全工程の自動化に目途 省人化ロボを冷食業界にも提供 ―― (一社)日本惣菜協会

冷凍食品の自動搬送ロボット、エレベーターにも対応

システム開発のタスクフォース
(一社)日本惣菜協会は日本ロボット工業会との共催で18日に東京・霞が関の経済産業省講堂で会見を開き、惣菜協が取りまとめ、タスクフォースで進めている惣菜製造の省人化システムの開発の進捗を説明した。24年度の開発で、惣菜製造に関わる全工程を自動化する目途が立った。会員企業からの要望を3年以内に実現してシステムを普及させる。業界の垣根を越えて冷凍食品メーカーなどにも省人化システムを提供していく。
24年度に開発したシステムのうち、「エレベーター経由冷蔵庫・冷凍庫への製品搬送ロボットシステム」は、冷凍食品などを製造所から階数が違う冷凍庫などに自動で搬送するシステム。実証実験では、パレット積みした約300kgの冷凍食品を搬送ロボットがエレベーターや保管庫の扉を自動で開けて運び、別の階の冷凍庫の空きスペースに置いて製造所に戻る流れで運用している。
「麺惣菜盛付工程統合ロボットシステム」では、惣菜売場で販売する麺類の容器の中に、小袋、ネギを盛り付け、製品化して専用コンテナに移載し、冷蔵庫に入れる流れを自動化する。実証実験では製造ラインの七つの工程を自動化して人員を半分に削減した。
「フライ投入兼弁当盛り付け工程統合ロボットシステム」は、一台で油調時のフライ品の投入と容器への盛り付けができるシステム。時間毎に別の工程を自動化できるため、稼働時間が長くなり、初期投資の回収期間が短くなる。
「デジタルツインの実現場運用(アセンブリ型惣菜製造工程生産性向上)」は、生産計画を約10分で立案し、AIが最適化して提示するシステム。実証実験では、生産性が5%上がり、生産時間が37%削減する効果などが認められた。
これらのシステムは、3年以内に売価を500万円以下に、対応する食材を100種類以上に、HACCP及び食品衛生法に対応する仕様に、一人分以下のサイズにした上で、低価格で即応性のある保守網も全国で構築する。
中国の業界団体と懇談 両団体の連携を強化 ―― (一社)日本野菜協会

中国の業界団体と懇談

中野会長
中国でチルド物流システムの構築を目指す食品メーカーなどが結成する中国国内の業界団体「中国預制菜在綫」は、14日に都内で(一社)日本野菜協会と懇談した。同会は、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「FOODEX JAPAN 2025」の視察や、国内大手食品メーカーとの意見交換を目的に訪日している。
野菜協との懇親会には中国側から32人が、日本側から中野亘会長と理事が出席した。懇談会では、事前質問があった①失われた30年と言われた90年代から日本経済がどのように回復したのか②市場の回復期の食品市場の傾向は─などについて、野菜協側が日本の食品市場の変遷などを説明。活発な情報交換にも取り組み、今後両団体の連携を深めることを確認した。
懇談会では、関孝範事務局長(せき社長)が日本の生鮮野菜市場の移り変わりを紹介した。また、大島誓二郎理事(インフォマート参事)が食品卸、メーカー、小売などが利用するBtoBプラットフォームとして高いシェアを誇る自社のオンライン決済システムのしくみなどを説明した。
質疑応答では中国側が「日本国内でソーセージなどの畜肉加工品について冷凍品のシェアが低い理由は」「オンライン商取引決済サービスにおける利益構造は」などについて質問し、野菜協に対して「ぜひ中国国内の工場と圃場に視察に来て欲しい」と要請した。
新本社披露で展示会 200社が協賛2千超が来場 ―― ニッカネ

金田社長
業務用卸、ニッカネ(金田陽介社長)は5日、新宇都宮本社・新物流センターお披露目大展示会を現地(河内郡上三川町)で開催した。
出展メーカー、商社は200社、事前来場予約制で関東全域および北関東を中心に事業者・病院・老健介護施設給食関係者や宇都宮市内の外食ユーザーなど目標を上回る2007人が来場した。
金田社長は会場で「今年は創業50周年の節目の年になる。業務拡大と更なるユーザーサービスの向上を図るため、新本社・物流センターの開設となった。竣工を機に配送網の強化や品質管理の徹底に取り組み、顧客や仕入れ先パートナーの期待に応えていく」決意を表明した。
各出展エリアジャンル(病院・老健、外食・日配品・産業給食・プライベートブランドコーナー)と併せニッカネ特設コーナーでは「おすすめメニューの食べ比べ」「栃木和牛の試食」「人手不足解消コーナー」ではスチコンを使い簡単調理、時短調理実演や講師を招いた人手不足と価格高騰を乗り越える~賢い既製品活用術~など各種のセミナーを実施した。
今期(10~2月累計)前期比15.1%増 人見専専
今期の業績(10~2月累計)では人見正幸専務は「前期比15.1%増(149億6000万円)で推移した。2035年度売上高500億円達成に向け邁進する」と意欲を示した。