シニア=「ゴールド世代」を食のパワー消費層として注目 ―― 三菱食品・ダイヤモンドフェア
約3700万人の巨大市場
「冷食」を使用を肯定的に訴える
三菱食品は7月23日~25日の3日間、総合展示会「ダイヤモンドフェア2024」を東京・有明の東京ビックサイト(西展示棟西3・4ホール)で開催した。今回のテーマは「『ありたい未来』へ、共に歩く。」。食品流通に関わる11の社会課題に対して、三菱食品が考えた55のアイデアを戦略、テーマ、ソリューション、商品、機能などに落とし込んで各コーナーで提案した。特に今回はシニア世代にクローズアップ。60歳~84歳までを「ゴールド世代」と定義し、食のパワーコンシューマーと位置づけて購買力、食に対する関心など従来のシニア向けと一線を画した提案の必要性を訴求した。
同社の定義する「ゴールド世代」は60~84歳の男女を指し、約3700万人の巨大市場で、ゴールド世代だけで食品消費全体の約4割を占め、購買力は若年・中年層を大きく上回るとしている。
このゴールド世代を「60代~69歳」(まだまだ現役エントリー層)、「70~79歳」(健康の変化に対応。ゴールド真っ只中)、「80~84歳」(ムリをせずゆっくり、じっくり。人生マスターモード)の三つに分け、それぞれが求める食のニーズなどを提案した。
シニアといえども現役感覚や高い購買力なども見られることから、シニアの食品はこうあるべきなどの常識を排し、現役感覚に近い食品への嗜好にも対応する必要があることを訴えた。
冷凍食品についてもゴールド世代への訴求は有効であるとしている。調査結果では、ゴールド世代には、冷凍食品・惣菜へのトライアルユースも見られるという。冷凍食品の進化した味に感動し、そのまま購買へつながる。
具体的な施策として、売場では試食やマネキンで、冷凍食品の使い方が簡単でおいしいことをアピールし、惣菜は栄養価をアピールすることや調理が簡便な揚げ物を勧めることなどが需要拡大につながると訴えた。
その他、冷凍食品関係では、ウェルネスコーナーで「食による女性サポート提案」として、冷凍食品のストック術を紹介し、罪悪感なく冷凍食品を活用してほしいと冷凍食品の賢い活用を訴えた。
男性向けの調査「食卓に冷凍食品が並ぶことに何か感じますか」では、67%が抵抗がないと回答。冷凍食品を食卓で積極的に活用してほしいとした。
完全油ちょう水産フライ品 ―― 極洋・新商品
「えびフリッター(完全油ちょう)」
極洋は7月25日、2024年秋の新商品として市販用商品8品、業務用使用品38品の計46品を発表した。開発テーマは「かんたん・本格!こだわりプラス!」。人手不足やタイパや本格的なものを求める市販用・業務用のニーズに対応する。
業務用冷凍食品では、人手不足対応として、完全油ちょう品、自然解凍調理の「えびフリッター」「海老カツ30/50」「ポップコーンシュリンプ」「子持ちししゃも唐揚げ」の水産フライ製品と「チキン南蛮唐揚げ」を投入する。油ちょう済みで、自然解凍で提供できるので、オペレーションの簡便化ニーズに対応できる。温かいメニューもスチコンで温めるだけで提供可能。老健施設、産業給食などへ提案する。
人手不足の調理現場をサポートするコンセプトの〈だんどり上手〉シリーズは、「だんどり上手サーモン塩焼き(骨なし)15g/40g」を追加したほか、畜肉製品で「だんどり上手やわらか若鶏の3種巻き」など3品をラインアップ。畜肉3製品はユニバーサルデザインフード(UDF)区分「容易にかめる」に該当し、老健施設等への提案を強化する。
オーシャンキングは、現行品に比べて高い保水率でしっとりやわらかい「しっとりマリンファイバー」などを追加してラインアップを拡充した。
