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今週のヘッドライン|2024年12月第2週号

海外事業の展開拡大へ ―― マルハニチロ

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日本と同規格で販売

 マルハニチロは2日、新規取組みとして、日本国内製造のソーセージピザ、チーズのドリア、など冷凍食品6品(ピザ3品、グラタン、ドリア、ラザニア)をグループ会社Sai GonFood社(サイゴンフード社)を通じてベトナム国内に販売すると発表した。食の洋食化が進むベトナム国内で、現地の外食の人気メニューである日本国内で生産した日本製の冷凍ピザ等の高品位な商品を提供することで、同国内向けの冷凍食品の開発、販売の強化を具現する事例として海外市場への展開拡大につなげていく。

 サイゴンフード社は2003年にベトナムのホーチミンで創業し、主に日本向け水産加工品の製造、販売を中心に発展。また、成長著しいベトナム国内で冷凍食品やレトルト食品をSG FOODブランドとして展開しており、ベトナムの朝食としてポピュラーなお粥や鍋セットなどにおいてトップブランドの地位を築いている。マルハニチロは、2017年に日本向け水産加工品の製造委託先と同社との取引を開始し、技術援助による同社の製造技術向上や事業発展の一助を担いながら、関係を強化してきた。2021年に新たな水産加工拠点確保、及び、加工食品の開発、製造、販売プラットフォームを獲得するため同社株式を取得し、子会社化した。現在はサバ、サーモン等水産品を中心とした加工輸出事業ならびにベトナム国内で販売するレトルトパウチ粥など常温品、炒飯等冷凍食品の調理加工も行っている。
 今回のベトナムでのピザ類の販売については、同国内での洋食等の食の多様化が進み、ピザは外食で人気メニューとなっており、量販店でも冷凍ピザの売場が拡大していること。マルハニチログループの強みである製造拠点、商品開発力、販売網を生かし、日本製の商品を提供できること。サイゴンフードが展開している簡便調理品のラインアップの強化につながることなどが狙い。
 製品は全てマルハニチロ群馬工場で生産。サイゴンフードでリパック。紙包装に入れ、それぞれ1枚・1個で販売する。
 販売する商品は以下の通り。「ソーセージピザ」(100g)、「7種のチーズピザ」(118g)、「トマトとチーズピザ」(135g)、「チーズのマカロニオーブン焼き」(200g)、「チーズのドリア」(200g)、「チーズのラザニアオーブン焼き」(200g)。価格はピザが3万9000VND(ベトナムドン、約165円)、ドリア、グラタン類は5万9000VND(約358円)。商品規格は日本国内向けと同様。
 小梶聡常務執行役員は、「今回はあくまでトライアル。需要動向を把握が目的だ。ベトナム国内の冷凍食品売場では、既に他メーカーが冷凍ピザを販売している。価格的には対抗できると思う。需要動向を把握し、将来的には同国内で製造も視野に入れている」とした。

売上1兆2千億視野に ―― ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス

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藤田社長(中央)と4事業会社トップ

 イオングループのユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U・S・M・H)は11月29日、都内で経営統合説明会を開催した。
 同社はマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の共同持株会社として2015年に設立。今回、いなげやが新たに加わり、新生U・S・M・Hとなる。
 新生U・S・M・Hは、資本金100億円、店舗売上高9235億円、店舗数659店舗、従業員数3万5563人(パート・アルバイト含む)で、首都圏最大のスーパーとなる。
 会見した藤田元宏社長は、「2015年のUSMH発足以来、各事業会社の自立性、統合メリットを目指してきた。しかし、数年は効果が一巡、またコロナ禍、コロナ禍後のインフレシフトなどもあり抜本的変革が必要だった。今回のいなげやとの経営統合を機に、枠組みを大きく変える」説明した。
 今回の統合を機会により機能を集約し効率化を図る。具体的には各社ごとに置かれた商品の仕入部門をUSMHとして統合し、一括して仕入れ調達を行う体制に移行するほか人事、総務、財務などのバックオフィス部門を集約しコスト削減を図る。
 今後の売上規模感については、藤田社長は「首都圏エリアでは、売上高1兆2000億円の規模が無ければ、市場シェア10%超えない。10%超えるとプレゼンスが発揮できる。5~8年後には目指したい」とした。

社長に中村典正氏 ―― ナックス

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 ナックスは5日、新社長に中村典正国分フードクリエイト㈱常務執行役員営業統括兼地域共創部長兼国分グループ本社㈱低温フレッシュデリカ統括部戦略推進室冷凍事業推進部長が就任すると発表した。中村氏は25年1月1日付でナックス顧問、3月28日付で代表取締役社長兼営業本部長に就任する予定。石橋逸平社長は顧問に就任する。
 中村氏は1967年4月27日生まれの57歳。同社創業者・故中村博一氏の二男。1991年慶応義塾大学卒、同年味の素入社、95年に同社に入社、2008年1月末まで社長を、その後専務を務め、国分グループ本社に転じていた。

会社所在地

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黒田ビル2階