡大を図る。
新工場では、主力の「ワンマンドゥ」に加えて消費者に調理の利便性を訴求できる新商品などを製造し、市場のトレンドをリードしていく。
同社のイ・ジェヒョン会長は「日本に再燃した韓流ブームはKカルチャーのグローバル拡散の決定的なチャンスであり、このチャンスを逃してはならない。現地化とグローバルインフラ構築を加速し、競争力を高めて当社をグローバルリーディングカンパニーに躍進させる」と説明。年間約1000億円を超える日本の冷凍餃子市場のうち、シェアの半分が同社の冷凍餃子「ワンマンドゥ」と類似した形態の商品であることから、同社の商品に更に拡大の余地があるとしている。
同社では現在、ワンマンドゥ、冷凍キンパ、Kソースなどを国内大手小売店で販売している。特に全世界に先駆けて日本国内で発売した「bibigo」キンパは、2024年度実績で約250万個を売り上げる人気商品に育っている。
なお、近年同社はグローバルな展開を強化しており、海外事業の売上高は2019年の3000億円余りから24年には5500億円に伸長(約77%)した。この期間で全体の食品売上で海外売上高の割合も39%から49%に増え、食品事業の成長をけん引している。
成長性の高い米国とヨーロッパでも、生産拠点を相次いで拡充している。
ハンガリー・ブタペスト近郊にも用地を確保して「欧州Kフード新工場」の設計に着手した。26年から冷凍餃子を製造してヨーロッパに供給する予定。
また、米国ではサウスダコタ州で27年の完成を目標に「北米アジアンフード新工場」に着工した。この工場では蒸し餃子・エッグロールの生産ラインと物流センターなどを備えた北米最大規模のアジアン食品製造施設で、米国中部の生産拠点になる予定。
売上、利益ともに過去最高 ―― ニチレイ・3月期

大櫛社長
ニチレイは13日、25年3月期決算を発表した。連結売上高7020億8000万円(前年同期比3.2%増)、営業利益383億1500万円(同3.8%増)、経常利益398億7800万円(同4.2%増)、当期純利益は247億3100万円(1.0%増)で増収増益。ROICは7.4%、ROEは9.6%。売上高、営業、純利益とも過去最高となった。ただし主力2事業の一過性マイナス(加工食品=農産販売数量減、工場トラブルによる米飯類の生産性悪化等、低温物流=畜産品、農産品の取り扱い低迷等)の影響で営業利益は計画比22億円未達となった。
セグメント別では、加工食品は売上高3115億8300万円(同7.1%増)、営業利益187億9200万円(同7.9%増)、低温物流は売上高2782億7300万円(同8.1%増)、営業利益が157億4900万円(0.5%減)となった。加工食品は主力商品や新たな付加価値商品の拡販、海外売上拡大が寄与し増収。営業利益も原材料・仕入れ価格などのコスト高騰が続く中、販売拡大や海外関係会社の業績が改善したことにより過去最高益となった。
加工食品のカテゴリー別売上高は家庭用調理品935億4400万円(同7.0%増)、業務用調理食品1100億500万円(同7.1%増)、農産加工品243億7700万円(同2.8%増)、海外686億8800万円(同11.0%増)。
家庭用調理品は米飯商品や健康志向ニーズを捉えた「むねから」に加え、パーソナルユース向け商品の拡販に注力、TVCMによる販促が奏功して販売数量が伸長し増収となった。
業務用は大手ユーザー向けチキン加工品や、ひと手間加えるだけでメニュー提供可能な商品(外食向け米飯類)の販売拡大が寄与し増収となった。
農産加工品は価格改定及び顧客ニーズに対応したブロッコリー類の販売が好調に推移し、家・業共に増収となった。
海外は、米国子会社のイノバジアンクイジン社で新商品の投入、プロモーションを進めるもインフレによる消費減退の影響で現地通貨ベースでは前年並み。タイ子会社GFPTニチレイでは、タイ国内、欧州向け販売が拡大し増収となった。
26年3月期通期連結予想は売上高7000億円(同0.3%減)、営業利益450億円(17.4%増)、経常利益458億円(同17.4%増)当期純利益295億円(同19.3%増)。ROICは8%、EPSは118円。その内加工食品は、主力商品の増収効果や生産性の改善、北米事業の回復に加え、減価償却方法の変更により38億円の増益となり、売上高3295億円(同5.8%増)、営業利益226億円(同20.3%増)を見込む。
■新中計、売上高8000億円
ニチレイは13日、新長期経営目標「N-FIT2035」及び新中期経営計画「Compass×Growth2027」を発表した。
「N-FIT2035」では35年までのグループ長期経営戦略として収益力の強化と資本効率の向上を掲げ①競争優位とシナジー効果の更なる発揮②海外事業拡大のスピード加速③グローバル経営基盤の強化④企業価値向上に資する環境負荷低減⑤社会課題解決に繋がるビジネスモデルの確立を目指す。具体的な数値目標は営業利益率10%、ROIC10%、海外売上高比率40%、営業利益CAGR8%以上(25年3月期比)とした。
「Compass×Growth2027」(以下新中計)では、前中計「Compass Rose2024」を国内での資本効率の改善と海外での計画を上回る伸長により過去最高の業績を達成したものの海外事業の収益性の向上は継続課題と評価。
新中計では、テーマに収益力の強化と資本効率の向上を掲げ①競争優位領域(加工食品ではチキン加工品、米飯類)の深堀とグループシナジーの発揮(食品事業統合)②地域別戦略に基づく海外事業(欧州、ASEAN、北米)の拡大③人的資本経営(人材確保・育成、エンゲージメント)の推進とグローバルガバナンス等の構築(地域統合会社新設)を目標とする。その上で数値目標として28年3月期売上高8000億円、営業利益560億円、営業利益率7%、海外売上高比率30%、ROIC8%以上、ROE10%以上を目指していく。
具体策として①に関して食品事業ではチキン加工品と米飯類を重点商品として、新増設した生産設備の稼働を高め生販利益の最大化を図る。また健康価値商品の強化及び食品事業の統合により調達力の強化と顧客獲得力の向上を図る。食品事業の統合効果は、北米向け水産品の販売拡大や安定的な原材料の調達確保等により28年3月期には売上高で145億円、営業利益で15億円の増収増益効果を見込む(25年3月比)。
②に関して食品事業では、欧州で低温物流とのシナジー効果が見込まれる地域への事業進出。北米では開発・生産機能の強化、水産品の販路拡大。ASEANでは生産機能の整備による収益安定化を掲げ、数値目標として28年3月期売上高2437億円、営業利益6.6%を目指す。
③に関してはグループ共通の評価制度の導入やグローバルジョブトレーディングの導入・展開などにより経営戦略と連動した人材確保・育成を図るとともに、日冷食品貿易事案への反省からエリア特性に応じたグローバルガバナンス、内部監査体制などを構築する。
三菱商事の完全子会社に ―― 三菱食品

