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今週のヘッドライン|2025年2月第4週号

岡田社長「業務用売上再拡大へ」 ―― シマダヤ

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 シマダヤの岡田賢二社長は5日に行われた同社新商品発表会で上期までの業績概要および中期経営計画の進捗について説明した。中計初年度となる24年度は「家庭用の収益改善」と「業務用の売上再拡大」に注力。業務用では冷凍麺の安定供給に向けた生産拡大を目指し26年の工場新設も既に発表している。昨年10月に上場を果たし、新生「シマダヤ」としての一歩を踏み出した同社。主力分野の強化と共に海外、家庭用冷凍といった成長分野への取り組みも視野に今後に向けての方針を次の通り語った。
 当社の2024年度上期業績は売上高218億6200万円、経常利益27億4000万円となった。9月まで親会社であったメルコホールディングスの食品セグメントに基づく前年同期比で売上高は1・4%の増収。過去最高となっている。利益は約10%の減益ではあるが、最高益だった昨年度に次ぐ2番目の利益となっている。増収減益ながら当初計画に対しては極めて順調に推移している。
 ブランド別の販売食数については、家庭用(チルド)の主力ブランドである〈流水麺〉はTVCM、消費者キャンペーンの実施や端境期である4月、9月の提案強化により拡大した。また、経済性志向に対応した〈太鼓判〉は西日本エリアでの認知浸透が進んだこと、消費者の節約志向があり、食数ベースで大きく拡大している。冷やし中華についても残暑対策で販売期間を延長したこともあり、ロングセラー商品である「もみ打ち生冷やし中華」を中心に拡大した。
 業務用(冷凍)については〈α麺〉の一部商品の終売の影響はあったが、付加価値商品〈真打〉の拡販に注力してきた。特に「真打そうめん」や「北海道産小麦粉使用太打ちちぢれ中華めん」、「つけ汁専用武蔵野うどん」などが好調に推移した。全社トータルで食数については増加した。
 2024年度は中期経営計画「Change95」の初年度であり、2つのことに取り組んでいる。1点目は家庭用の収益改善だ。特に家庭用チルドの下期販売の底上げを進めていく。2点目は業務用の売上再拡大だ。冷凍麺の安定供給に向けた生産キャパシティ拡大への対応として2026年にシマダヤ関東前橋工場の隣接地に冷凍麺工場を新設する予定だ。さらに今後は西日本エリアや海外業務用冷凍麺、家庭用冷凍麺の売上拡大にも着手し、当社の冷凍麺の売上比率向上を図っていく。
 昨年4月より導入した事業本部制により各事業における顧客視点の高まりを私自身は感じている。引き続き各事業本部の自立性を高め、環境変化に迅速に対応し、事業成果の最大化を図っていくことに注力する。
 2025年度はコア事業である家庭用チルド、業務用冷凍の進化と利益成長に挑戦し、経営基盤をより強固なものとしていく。

パンチある熊本ラーメン ―― キンレイ

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やみつきになる味わいのスープ

 キンレイは18日より、冷凍麺ブランド〈お水がいらない〉新商品として「熊本ラーメン」(473g)、「尾道ラーメン」(506g)の2品を発売した。
 「熊本ラーメン」はラーメンデータバンク監修のもと開発を行っており、自社で炊き出した豚骨スープに自社製焦がしにんにくと黒マー油を加えることで、やみつきになる味わいのスープに仕上げた。麺はパンチあるスープの旨味に負けない中太ストレート麺をあわせた。
 「尾道ラーメン」は18年に発売し、キャパの問題により生産を終了していたが、今回は新工場稼働により生産体制が整ったことにより、品質を一から見直し新商品として投入。自社で炊き出した鶏ガラスープに瀬戸内産煮干しや小豆島の醤油をあわせ仕上げた。背油の旨味がとけ込んだスープには、コシのある平打ちストレート麺を合わせた。

■焼そば2品をリニューアル

 また、同日付でレンジで温めるだけの簡単調理が好評の「ソース焼そば」(260g)、「うま塩焼そば」(267g)をリニューアル発売する。今回、“もっちり太麺”をさらに改良。麺とソース・うま塩の絡み具合をアップさせた。

和・洋のスパゲティ2品 ―― ピエトロ

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青じそと刻みのりが香る

 ピエトロは春夏の家庭用新商品として、〈洋麺屋ピエトロ〉から冷凍パスタ2品を発売する。
 レストランで人気の和風・洋風メニューを冷凍食品で再現した。同社が祖業のレストラン開店時から得意とする和風メニュー「青じそ香る梅と蒸し鶏の和風スパゲティ」は、青じそのピューレをベースとしたソース煮不揃いにちぎった紀州産の梅を混ぜ込み、具材感のある蒸し鶏とオクラを合わせている。和素材の絶妙な組み合わせに青じそと刻みのりが香る一品。同様のフレーバーのメニューはレストランでも人気が高く、特に女性から厚い支持があるという。
 「海老とオリーブのトマトクリームソース」は、ぷりぷりの大きな海老とオリーブの実をトッピングし、トマトの酸味とクリームソースの旨みがマッチしたソースで和えた。具材の海老にフォーカスしてコストが許す限り大ぶりのものを具材として使用している。クリームとソースの黄金比で飽きのこない味わいに仕上げた。
 新商品の投入で〈洋麺屋ピエトロ〉ブランドから展開するスパゲティは11品になった。同ブランドのスパゲティについては、売場でシリーズを面的に展開しやすい10品程度のラインアップで改廃を進めていく。
 なお、新商品の発売と併せて家庭用冷凍食品の想定売価を、メーカー希望小売価格形式からオープンプライス形式に変更した。小売店で販売しやすくするための配慮だという。

ファンと作る冷凍ビーフン ―― ケンミン

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1年8カ月かけ開発

 ケンミン食品は3月1日より、ケンミンファンと同社冷凍食品開発メンバーが共創した新商品「XO醤香る牛肉と彩り野菜の焼ビーフン」(180g×2袋、720円)を発売する。
 同商品の開発には「ビーフンファンがつくる!みんなの冷凍ビーフンプロジェクト」により、ファンコミュニティから選ばれたケンミンファン8名と同社冷凍食品開発メンバー4名が取り組んだ。アイデアからコンセプトメイク、味づくり、商品名、包装まで1年8カ月かけて創り上げたもの。ファンの意見を取り入れて商品化するのは、同社創業以来初の取り組み。
 なお、「ビーフンファンがつくる!みんなの冷凍ビーフンプロジェクト」は、創業75周年を迎える同社が感謝を込めて、消費者満足度の高い商品を届けたいという思いから誕生した。
 広東料理で人気の高い「牛肉のオイスターソース炒め」をベースに、隠し味に高級調味料であるXO醤を使用することで、家庭では作ることが難しい干しエビと干し貝柱の風味豊かな味わいが楽しめる本格的なビーフンに仕上げた。

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