第2創業期具体化へ 前期は減収増益で着地 ―― 味の素冷凍食品
寺本社長
味の素冷凍食品は5月27日、東京・東銀座の本社で23年度業績報告を行った。寺本博之社長は前年度業績について、「残念ながら減収増益だが、事業利益76億円で、20年から4年連続で70億円台に達している。頑強な事業構造が、ある程度は作れてきていると自負する」とし、23年度末までに事業構造強化のための布石は全て完了、24年度は成長投資へ転換していく。「直近では4月、22年6月以来22カ月ぶりに国内の販売数量が前年を上回った。今年は掛け声だけではなくて、第2創業期の具体的な中身、解像度を上げていく年としたい」と決意を語った。
寺本社長の発言要旨は以下の通り。
2023年度は残念ながら減収増益となった。昨年、2030年向けたロードマップとして事業構造強化に加えて事業成長の両立を掲げたが両立は果たせなかった。減収要因は価格改定により家庭用の、特に餃子の数量が想定以上にダウンしたこと。ここに集約できる。事業利益76億円というのは、歴代3位の実績だ。20年から23年まで4年連続で70億円台に達している。頑強な事業構造が、ある程度は作れてきていると自負する。
23年度末までに国内の工場7工場中、大阪工場を閉鎖し6工場に集約。またFFA連結子会社である海外の7工場を4工場にした。事業構造強化に一応目途をつけた。
また業務用は不採算アイテムの整理を23年度でほぼ完結した。23年度末までにほぼ事業構造強化のための布石は全て完了した、24年度は成長投資へ転換していく。
なお、23年通期業績は以下の通り。売上高1007億円、前年比95%。事業利益76億円、同103%、BP率7.6%。カテゴリー別では家庭用売上高前年比93%、業務用同106%、KA同95%、海外同84%。
■ギョーザ、シェア争いよりも市場拡大
23年度家庭用餃子のシェアが2位に後退した。シェアは追う物ではなくて結果だと思っている。シェアのために一貫したマーケティング活動を逸脱したことはやらない。餃子市場に関しては非常に危惧している。餃子市場がコモディティ化している。コモディティ化している市場が基幹事業だということを感じ、マーケティング手法を変えている。まずプレイヤーが多い。次に価格が安い。この品質に対して、このプライシングに成り下がっている製品カテゴリーなのかと危惧する。当社は単品ではトップブランド。トップブランドメーカーとして今一度冷凍餃子の本質的な価値を伝える。自戒を込めて言えば、シェアを守るため、売上げを確保するためにバラエティー化を進めてきた。今市場もそうなっている。いずれ間違いなく淘汰される。冷凍餃子が使用されているのは全世帯の4割位だ。4割が5割6割にならないのかと考える方が、シェア争いすることよりもよほど重要だ。
ビジネス再構築図る 本部米国からオランダへ ―― ラムウエストンジャパン50周年
日野社長
ラムウエストンジャパンは5月28日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ東京で「日本進出50周年記念パーティ」を開催した。
パーティにはラムウエストンインターナショナル マーク・シュローダープレジデントをはじめ取引先など関係者104名が参列、日野庄弥社長の開会宣言、シュローダープレジデントの主催者挨拶、ノースイ森瀬公一社長の来賓挨拶、三井物産リテールトレーディング岸本聡社長の乾杯で開演、余興としてけん玉芸や抽選会が行われ50周年を祝う和やかな会となった。
日野庄弥社長は「ラムウエストンの日本進出は1973年。私が入社して23年になる。その間一番インパクトがあった出来事はコロナ禍だ。我々のプライシングの失敗や労働力不足で供給体制が非常にタイトになり迷惑をかけた。お詫びしたい。本部も米国からオランダに移り、プロジェクトフェニックスというスローガンの下、ビジネスの再構築を図る。」と挨拶した。
ノースイ森瀬社長は「嘗て当社はポテトに関してはユニバーサルフローズンと取引していた。ラムウエストンは最大の競争相手だった。それが1995年にユニバーサルフローズンが買収され、取り組むことになった。紆余曲折あったが、理解し会えて今日に至っている。今後も共に更なるは発展を期したい」と挨拶した。
鳥取に冷食新工場 市販冷食事業を拡大 ―― 極洋
取得した工場
極洋は5月23日、市販用冷凍食品所事業を拡大させるため西日本エリアの生産拠点として鳥取県倉吉市に工場を新設すると発表した。稼働は25年4月予定。
今回の新工場は、鳥取県倉吉市の工場を取得、改修し極洋食品㈱倉吉工場として稼働するもの。生産品目は市販用油ちょう冷凍食品(水産素材フライ製品等)。初期生産能力は約1500t。初期設備投資は14億円。26年度以降、事業拡大を進めるとしている。
同社の市販用冷凍食品は、子会社の極洋食品㈱塩釜工場に加え、西日本エリアの生産拠点として同倉吉工場が稼働することになる。これにより、生産力を増強するとともに、全国的な物流の効率性も向上させていく。
藤井幸大専務が新社長に 幸一社長は代表取締役会長 ―― サンマルコ食品
サンマルコ食品は5月29日、同日付で代表取締役社長に藤井幸大専務取締役が就任する役員人事を公表した。藤井幸一社長は代表取締役会長に、藤井幸男取締役会長は取締役相談役に就く。
藤井幸大(ふじい・こうだい)氏は1981年12月3日生まれ、42歳。北海道札幌市出身。2010年5月米国カリフォルニア州アカデミーオブアート大学卒業、13年11月サンマルコ食品入社、16年4月マーケティング本部長、17年5月年取締役、21年5月専務取締。
藤井新社長は就任に当たって、同社が掲げるミッションを刷新し、「守るべ守り、新しくすべきところは新しくして事業を拡大する」方針を表明している。