「銀座」30周年で新展開 ―― 明治
左から林事業部長、三井執行役員、大田グループ長
“軽食”として提案
明治はレトルト・冷凍食品で展開している〈銀座〉ブランドが今年発売30周年(レトルト・銀座カリーの発売より)を迎えるに当たり、「銀座洋食」シリーズを新たに立ち上げた。冷凍食品では「銀座オムライス2個入」「銀座洋食ビーフストロガノフ2個入」を投入。既存カレーアイテムと共に品揃えの幅を広げていく。また、パッケージも一新し、ブランドをより鮮明に打ち出した。新商品発売に伴い下期はブランドとしてのコーナー化や同社アイスとのコラボレーションも計画。さらなる飛躍を図っていく。
今回、「銀座洋食」シリーズの冷食での展開を図っていくに当たり同社が意識したのは“軽食”としての提案、そしてレトルトにはできないご飯と一緒に楽しめるメニューだ。カレーを中心に展開する同ブランドの幅を“洋食”を加えることでさらに広げていく。
「オムライス2個入」はバターと銀座ブイヨンで深みをだし、ソテートマト・オニオンのコクうまトマトソースに、香辛料で旨みを引き出した、トマト感の強いケチャップライス。バターの味わいを感じられる卵を使用した。「ビーフストロガノフ2個入」は炒めた牛肉、たまねぎの旨みが広がるビーフストロガノフソースをコク深いバター風味のピラフに合わせ、ゴーダチーズをトッピングした。
また、今回、既存の「銀座カリードリア2個入」「銀座ハヤシドリア2個入」「銀座バターチキンカリードリア」の3品もリニューアル。パッケージは今までなかった「meiji」ロゴを記載することで、明治の企業イメージ、安心・安全・おいしさを付与。視認性も向上した。
今後は売場でのコーナー化、また同社の人気アイス「ブルガリアフローズンデザート」とのコラボ試食会なども計画している。
21日、東京・京橋の同社本社で行われた「銀座カリー発売30周年記念新商品発表会」に出席した三井基史執行役員グローバルフードソリューション事業本部長は「我々は、これまで以上に絶えず新たな提案を行い、驚きを与え、新たな市場創造に繋がる商品開発、食事の提案を行っていく。食卓をより豊かにし、市場を活性化させる新商品を提案する」とした。
売上・利益ともに過去最高 ―― ニチレイ第1四半期
ニチレイの2025年3月期第1四半期業績を発表した。連結売上高1711億5700万円(前年同期比4.4%増)、営業利益95億4100万円(同20.4%増) 経常利益103億3200万円(同24.1%増)、四半期純利益64億4400万円(同29.8%増)で売上、利益ともに過去最高となった。
セグメント別では、加工食品事業の売上高は778億円(同9%増)、営業利益58億円(同54%増)。
低温物流事業の売上高は659億円(同7%増)、営業利益34億円(同15%減)。その内国内の売上高は466億円(3%増)、営業利益は33億円(同12%現)、海外同186億円(同20%増)、営業利益7憶円(同18%増)。
水産事業の売上高は127億円(同8%減)、営業利益0円(同36%増)。畜産事業売上高186億円(同12%減)、営業利益3億円(同50%増)。
加工食品事業のカテゴリー別売上高は家庭用調理食品226億円(同9%増、その内単価影響1%、数量影響8%)、業務用調理食品271億円(同7%増、その内単価影響1%、数量影響6%)、農産加工品64億円(同10%増)、海外180億円(同15%増)、その他38億円(同3%減)。
家庭用調理品は3月に実施したCM効果及び「本格炒め炒飯」など主力米飯が昨年卵原料の供給不足により一時的に影響を受けたものの今期はその反動で好調。スナック類及びパーソナルユース向け新商品も増収に寄与した。
業務用調理品は大手ユーザー向けのチキン加工品や米飯類の拡販により増収。惣菜向のチキン加工品の数量も前期を上回る水準に回復した。
海外事業は北米事業がインフレに伴う消費減退の影響が継続し、現地通貨ベースでは減収も、為替換算の影響で増収。タイのGFPTニチレイは国内外での販売拡大に加え、バース安の影響で増収となった。
業績の上振れに伴い通期連結予想を修正、売上高7000億円(期首予想100億円増)、営業利益405億円(同15億円増)とした。加工食品の売上高は3180億円(同80億円増)、営業利益210億円(同20億円増)を見込む。
「おべんとPON」で ―― 味の素冷凍食品
新商品をPR
味の素冷凍食品は7日、東京・門前仲町で、秋季新商品・リニューアル品体験会を開催し、各商品の開発コンセプトなどについて説明した。秋冬の新商品・リニューアル品は、引き続き「おいしさ№1」「楽しさ」「健康栄養」「環境への配慮」の四つの独自価値を軸に開発に取り組んだ。
新商品の「おべんとPON」は、冷凍庫でかさばり余剰なゴミも生まれるというトレー入り商品に対する不満やタイパの良い弁当を作りたいという思いに応えた商品として設計した。トレーを排した長細いパッケージを採用することで、弁当に詰める際に箸を使う必要がなく、冷凍庫の隙間にも入りやすいという新たな価値を創造している。
量販店からも、省包装で、店舗の保管場所、配送車両の積載容量、売場のスペースをトレイ入り商品の2分の1に削減できることに大きな反響がある。商品を台座に建てて出荷するため、陳列作業も大幅に削減できる商品としても高い評価を得ているという。
「ギョーザ標準30個入り」は、同社の看板商品の「ギョーザ」を約30個入りにした。一度に大量調理しやすいように羽根の素の量を調整し、ニラを使わずマイルドな仕上がりに仕上げることで、食べやすい味わいにした。ニンニクを中国産にすることで、ユニット単価に優れた値ごろ感のある商品に仕上げている。パッケージは冷凍庫の保管スペースを20%削減できる小型包装を採用した。
体験会に登壇した寺本博之社長は「新商品の“おべんとPON”は、生活者の使い勝手と共に、四つの独自価値のうち〈環境への配慮〉にも軸足を置いた商品だ。当社はこれからも親会社の味の素が有する技術やノウハウという世界に誇れる強みをどう生かしていくのかということを考え続けながら商品開発を進めていく」とした。