新会長に白潟氏 新体制で連携を一層強化 ―― (一社)日本冷凍めん協会
白潟会長
(一社)日本冷凍めん協会は5日、東京・高輪の品川プリンスホテルで「第21回通常総会」を開催した。総会では任期満了に伴う役員の改選により、新会長に会長代理を務めていた白潟昌彦キンレイ社長が就任。新体制の下、会員間の連携強化、冷凍めんの認知拡大、安全で安心な商品の提供に引き続き取り組みながら、さらなる業界の活性化を図っていく。
総会では岡田賢二副会長の開会の言葉に続き、白潟会長(総会時は会長代行)が挨拶、昨年の活動を振り返った上で「今年度の事業についても、昨年からの基本方針をもとに作り上げてきたことを深耕し、さらなる情報発信・共有の活性化、活動の幅を広げていかなければならない。業界が結束して認知拡大を図るとともに、消費者の信頼を得られるよう安全で安心な商品づくりをサポートしていく」とした。
来賓あいさつは佐々木農林水産大臣官房新事業・食品産業部食品製造課課長補佐。議事では13人の理事、2人の監事が選任された。伊勢英一郎副会長の閉会の言葉で締めくくった。
その後行われた理事会において、新規役員体制を決定。新役員体制は次の通り。
▽会長=白潟昌彦(キンレイ代表取締役社長)▽副会長・会長代行・技術委員長=岡田賢二(シマダヤ代表取締役社長)▽副会長・物流委員長=松田要輔(テーブルマーク代表取締役社長)▽副会長=鳥居憲夫(全国製麺協同組合連合会会長)▽副会長・情報委員長=伊勢英一郎(日清製粉常務取締役)▽副会長=木村富雄(ニップン取締役常務執行役員製粉事業本部長※6月27日付)▽専務理事=桑山和基(日本冷凍めん協会常勤)▽理事・会計担当=道添秀樹(フレッシュフードサービス取締役社長)▽理事=上和田公彦(日清食品冷凍代表取締役社長)▽同=西山隆司(西山製麺代表取締役社長)▽同=及川俊則(マ・マーマカロニ取締役社長)▽同=大谷昌史(信越明星代表取締役社長)▽理事・相談役=前場敏男(全国製麺協同組合連合会前会長)▽監事=奥能理士(日本リッチ代表取締役社長)▽同=堀啓祐(堀啓祐公認会計士・税理士事務所所長)
フローズン8.8%増に ―― 日本アクセス
服部社長
日本アクセスは5月31日、東京・西品川の同社本社で2023年度決算説明会を開催した。
2023年度(2024年3月期)連結業績は売上高2兆3366億700万円(前期比6.3%増)、営業利益302億8700万円(同20.1%増)、経常利益319億2200万円(同22.4%増)、当期純利益213億4000万円(同22.6%増)と増収増益となった。売上高経常利益率は1.37%(同0.18ポイント増)。価格改定による商品価格増や商品開発の取組強化などで増収。利益は売上増に伴う物流費の増加もあり販管費は増加したものの、収益改善の取組みや物流効率化施策などもあり売上総利益が増加し、増益となった。
温度帯・カテゴリー別の売上高はドライ8742億円(同5.3%増)、チルド7498億円(同8.0%増)、フローズン5.114億円(同8.8%増)、物流収入・その他事業2012億円(同1.1%減)。カテゴリーではフローズンのうち、市販用冷凍食品は1578億円(同6.7%)。ドライ・チルド・フローズンを含む業務用商品・生鮮商品は5592億円(同6.2%増)。
2024年度の経営方針については、「第8次中計の総仕上げに加え、次期中計に向けた仕掛けの1年とする。変革と挑戦をスピードをもって進めて行く」(服部真也社長)とし、卸売事業の売上・収益拡大、EC拡大と情報卸事業の事業モデルの確立、商品開発とフルライン機能の強化など重点取組みを進めていく。
小売業の売上拡大に向けたリテールソリューション、情報卸としてリテールメディアと呼ばれる小売業のID-POSを活用し、来店客の購買履歴、属性に応じたOne to Oneマーケティングを実現など強化する。
冷食でアレルギー対応 ―― イオン
「食育」をコンセプトに
イオンは12日、アレルゲンの特定原材料8品目を使用しない〈トップバリュやさしごはん〉シリーズから、冷凍食品8品を発売してシリーズの展開を本格化する。同シリーズから冷凍食品を展開するのは初めて。冷凍食品はグループの1400店舗で、常温品は1200店舗で販売する。
「食育」をコンセプトにに立ち上げたシリーズ。冷食は「おこめのほのかな甘さもっちりしたパン」、「パリッともっちりしたあらびきドッグ」、「生地がもちもち豚まん」、「いろいろな料理にポークミートボール」等。いずれもメインターゲットは子供を含むファミリー層。今後常温と冷食で構成し、早期に商品数を既存28品から倍程度に増やしていく。
■トップバリュは全商品を環境配慮型に
会見では、25年度〈トップバリュ〉シリーズはすべての商品を環境配慮型に切り替える方針も表明した。具体的な環境対応の内容やトップバリュが独自に設ける「環境配慮3Rマーク」をパッケージに表示する。
「区分3」金額2桁増に 冷凍は数量減も金額増 ―― 2023年UDF生産統計
日本介護食品協議会(森佳光会長、会員企業数96社)は3日、会員企業を対象とした2023年1~12月の「UDF生産統計」を発表した。これによると、生産数量は6万8496t(前年比7.3%減)、生産金額512億1600万円(同1.0%増)となり、生産量で減少、生産額で微増となった。
数量ベースの市販用・業務用比率は60.9%対39.1%。市販用は数量金額ともに減少、業務用は数量で減少、金額で増加した。
タイプ別で「冷凍タイプ」は、同1万8320t(同5.6%減)、190億8800万円(同8.9%増)となった。
UDF製品登録数は2167品目(同57品目減)。うち冷凍食品は1352品目を占めている。 区分別に見ると、「容易にかめる:区分1」は生産量4万4004t(前年比9.9%減)、生産額232億1000万円(0.4%減)。「歯ぐきでつぶせる:区分2」5871t(9.3%減)、49億1800万円(0.3%増)。「舌でつぶせる:区分3」は1万228t(2.6%増)、125億600万円(10.1%増)。「かまなくてよい:区分4」が同6853t(3.8%増)、67億1100万円(3.2%増)。 4区分のうち「区分3」については、市販用のレトルトタイプの生産量で若干減少をみたが、業務用の冷凍タイプが好調であり、数量、金額とも増加した。
「区分4」では、冷凍タイプのムース、ゼリーは引き続き増加した。在宅でも、ミキサーやペースト食の調理負担軽減の観点から積極的に取り入れられているものとみられる。 なお、区分2については、業務用で鳥インフルエンザに起因する卵原料不足の影響を受けた生産減があった。
事務局では、「統計には表れない会員各社の肌感覚は、コロナを機に進んだUDF製品の周知による需要のすそ野の広がりが実感できた点、最終製品の値上げを余儀なくされた中にあっても、他分野の製品に比較して需要への大きな影響は見られなかった点など至ってポジティブなものであった。UDF製品は、替えることができない必需品となりつつあり、給食現場など業務用筋では人手不足も相俟って、UDFのような介護用加工食品は追い風となっているとみられる。特に、素材型に比較して調理を必要としない完調品に対する需要は堅調の様子であった」としている。