高品位商品では、洋食店・銀座スイス監修「海老フライBT 銀座スイスL」を投入。
常温品では、同社初のレトルト鍋スープ〈魚屋が極める鍋之道〉シリーズ「鯛だし鍋つゆ(しお味)」などを発売する。
冷凍パスタ「にんたら」など ―― ピエトロ・新商品
まかないメニュー
ピエトロは9月1日、秋冬の家庭用新商品2品を発売する。いずれも量販店を中心に自社ECでも販売する。
量販店向けの人気シリーズ〈洋麺屋ピエトロ〉からは、「にんたら にんにくとたらこのペペロンチーノ」(1食、税込842円)を投入する。低温でじっくり揚げた丸ごとニンニクを使用したやみつきたらこパスタ。同社が展開する飲食店のまかないから生まれた商品で、店舗でも人気が高いメニューを冷凍食品化した。
「マルゲリータ&なすとひき肉の辛味トマトソース」(200g、同961円)は、売れ筋のマルゲリータとなすとひき肉の辛味トマトソースを一度に楽しめるハーフ&ハーフタイプの冷凍ピッツァ。
故・内田相談役・前会長 お別れの会開く ―― 日東ベスト
故人を偲んだ
日東ベストは7月25日、山形県山形市のホテルメトロポリタン山形で今年6月4日に逝去した同社相談役・前会長の内田淳氏のお別れの会を開催した。
実行委員長は大沼一彦代表取締役会長と塚田莊一郎代表取締役社長執行役員。
当日は多数の業界関係者が参列し、献花を行うとともに、別室に飾られた時代ごと、数多くの写真を前に在りし日の故人を偲んだ。
内田氏は東京大学農学部卒業後、エーザイを経て、日東食品製造(現日東ベスト)に入社。大谷工場長、冷凍食品部長等を経験した後、ベスト・フローズンに移り常務、専務を経て社長に就任した。平成5年には日東食品製造の社長に。翌年、関係7社が合併し、日東ベストの社長となった。平成25年からは会長として、その翌年からは相談役として会社を支えた。業界団体では(公社)学校給食物資開発流通研究協会の副会長他、学校給食用食品メーカー協会の会長も務めた。
大沼会長の弔辞では「当事者意識を持て」「誠心傾聴」「チェンジ、チャレンジ、コミュニケーション」といった故人が残した数々の言葉が、今でも同社社員の今でも教訓となっていることを紹介。また、故人の功績として、「缶詰から冷凍食品への転換に当たり、全国に販売拠点を作り上げ、わが社の大黒柱として冷凍食品事業を築き上げました。新たに日配事業、海外事業、健康事業、東根のとんかつ工場、神町工場、山形工場、給食センターの設立に取り組まれました。今、これらが大きく貢献してきております。感謝申し上げます」とした上で、「私は内田相談役と出会い、学び、そして一緒に仕事ができた事を誇りに思っています」と締めくくっている。
3社合同で海岸清掃活動 ―― マルハニチロ、ニッスイ、極洋
(左から)浜田社長、井上社長、池見社長
マルハニチロ、ニッスイ、極洋の水産大手3社は7月27日、千葉市の幕張海浜公園・幕張の浜で「3社合同海岸クリーンアップ2024」を行った。3社合同の海岸清掃活動は昨年に続き2回目。当日は3社の社員及び家族など167名が参加したほか、マルハニチロ・池見賢社長、ニッスイ・浜田晋吾社長、極洋・井上誠社長の各社長も参加し海岸清掃活動を行った。
開会に当たり挨拶した池見社長は、「3社はいずれも水産物が主力商品であり、魚は強みでもある。海はそれを育む重要な資源で、これをきれいにすることは使命だ。また海洋プラスチックもあってなはらない。それを考えながら体調管理に注意して清掃活動を行ってほしい」とした。
清掃活動は午前9時から1時間実施。ゴミ収集重量は104.6㎏(可燃ごみ75.2㎏、缶・ペットボトル・びんごみ9.3㎏、そのほかのごみ20㎏)だった。