低価格商品を強化 ―― セブン-イレブン
羽石商品本部長
セブン-イレブンは3日、東京都千代田区の同社本社で会見を開き、今後の価格戦略について説明した。高価格帯を充実させてきたこれまでの方針を一部修正し、値ごろ感のある商品を強化する。低価格商品のブランド〈うれしい値〉の商品数を20品から270品に増やし、グループ横断型の価格訴求型ブランド〈セブン ザ プライス〉も充実させる。節約志向で低下した利用者の来店頻度を回復させて平均来店客数を増やす。〈うれしい値〉は、新たに冷凍食品も対象に加える。
同社では足元の事業環境について、実質賃金が今年6月まで26カ月減少し、消費者物価指数も昨年よりさらに鈍化しているとした上で、食料品や日用品の値上げで生活者の8割以上が負担を感じ、94%が普段から節約を意識しているというデータがあると説明。一方、同社の独自調査ではコンビニ業態に対して商品が割高だと考えている生活者が63.9%に上り、フードデリバリーの55.3%を上回って業態別で最も値ごろ感が低いという結果が出たとした。
同社ではコロナ下でCPの開催による客数の増加に努め、24年にはイベントの実施を絞って基本商品の磨き上げによる付加価値の向上に努めてきたが、足下の市場環境の変化に対応するために値ごろ感のある商品を強化する。
低価格商品の〈うれしい値〉については、オリジナルのフレッシュフードを65アイテムに、セブンプレミアム商品205アイテムに増やす。これまで展開してきた〈安心価格〉は同ブランドに統合する。月一回のペースで商品の構成を見直し、商品開発も進めていく。
そのうち、フレッシュフードは、原材料の集約と調達の変更、設備投資による製造工程の省人化などによって原資を生み、価格の引き下げを実現した。セブンプレミアムでは、ブランドの領域を冷凍食品やアイスにも広げる。冷凍食品はPBのたこ焼、玉うどんの2品を対象商品に加える。価格や包装の変更はなく、「これまでコミュニケーション不足で来店者に値ごろ感を伝えきれていていなかった商品を再度訴求する」(同社)。
羽石奈緒執行役員商品本部長は「低価格商品の強化で来店頻度を引き上げる。節約志向の高まりで来店頻度が落ちた利用者や月1回程度利用するライトユーザーに値ごろ感を訴求して来店を促していきたい」としている。
冷食1位は「まるかじゅり」 ―― 日本アクセス 新商品グランプリ
新感覚の冷凍フルーツ
服部社長とアヲハタ佐川氏
日本アクセスは8月28日、「新商品グランプリ2024秋冬」の審査結果を発表、表彰式を行った。冷食食品部門の1位はアヲハタの「まるかじゅり グレープフルーツ&オレンジ」が選出された。同商品はもんで食べる新感覚の冷凍フルーツ。グレープフルーツとオレンジの果肉に、グァバがほのかに香るすっきりした味わいが特長だ。
表彰式で同社の佐川健志取締役営業本部担当は授賞挨拶で、「当社はジャム会社であるが、ジャムはシニアがメイン需要層だ。将来を見据え『ジャムのアヲハタ』から『フルーツのアヲハタ』を目指しており、冷凍フルーツを強化しているところだ。今後もフルーツのアヲハタを目指していきたい」とした。
冷凍食品部門の2位以下は以下の通り。2位「おべんとPONとんかつ」(味の素冷食)▽3位「赤坂璃宮の五目シュウマイ」(マルハニチロ)▽4位「オーマイプレミアム スープパスタ クラムチャウダー」(ニップン)▽5位「本当に旨い担々麺」(ニチレイフーズ)。
なお総合グランプリは理研ビタミン「割るだけスープ ホタテチャウダー」(加工食品部門)。
服部真也日本アクセス社長は、「食品流通を取り巻く環境は先行き不透明な環境が続いている。その中で、メーカー各社では、消費者の購買行動の多様化に合わせた新商品を開発されている。メーカーの熱い想いをしっかりと得意先に反映とするとともに、消費者へお商品の価値を伝える。販売点数の拡大にこだわっていきたい」とした。
グランプリは日本アクセスが年2回実施しており、2009年にスタート。23年春夏より日本アクセスのオリジナル企画となった。審査委員は同社公式LINEの登録者(5万人)より募集した関東、関西の20~40男女110名。7月に開催された同社の展示会で実施された。味、コスパ、オリジナリティなど得点順にランキングを決定した。今後は公式ウェブサイトでの公開やTikTok動画によるPRを展開していく。
キャンペーンに4万超応募 ―― 首都圏市販冷食連絡協議会
左から菅野進副会長と鎮目会長
首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協)は8月22日、東京大田区の事務局で、2024年度消費者キャンペーン「2024年毎日おいしい!冷凍食品キャンペーン」の結果発表及び抽選会を行った。期間中の応募宗素は4万3,381通(前年比97%)とほぼ前年並みとなった。
消費者キャンペーンは6月1日~7月31日の2カ月間実施。対象商品のバーコードを応募はがきに貼付し、アンケートに答え応募するクローズド方式で実施された。景品当選人数は総数230名。前回同様景品により貼付応募枚数毎にコースを設定。景品の一つの好評のセカンド冷凍庫は、使い勝手の良い観音開きタイプ「アイリスオーヤマスリム冷凍庫(80L)」(14枚応募)に変更したほか、「試食会&トークショーコース」(1枚応募)を新設した。
「試食会&トークショー」は10月24日に東京・品川区内で開催される。ゲストは、冷凍生活アドバイザーの西川剛史氏。60名対象。また同日行われる「試食会」は18社が参加予定で、各メーカーおすすめの冷食を試食してもらう。
挨拶した鎮目武志会長は、「7月単月は冷食業界は厳しかった。惣菜系が特に苦戦。人流回復で外食やワンプレート品に移行していたのではないか。とはいえ8月は台風もあり買いだめなどで冷食のパワーは健在だ。ただし8月は特需であり7月以降右肩上がりからダウンがみられる。我々とメーカーで知恵を出し合い需要活性を図りたい」とした。