2024年の国内生産、前年に比べ微減、出荷額は過去最高 ―― (一社)日本冷凍食品協会
(一社)日本冷凍食品協会は17日、2024年1―12月の冷凍食品の生産・消費を発表した。国内生産量は、数量が153万7854t(対前年比0.5%減)と前年を下回った。金額(工場出荷額)は8006億円(同2.6%増)と前年に引き続き調査開始以来最高額となった。家庭用は数量73万9629t(同2.3%減)と2年連続減、金額は4062億円(同1.7%増)と増加した。一方、業務用は数量79万8225t(同1.2%増)、金額が3944t(同3.7%増)と数量、金額ともに増加した。
家庭用と業務用の比率は数量ベースで家庭用48.1%対業務用51.9%(前年49.0%対51.0%)と業務用が家庭用を上回った。金額ベースでは家庭用50.7%対業務用49.3%(前年51.2%対48.8%)と5年連続で家庭用が業務用を上回っている。
大分類の品目別生産量では、農産物(同4.4%増)が増加したものの、国内生産の大部分を占める調理食品(同0.5%減)は減少し、水産物(同1.2%減)、菓子類(同0.5%減)なども減少した。
小分類の品目で前年に対して量的に大きく増加したのは、ラーメン類(同8.3%増)、ピラフ類(同5.8%増)、シュウマイ(同5.6%増)などであった。
小分類の品目別生産量の上位20品目を見ると、引き続き、1位うどん、2位コロッケ、3位ギョウザ、4位炒飯、5位ラーメン類で、上位5品は前年同様の順位だった。なお、上位20品目は入れ替わりがない。
■国内消費、1.5%増の292万t
冷食協では「冷凍食品国内生産量」「冷凍野菜輸入量」「調理冷凍食品輸入量」の合計を冷凍食品の「消費量」としているが、24年の冷凍食品消費量は292万4514t(同1.5%増)と増加。これを総人口で割った国民一人当たりの年間消費量は23.6㎏(0.4kg増)だった。また、金額ベースは1兆3018億円(同4.4%増)と伸長した。
今回の統計結果ついて出倉功一専務理事は、「家庭用は上期は好調も下期に入り伸長しなかった。これは米や野菜をはじめあらゆる食料品の値上もあり、賃金はそれほど伸長していないこともあり、食料品への支出が減少した影響を冷凍食品も受けたと思う。業務用は順調もコロナ禍からの回復の途中だ。家庭用は後半落ち込んだが、そこまで落ち込んでいない。冷凍食品に対する需要は変わらない。各社あらゆる新商品を発売、特にワンプレート品も社会需要を掴んでいる。業務用も調理現場の人手不足もあり素材型の商品など伸長する。いずれにしても冷凍食品は今後も伸長すると思う」とした。
5月21日 通常総会を開催
(一社)日本冷凍食品協会は5月21日に東京・大手町のパレスホテルで「令和7年度通常総会」を開催する。15時から総会、17時から懇親会の予定。