京谷社長
三菱食品は8日、親会社の三菱商事が進める株式公開買付け(TOB)に賛同し、株主に対して応募を推奨すると発表した。
今回のTOBは、三菱商事が三菱食品を完全子会社化し、同社株式を上場廃止とすることを目的としている。
TOBは5月9日から6月19日まで実施される。TOB成立後に全株取得に至らない場合でも、株式売渡請求や株式併合を通じて完全子会社化を実現する計画だ。
現在は両社とも上場企業であるため、少数株主との間の利益相反や意思決定のスピードに課題があったとし、完全子会社化によりこれらの構造的な制約を解消する狙いがある。三菱食品はグループ一体での戦略推進が可能になることで、経営資源の最適化や現在進めている長期ビジョン「MS Vision 2030」に掲げる目標の前倒しを図るのが狙い。今回の完全子会社化によって、三菱食品はより柔軟でスピーディな経営判断が可能となり、グループ内での連携強化や資源投入の迅速化が見込まれる。
8日に行われた三菱食品の決算説明会で京谷裕社長は、「今の事業環境は変化が激しく、不確実性がある。その中でも当社は流通、メーカーとの結節点に当たる。食の安定供給のため持続可能なサプライチェーンの維持が必要だ。変化の激しい中で三菱商事の経営資源を最大限に活用し、更なる企業価値向上を図ることで現在進行中の『MS Vision 2030』を早期に実現していきたい」と述べた。
また一体化によるメリットとして、「当社にとって特に海外市場は大きな潜在性を感じる分野であり、三菱商事のネットワーク、経営資源と一体化することで、より大きな投資とリターンに繋げていきたい」とした。
静岡で「チン!するレストラン」 ―― 日本アクセス

日本アクセスは、静鉄ストア(静岡県静岡市、森下登社長)と連携し、4月19、20日の2日間、冷凍食品・アイスクリームの食べ放題イベント「チン!するレストランinしずてつストア田町店」(静岡市葵区)で開催した。
「チン!するレストラン」は、東京、大阪、愛知、富山に続く開催で、静岡では今回が初。冷食の手軽さとバリエーションの豊富さを実感できると好評を博している。
今回は、事前応募制で約1200人の中から抽選で選ばれた約120人が参加し、冷食の新たな楽しみ方を体験した。店内のフードスタジオには、6卓20席の座席が用意され、各回90分の完全予約制で運営。陳列棚には定番商品に加えて、冷凍平台3台分のラインナップが並び、中でも静岡の食材を使った冷食のPB「富士山グルメディッシュ」には多くの注目が集まった。
イベント参加者からは「普段気になっていた商品を気軽に試すことができて楽しかった」「新たな美味しさに出会うきっかけになった」「いろいろな冷凍食品を知ることができてよかった」といった声があった。また同イベントは地元のTVニュースでも紹介された。