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今週のヘッドライン|2024年6月第4週号

冷食物流で協働、持続的成長に向け検討 ―― 冷凍食品メーカー大手5社

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 味の素冷凍食品、テーブルマーク、ニチレイ、ニッスイ、マルハニチロの5社は19日、(一社)日本冷凍食品協会が昨年12月25日に公表した「物流の適正化・生産性向上に向けた冷凍食品業界の自主行動計画」に従い、今後の冷凍食品物流における効率的で安定的な物流体制の実現と持続的成長への検討を協働で進めていくと発表した。「物流2024年問題」への対応が求められる中で、手荷役が多いと言われる冷凍食品物流において、業界大手5社が協働で取組んでいくことで課題の解決、持続的な物流体制の確保が期待される。

 味の素冷凍食品、テーブルマーク、ニチレイ、ニッスイ、マルハニチロの大手冷凍食品メーカー5社は、(一社)日本冷凍食品協会が昨年12月25日に公表した「物流の適正化・生産性向上に向けた冷凍食品業界の自主行動計画」に従い、今後の冷凍食品物流における効率的で安定的な物流体制の実現と持続的成長への検討を協働で進めていく。
 物流全般に関する諸課題への速やかな対応が求められる中、冷凍食品物流においては、手荷役が多いなど特有の課題解決も迫られている。このような環境を背景に、これからの冷凍食品物流の効率性を高めていくためには、個社単体での対策を進めることに加えて、5社による新たな協働体制により、既存の枠組みを超えた取組みを推進していくことが、冷凍食品物流全体の生産性向上、持続的な成長の実現につながり、かつ、今後の業界標準化への促進にもつながるものとしている。
 5社はこれまでも個社同士の取組み連携の中で全国各エリアでの共同物流を行ってきたが、今後は、これを基盤としながらも、5社による新たな協働検討体制により冷凍食品物流の更なる基盤強化を図るとしている。
 5社協働体制での主な検討内容は
 ①共同物流の拡大(共同保管・配送による積載率の向上と物流ネットワークの安定化)
 ②物流課題への対応(物流現場における生産性向上への協働の取組み)
 ③物流GX・DXの推進(共通プラットフォームによるデータ共有・利活用)。

冷凍夕食惣菜を24品発売 下期副菜を同等の数量で ―― イオン

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油で揚げないコロッケ
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森真紀イオントップバリュ本部長

 イオンは19日、主食系の冷凍夕食惣菜〈みんなのおかず〉ブランドを立上げ、新商品24品を発売した。下期に同等の販売数で副菜を発売する。上期に前年比2桁増で推移している冷凍食品の売上を、同シリーズの展開で更に10%程度積み増し、同2割増に引き上げる。同日東京都品川区のイオンスタイル品川シーサイド店で開いた会見で明らかにした。
 ハンバーグ、自然解凍の骨とり魚、油で揚げずにオーブントースターで調理できるコロッケやメンチカツ、アジアンメニューのガイヤーンとタンドリーチキンなど、家庭で作りにくい主食メニューを簡単に調理できる冷凍食品で提供する。ファミリー層をターゲットに複数パックや大容量商品を品揃えた。本体価格は498円~980円とややアッパーなラインで、ユニット単価の値ごろさを訴求する。
 下期に発売する副菜は、畜肉や魚介を使った主菜と相性の良い野菜系のメニューなどを開発する。今回発売した主菜とのセット購入や、家庭内で調理した料理に一皿を加える単品購入の需要を見込んでいる。
 売場は、スナック、弁当品、商品設計が類似するNBを展開しているスペースなどを活用する可能性があるという。
 来店者の食に関する困りごとを取りまとめたアンケート調査で、「食事の時間に全員が家に揃わない」「同居者と生活リズムが合わない」「食の好みがちがう」「それぞれが食べたいときに食べたいものを食べたい」「各自が自分で食事を用意する」などの声が挙がったことから、家族がそれぞれ好きなタイミングで食べられる「ポジティブな食のパーソナル化」に対応できる夕食惣菜の展開に光があると見て開発した。今後の販売状況を注視して改廃を進めながら、主食系の商品数も増やしていく。主な新商品は次の通り。
 ▽焼いて美味しいノンフライコロッケ(8個、税別498円)▽やわらかふっくら美味しいさば味噌煮(1切×2パック、同598円)▽濃厚デミグラスハンバーグ(150g×3個、同980円)▽肉汁たっぷり鶏つくねピーマン焼き(300g、同598円)▽チーズ香るロールチキンのアスパラ巻き(360g×4個、同798円)など。

業界のため役割果たす ―― (一社)日本冷凍食品協会・出倉専務

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出倉専務(右)と、木村前専務

 (一社)日本冷凍食品協会の出倉功一専務理事は17日、冷凍食品記者クラブ定例会で、専務理事の抱負など要旨以下の通り語った。
 先日の総会では協会設立55周年を記念し功績者表彰などが行われた。55周年は大変な歴史があると思う。19年務められた前任の木村均専務理事は(総会後の懇親会の)挨拶の中にあったが、前半10年は、冷凍食品は知名度こそあったものの、まだ消費者は疑心暗鬼だった。この間、色々な事件があり、冷凍食品の信頼回復にご尽力されてきた。後半10年は、前半と変わりまさに冷凍食品の価値向上を訴える前向きな取組が多く、違うステージであった。
 今後の協会運営については、前向きに行っていきたいと考える。協会の立場で業界のために何ができるのかが重要である。冷凍食品は今、一段ステージが上がった。コロナ禍を経て家庭には冷凍食品が定着した。今後これ以上に消費をどう増やしていくか、また、人口減少局面の中で、生産面では、人口減の中でどう拡大していくかも重要な課題だろう。協会としてできることがあれば考えていきたい。

全国の3割で無償化 ―― 文部科学省・学校給食実施状況調査

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 文部科学省は12日、「『こども未来戦略方針』を踏まえた学校給食に関する実態調査」の結果を公表した。隔年で実施している「学校給食実施状況等調査」【4面に詳細】に併せて、こども未来戦略方針で示した、「学校給食費の無償化を実施する自治体における取組実態や成果・課題の調査」に当たるもの。
 今回の調査では、教育委員会を対象に、給食の提供を受けていない児童生徒数、実施内容別の学校給食費、学校給食費の無償化を実施する各教育委員会における取組について、追補調査を行った。
 調査結果を見ると、完全給食の給食費の月額平均は、小学校3933円~5314円、中学校4493円~6282円となった。
 一方で、実際に保護者が支払った額ではなく食材費に相当する金額は、直近5年間で約8%、10年間で12%の上昇をみており、小学校4688円、中学校5367円となった。給食費と、実際の食材費とは、令和5年時点で1.4倍弱の開きがあり、物価高に追い付いていない学校給食の予算不足の大きさが明らかになった。
 自治体の学校給食費無償化の状況は、1794自治体中547自治体、30.4%で小学校・中学校において全員を対象に無償化を実施している。加えて、支援要件を設けて無償化を実施している自治体が145あり、多子世帯を要件にしている場合が多い。

無償化を見据えた食材費試算は4832億円

 今回の結果で、推計値として示した全国一律に給食費を無償化するに当たって必要となる学校給食の食材費の合計額は、約4832億円としている。

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