バリューチェーンを強靭化 ―― ニッスイ・新中計

田中次期社長
ニッスイは9日、新中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」(2025~2027年度)の説明会を行った。
同社では2022年~30年までの長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」において、「2030年のありたい姿」として、「人にも地球にもやさしい食を世界にお届けするリーディングカンパニー」を定義。経済価値では、2030年に売上高1兆円以上、営業利益500億円以上、ROIC7%以上、海外所在地売上高比率50%を計画。その達成のため2022年からその第1ステップとして「Recipe1」を実施してきた。
「Recipe1」ではKPI(経済価値)は売上高8800億円、営業利益325億円、経常利益350億円、当期純利益240億円を計画。その他、環境、社会、人財価値もテーマを設定し取組んでいる。
説明した田中輝次期社長は、「売上、営業利益はほぼ計画通り、ROIC、ROEなども一定ラインを確保できたが、残課題もある」との認識を示した。
新中計「Recipe2」では、「残課題への取組を進めるとともに、不確実を増す経営環境下で、柔軟かつ迅速に対応できる『バリューチェーンの強靭化』に、マテリアリティを基点に取組む」(同)。
バリューチェーンの強靭化とは、価値創造力強化、持続可能性強化、リスク対応力強化、人財力強化。①事業ポートフォリオ強化②サステナビリティ経営の深化③ガバナンス強化の3つの基本戦略を掲げ、KPI(経済価値)では、2027年度目標として売上高9700億円、営業利益410億円、経常利益425億円、当期純利益300億円。ROIC6.0%、ROE10.0%を目指す。
重点成長分野として、養殖、ファインケミカル、食品加工(海外)、水産加工商事(海外)。食品事業では、海外食品事業は、水産フライ№1戦略として欧州・北米での生産能力増強。また水産フライとシナジーのある商材として欧州ではタパス、北米ではアジアンフードなどの生産に取組み第二の柱を育成する。国内食品事業では、チルド商品開発力を活用した冷凍食品での商品ラインアップの拡充などを行う。食品事業は4700億円(24年度見込み)から27年度708億円増の5408億円を計画する。
新会長に青木氏 ―― (公社)学校給食物資開発流通研究協会

青木会長
(公社)学校給食物資開発流通研究協会(会員140社)は10日、令和7年度(第50回)社員総会を開催し、委任状を含め114社が出席した。
任期満了に伴う役員改選では、古川裕志会長が退任し、青木基博副会長(名給社長)が新会長に就任した。
新副会長には、福島毅春ふくしま社長、山田秀春キユーピー執行役員、新常務理事には富永修史ハウディ専務、松尾哲哉ニチレイフーズ専務が就いた。
新理事は、吉田隆日本栄養食品社長、峠敏行マルハニチロ執行役員食材流通ユニット長。外部理事に石井克枝千葉大学名誉教授が就いた。
情報交換会で挨拶に立った青木新会長は、「当協会の主要事業は『学流協の推奨品』の開発・選定・普及を図る推奨品事業と、情報提供事業である。本年度の主要取組課題は、推奨品事業と情報提供事業を通じて食育への貢献を質の面で更に高め、学校給食関係者の皆様の信頼にお応えをすることだ。お陰様で『学流協の推奨品』は、2年連続で普及実績1億食の大台を超え、昨年は1億900万食となった。これら推奨品と全国各地の地域特産物を組み合わせた、地域性や季節性の豊かな献立のご提案を全国の会員と連携して今後も継続していく。文部科学省・農林水産省をはじめ各自治体、学校栄養教諭・栄養職員の方々及び学校給食関係者の皆様並びに関係団体との連携を密にして、学校給食の更なる充実に役立つべく、邁進する」とした。
懇親会の来賓祝辞は原田達農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品流通課長、乾杯発声は栁沢幸子(公社)全国学校栄養士協議会副会長、中締めは山田副会長。
学流協の推奨品 普及100万食超30社に
学流協は10日、令和7年度社員総会表彰者を発表した。
「学流協の推奨品」の普及に当たり100万食を突破した流通会員は30社となった。生産会員表彰は9社。
【流通会員百万食超】
▽大槻食材▽トワニ▽日本栄養食品▽ヤマイシ▽サトー商会▽ウルノ商事▽関東食品▽ふくしま▽美濃忠▽野口食品▽コーゲツ▽濵村屋▽大光▽ジーケーエス▽三給▽名給▽きゅうざい▽山大商事▽オーディエー▽大和商会▽泉平▽松並▽コタニ▽さんれいフーズ▽ニシムラ▽本多▽筑紫フードサービス▽協和商工▽ハウディ▽南給
【生産会員表彰】▽味の素冷凍食品▽キユーピー▽ケイエス冷凍食品▽ケンコーマヨネーズ▽テーブルマーク▽ニチレイフーズ▽日東ベスト▽ニッスイ▽ヤヨイサンフーズ