「Umios」に社名変更 ―― マルハニチロ

新社名ロゴを手に池見社長
マルハニチロは3月24日、26年3月1日付で「Umios株式会社」に社名変更すると発表した。池見賢社長は、日本市場の縮小、天然水産資源の減少、コスト上昇などの課題に対して、「総合食品企業として、食を提供する視点だけでなく、課題解決の提供。ソリューションカンパニーとして、その意思を表すのはもはやマルハとニチロの2社統合会社を背景にしたマルハニチロではない。真のソリューションカンパニーを目指し、それを象徴するため社名を変更した」と説明し、持続的なたんぱく質の提供、健康価値の創造を目指す。
社名のumios(ウミオス)とは「umi」「one」「solutions」を組み合わせた造語。グループのルーツである海「umi」を起点に、社内外のステークホルダーや社会全体、そして地球と一体「one」となって、食を通じて地球規模の社会課題を解決「solutions」していく、という決意を込めている。
マルハニチログループは、前身のマルハが1880年、ニチロが1907年にそれぞれ創業し、漁業会社として近代漁業と水産加工の礎を築いてきた。その後、両社は「水産資源調達力」、「商品開発力」のそれぞれの強みを生かし、2007年に経営統合し、マルハニチログループとして総合食品企業として基盤を固めてきた。
1880年の創業以来145年の歴史において、水産業パイオニアを第一創業、2007年の経営統合を第二創業とすると、今回の社名変更は同社グループにとって第三創業と位置づけ、コーポレートアイデンティティを「海を起点に価値創造力で、『食』を通じて人も地球も健康にするソリューションカンパニー」と定め、強みとする資源調達力・加工技術力・食材提供力を基盤に、事業と機能を連携する「バリューサイクル」の仕組みを「グローカル」に展開していくことで、「持続的なたんぱく質の提供」と「健康価値の創造」を中長期的に実現する。
同日、東京・豊洲の本社で会見した池見社長は、「日本市場の縮小、天然水産資源の減少、コストの上昇などの現在の課題に対して、総合食品企業として、食を提供する視点だけでなく、『課題解決』の提供を行うことが期待されている。ソリューションカンパニーとして、その意思を表すのは、もはやマルハとニチロの2社の統合会社を背景にした総合食品企業のマルハニチロではない。真のソリューションカンパニーとしてそれを象徴するため社名を変更することにした」と説明した。
今後は特に海外事業を注力する。日本にグローバルヘッドオフィスを置き、北米、中国、アジア・オセアニア、欧州・アフリカ地区にそれぞれリージョナルヘッドクォーター配置、現地の視点でのバリューサイクルを展開する。また設備投資の積極化や現地パートナー企業との連携も強化する。これにより海外の経常利益率比率を25年3月期見通しの46%から、10年後70%を目指していく。
なお、「マルハニチロ」ブランドは使用せず。グループ会社名も27年3月末までに社名を変更する予定。
新社長に田中取締役 ―― ニッスイ

ニッスイは3月26日、新社長に田中輝取締役執行役員水産事業執行の昇格を発表した。浜田晋吾社長は代表権のある会長に就任する。5月14日付。
2025年度に開始する新中計「GOOD FOODS Recipe2」の迅速な推進に向け、経営トップの若返りと経営体制の一層の強化を図り事業間及びグループとの連携を強化し、さらなる成長と企業価値向上を目指すため。
新社長の田中輝(たなか てる)氏は1965年3月26日生まれの60歳。1988年3月東京水産大学(現東京海洋大学)水産学部食品工学科卒、1988年4月日本水産(現ニッスイ)入社、2019年6月執行役員広域営業副本部長、20年3月養殖事業推進担当、22年3月水産事業副執行養殖事業推進担当、24年6月より取締役執行役員水産事業執行。
業務用伸び前年越え、工場出荷額は微減に ―― (一社)日本冷凍めん協会・24年生産食数
(一社)日本冷凍めん協会は26日、冷凍めんの2024年1月~12月生産食数調査結果を発表した。年間生産食数は20億5299万9000食で前年比101.4%となった。食数は過去最高水準だった昨年の数字をさらに上回る結果となった。市販用、業務用の生産食数は市販用が10億8836万6000食(前年11億2831万1000食)で減少する一方、業務用が9億6463万4000食(同8億9594万8000食)で前年を上回った。ボリュームゾーンである「うどん」が市販用・業務用ともに数字を伸ばすとともに、次いで食数が多い「中華めん」が市販用で2桁増、「日本そば」「パスタ」では業務用が2桁増で、いずれも前年を上回る結果となった。
工場出荷額は1323億1000万円・前年比99.3%、うち市販用は959億4000万円・同107.8%、業務用は363億7000万円・同82.1%となった。
同調査は国内における冷凍めんを製造している企業37社を対象に行われた。

価格訴求型の冷凍ワントレー、冷凍米飯も新商品を投入 ―― イオン

税別298円のワントレー
イオンは2日、千葉県千葉市内で「トップバリュ価格戦略説明会」を開き、価格訴求型の冷凍ワントレーシリーズを立上げると発表した。冷凍米飯もベースライスを投入し、主力品をリニューアルして強化する。
冷凍ワンプレートは、2日に〈ベストプライス〉シリーズから「五目ごはんと鶏肉の黒酢あん」「ペペロンチーノとトマトソースハンバーグ」「チーズカレーとハンバーグ」を発売した。売価は税別298円。大量生産で工場の稼働率を上げることで値ごろな価格を実現した。また、6月4日に〈トップバリュ〉ブランドから10品目の食材を使用したワントレー6品(税別同398円)を発売する。ワントレーは当面現在の商品数を維持しながら改廃を進めて提案を強化する。 冷凍米飯は、7月30日には冷凍ベースライス「チキンライス」「サフランライス」「雑穀ご飯」を発売する。5月21日には米飯カテゴリーで売上トップの「本格五目炒飯」をリニューアルする。また、7月2日にはベストプライスのピラフ・チャーハン4SKUを刷新し、既存の「香味チャーハン」を改良して「ゴロっと焼豚のガリ旨チャーハン」として発売する。いずれも具材の配合率などを精査して売価を極力抑えた。
髙橋幹夫イオントップバリュ開発本部長は「価格訴求型のワントレーは半年以上前から展開を準備してきた。冷凍米飯も更に美味しく価格を抑えた商品を提供するために開発に取り組んだ。売価が上がった米の代替となる冷凍食品を提案して来店者の節約志向に寄り添いたい」とした。
●PB75品目を値下げ
会見では、PB75品目を値下げする方針も表明した。「ごろっとうまいむね肉から揚げ」「焼きなす」「グルメ野菜ミックス」などの冷凍食品も対象に含まれる。また冷凍「アンデスのふもとで育ったストロベリー」は中間業者を省くことで売価の据え置きを実現したという。
森常之イオントップバリュ副社長は「生産計画を厳格化し、全量買い取りで委託先の在庫を圧縮し、流通の中間コストを省き、営業・広告費を削減することで値引きを実現した。引き続き価格と価値というニーズに対応できる商品の提供に努めたい」としている。