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今週のヘッドライン|2024年9月第3週号

ECで冷凍調理キット 業務用で培った技術活用 ―― キユーピー

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市販用で同社初の冷凍調理用溶き卵

 キユーピーは冷凍の調理用溶き卵を使った中華風卵炒めキットの新シリーズ〈好吃卵(ハオツーたまご)〉から「豚肉ときくらげの卵炒め」(330g)、「牛肉と卵のオイスターソース炒め」(310g)、「豚にら玉」(305g)の3品をEC限定で9月上旬より発売している。シリーズ名の「好吃卵」は、卵を使った中華料理を、おいしく、簡単に楽しめるようにという思いで付けた。同ミールキットに使用している調理用溶き卵は、業務用で培った技術を生かしており、市販用としては初の販売となる。

 同社は10月21日付で「家庭用本部」「フードサービス本部」を発展的に解消し、「マーケティング本部」と「販売戦略本部」に再編することを発表している。新たな組織体制の下、市販用におけるタマゴ商品のラインアップ拡充にも取り組んでいく方針であり、今回の商品はテストマーケティング的な意味合いも含め市場投入に至った。業務用では既に、卵を原料とした商品を数多く発売しており、長年培ってきた技術力を活用していくことで、市販用としては初めて、冷凍の調理用溶き卵を発売する。卵を溶いて調理し冷凍したもので、解凍後すぐに調理に使える商品となっている。
 卵炒めは簡単そうで味付けや火加減が難しい料理とされるが、同商品は卵以外の食材も味付けされており、流水解凍後、フライパン食材を炒めて、溶き卵を入れ、蒸して軽く混ぜるだけで簡単に本格的な中華風卵炒めが作れる(調理時間約10分)。賞味期限は冷凍で6カ月。
 「卵料理を作りたいときに卵がなかった」「卵を使いたいが10個パックを買っても使い切れない」などの悩みに対して、新たにストックできる卵素材商品として投入する。

課題解決×本格品質 ―― 24年度秋冬業務用新商品

 24年秋冬業務用冷凍食品新商品・リニューアル品が出揃った。市場背景として為替影響による各種原料、製造コストのアップや人件費高騰、人手不足がさらに深刻化する中、重点的に各社取組むのが「調理現場のオペレーションサポート」。そこに「専門店品質」や「本格」といった価値を掛け合わせることでメニュー単価アップにつながる商品提案が進んだ。業態では回復傾向にある外食・ホテル向けに注目。老健・産給向けにも積極的に商品提案が図られた。
 ニチレイフーズは独自技術を活用し付加価値の高い「ブロスハンバーグ100/120」を投入、ヤヨイサンフーズも外食・事業所を狙った専門店品質の「鉄板GRILLハンバーグ」を発売している。
 マルハニチロはメディカル・給食向けに魚食ニーズに対応した「お魚ハンバーグ」2品を投入した。ニッスイは節約・簡便・効率的をコンセプトとした〈E調理〉シリーズを提案。テーブルマークは単価アップと人手不足対応をテーマにフリーカットケーキを拡充した。味の素冷凍食品も主力のケーキ類〈フレックスペシャリテ〉に新商品を追加した。
 極洋は老健・産給の人手不足対応に完全油調品・自然解凍の水産フライを充実した。


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一転して微減 ―― ピザ市場

 ピザ協議会は4日、2023年のピザトータルマーケットを公表した。
 23年のピザ推定末端売上高は3237億5000万円(前年度比98.7%)となり、過去最高を更新した前年から一転して減少し、史上2番目の水準となった。
 メーカー出荷額ベースの売上は前年比103.2%となり、前年を上回った。9年連続で伸長している。市販用が前年の実績を上回ったものの、業務用が減少に転じている。メーカー製品由来の推計末端売上高は1614億5000万円(同103.6%)となった。「ピザ宅配店及び専門店、通販業者、イタリアンレストラン及びファミリーレストラン」の推計ピザ売上高は店舗数が増えたことにより増加したが、メーカー製品由来推計値との重複分を引いた、同推計ピザ売上高は、1623億5000万円(同94.2%)となりった。前年比で大きく減少したが、コロナ禍以前の19年度の実績1497億7000万円を上回っている。
 ピザマーケット調査は、1994年の同協議会設立年から実施しているもの。国内の市場規模は、初年度の約1770億円から1500億円余り伸び、約1.8倍に拡大している。

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