冷食の供給高過去最高に、23年は前年比4.5%増 ―― 日本生活協同組合連合会
23年冷食カテゴリー別実績
日本生活協同組合連合会は4月24日、2023年度の冷凍食品事業の供給高が前年比104.5%となり、過去最高を更新したことを明らかにした。冷凍食品が拡大し始める05年との比較では171.1%と7割を超える伸長率を記録しており、特に調理冷凍食品が同196.5%、冷凍野菜が162.5%と大きく伸びている。今年度は核商品づくりや収益性の改革など四つの骨子で冷凍食品を強化し、更に売上を積み増す方針だ。
23年の冷凍食品のカテゴリー別の実績は、調理冷食が同105.2%(宅配前年比104.1%、店舗前年比112.5%)、畜産103.6%(同103.1%、同111.1%)、冷凍野菜105.6%(同104.2%、同116.1%)だった。
調理冷食は麺類・米飯類などの主要カテゴリーや、たこ焼き、お好み焼きなどのスナック、中華惣菜、グラタンなどの洋風惣菜が大きく伸長した。畜産は牛丼の具やナゲットなど畜産惣菜分類が伸長して全体をけん引した。冷凍野菜はブロッコリー、根菜類が好調に推移した。
また、子育て世代向け〈きらきらステップ〉と〈きらきらキッズ〉は2023年度も更に伸長して同108%となった。業態別では、宅配が前年を超え、店舗も2桁超過と大幅な伸長を記録している。
■四つの骨子で強化
今年度は、四つの骨子で冷凍食品を強化する。
「核商品づくり」では、商品設計やデザイン、包材・資材、組合員にわかりやすい表示の改善などについて、より組合員目線で商品をブラッシュアップする。主力商品の再開発に定期的に取り組み、商品の仕様だけでなく、価格体系、デザイン、表示、環境配慮型に刷新する。
「収益構造の改革」については、組合員のくらしに貢献できる商品の設計に見直す。ブランド見直しに合わせて商品も統合。仕様のほか、物流2024年問題を考慮し、商品調達における物流最適化に向けて商品の構造も改革する。
「未来への投資」については、5年後、10年後を見据えた核商品づくりに取り組む。値上げの影響を受けている商品群について値ごろ感のある商品の開発を進める。プラスチックの削減目標達成に向けて省プラ商品の開発にも取り組む。
「安定供給及びお取引様から選ばれるための取組」については、事業維持・拡大のために安定的な供給体制の確保と、取引先から選ばれる組織、コープ商品であり続けるための取組を両軸で進める。カテゴリーごとに必要と判断される製造ライン・原料産地を確保する。単品政策ではなく、取引先の特性に合わせた政策に転換し、パートナーとの連携を強化する。
■新商品数が過去最高に
コープブランドの春の新商品は、数年来最高の品目を発売する。
今春、発売する商品は、「でかくて旨い!若鶏ザンギ(にんにく香る)」、「4種チーズのミートドリア2個入」、「みんなの一杯ごま油香る醤油ラーメン2食入り」、「3種野菜とベーコンのポテトサラダベース300g」など。
中国自社工場を集約、AFL社に事業を一本化 ―― 味の素冷凍食品
味の素冷凍食品、味の素中国社(董事長 井筒重明、上海市、以下AC社)及び ライフフーズ(以下ライフ社)は、4月30日、中国・連雲港味の素如意食品有限公司(董事長高城一彰、LAN社)を6月をめどに連雲港味の素冷凍食品有限公司(董事長:高城一彰、AFL社)に吸収合併すること公表した。今回の件は3月26日に決議、LAN社は4月末をもって生産活動を停止、今後AFL社に生産を集約する。
LAN社は日本向けの 鶏肉加工品や野菜加工品および調理済み冷凍食品の生産を行うことを目的に 1995年に味の素冷凍食品、AC社及びライフ社との3社合弁で設立。LAN社は設立から23年経過し、建屋設備老朽化のため、今後の事業継続には追加での設備投資が見込まれる一方、AFL社は主に欧米向け炒麺、日本・中国向けスイーツの生産が順調 に推移していることから、LAN社から既存製品を移管し今後も設備投資を行いながら生産体制の再編を行い、AFL社に事業を一本化する。
なお味の素冷凍食品及びライフフーズは、4月初旬、中国福建省アモイ市の味之素来福如意食品有限公司(ALI社)の全株式を合弁パートナー如意情集団股份有限公司(董事長:陳珠涼、本社:中国福建省アモイ市)へ譲渡する契約を締結している。
【AFLの概要】▽所在地=中華人民共和国江蘇省▽従業員数=約630名▽事業内容=冷凍食品の製造・販売▽株主LAN社50%、味の素冷凍食品25%、AC社25%(本件実施前)、味の素冷凍食品70.56%、AC社22.59%、ライフ社6.85%(本件実施後)▽設立=2000年11月
【LANの概要】▽所在地=中華人民共和国江蘇省江蘇省▽従業員数=約132名(2024年3月末現在)▽事業内容=冷凍食品の製造・販売冷凍食品の製造・販売▽株主=味の素冷凍食品80%、AC社10%、ライフ社10%(本件実施前)▽設立=1995年
5年ぶりのギョーザステーション、やす子さんが実演しPR ―― 味の素冷凍食品
杉田本部長(左)とやす子さん
味の素冷凍食品は、4月25日から「ギョーザ」を調理し、パリッパリに焼き上がる感動やおいしさを楽しめる期間限定店「超ギョーザステーション」を5年ぶりにオープンした。開催期間は、ゴールデンウィークを含む4月25日~5月8日まで。前回同様JR両国駅の「幻の3番線ホーム」で行われた。
25日のオープン日にはメディア発表会と史上最高キレイに焼ける「ギョーザ」試食体験会を実施。イベントには「ギョーザ」の新TVCMに登場するお笑い芸人のやす子さんが「1日店長」として登場。「ギョーザ」を焼くアトラクションを実施した。
イベント開催に当たり、杉田博司マーケティング本部国内統括事業部長があいさつに立ち「昨年5月、当社の冷凍餃子がフライパンに張り付いたというSNS投稿が話題になった。そこで当社餃子が張り付いてしまう3520個のフライパンを預かり、研究開発を重ね、より張りつきにくく、史上最高綺麗に焼ける餃子を開発、今春リニューアルした。超ギョーザステーションで餃子を自身で焼いて体験いただき、笑顔をお届けしたい」と述べた。その後やす子さんが前掛け姿で登場。1日店長に任命され、超ギョーザステーションオリジナルコック帽をかぶり、焦げつかない「ギョーザ」焼きにチャレンジ。見事に成功した。
チャレンジ後にやす子さんは「はいー。完全に綺麗に美味しく餃子が焼けますので、皆さんにも味わっていただきたいです。はいー」とPR。一日店長の役目を果たした。
会場には「ギョーザ」の永久改良の歴史を辿るギャラリーや、巨大な「ギョーザ」をモチーフにしたオブジェなども展示され来場者の関心を引いた。