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今週のヘッドライン|2024年2月第3週号

ニチレイフーズ国産凍菜の要、生産から販売まで一気通貫 ―― 新サンフード工業

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主力のほうれん草
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久保社長

 新サンフード工業(宮崎県宮崎市)の久保量則社長に国産冷凍ほうれん草の現況を聞いた。同社はニチレイフーズの協力工場として冷凍野菜、凍菜加工品を専門に製造している。2013年には資本提携し、現在100%ニチレイフーズの製品を生産している。特に冷凍ほうれん草に関して国内最大の生産量を誇り、おいしさ、安全をモットーに同社の理念に賛同した契約農家が栽培する原料のみを使用し、家庭用「九州産ほうれん草」「ほうれん草バター炒め」をはじめ、サツマイモを使った家庭用「スイートポテト」、業務用「中華ポテト」などを生産。ニチレイフーズ国産冷凍野菜製品の主力工場として創業以来50余年歩んできた。

 久保社長は円安により輸入冷凍野菜との価格格差が縮まったことで「国産冷凍野菜の需要は高まっており、増産要望は高い」とした上で「一番の問題は原料供給量。要はサプライヤーをどれだけ確保できるかだ。南九州の中の限られた面積、限られた農地の中で、当社の作り方に共感を頂き、ニチレイブランドで売ってくれるという安心感と当社の製造への拘りを理解、賛同いただけるサプライヤーを増やし、増えた分ずつ増やしていくことはできるが、無理な拡大は難しい」と急激な増産には否定的だ。
 宮崎県は全国の加工ほうれん草(含む冷凍ほうれん草)出荷量の73%のシェアを占めるものの、生産量は平成25年をピークに年々減少している。
 令和4年は天候等の影響があったものの1万トンを割った。闇雲に増産できないのも事実だ。
 「生産者の生活が成り立つように、生産したら当社が買い取り、製品はニチレイが売ってくれる。こういう一気通貫できる仕組みを理解して頂いた生産者と一緒にやっていきたい」と同社の強みへの共感を生産者に訴えた。
 生産品目の拡大に関しても「ほうれん草が供給不足の状態で他のものを作るわけにいかない。国産ほうれん草の供給拡大要望にできるだけ近づけていく」のが今の目標。
 今後の方針については「国産で自然解凍で食べられるほうれん草をまとまった単位で製造できるメーカーは少ない。当社は非常に高い製造ノウハウを持っている。これを一つの切り口にして、ニチレイのファン作りの一助になりたい。そして生産者と国産野菜という安心感を共有しながら商品を製造していくのが当社の使命だ」と述べた。
【詳細は2面】

23年度も冷食伸びる、次年度はミールキット等強化 ―― 日本生活協同組合連合会

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土屋会長

 日本生活協同組合連合会は6日、東京・六本木の東京ミッドタウンで2023年の取組と実績、24年度以降の事業方針などについて説明した。
 23年4月~12月の冷凍食品の供給実績は引き続き伸長している。調理冷凍食品と冷凍野菜が良く動いた。カテゴリー別では、米飯、中華惣菜、スナック食事セットなどの動きが良い。
 24年の全体の商品政策は、①健康意識商品②国産原料商品③時短商品─などを強化する。時短商品では、〈らくらく〉ブランドを立ち上げる。冷凍食品は、②国産商品③時短商品などを強化する。足下で販売が好調な冷凍ミールキットの開発も進める。なお、組合員獲得の試作として実施しているワンコインで生協の冷凍食品を試せる〈トライコープ〉は、導入が31地域生協に広がった。

■23年4月~24年1月の供給高0.8%増に

 日本生協連の23年4月~24年1月の総供給高は3690億円(前年比100.8%)で推移している。構成比が最も高いコープ商品事業が伸長している。その他の事業はすべて前年を下回った。
 地域生協の23年4月~12月の実績を見ると、宅配事業の供給高は前年比99.8%。利用単価が同103.3%と伸長したものの、利用人数、利用点数が目減りし、全体として前年を割り込んだ。
 店舗事業の供給高は同103.0%。買上点数の落ち込みを客数と単価の伸びで補った。15店舗を新規出店し、12店舗をリニューアルするなど、積極的な店舗投資の効果も出た。なお、期中には16店舗を閉店している。
 同会に登壇した土屋敏夫会長は、日生協の長期的な展望について「人口減少が進む中で、将来的には規模が縮小することは避けられない。サービスも規模に即したものにならざるを得ないだろう」とした。

商品の協創等軸に、共に難局を突破する ―― 名給中部メニューフーズSP会

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青木社長
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小出会長

 名給中部メニューフーズSP会(会長=小出悠策名給取締役中部直販統括部統括部長、会員76社)は7日、愛知・名古屋東急ホテルで令和6年度総会を開催し178人が出席した。
 初めに挨拶した青木基博名給社長は、第74期経営方針「Try&Challenge 力を合わせて」を発表、「新しいことや困難なことに挑戦し力を合わせて突破するという意味を込めている。そして、①全員生産②全能活性③全力貢献という3つを基本方針とする。これからは、お互いの強みを生かし合い弱みを補い合う協力が、生産性の面でも効率性の面でも重要だ。ぜひとも、そのための提案をいただきたい」とした。
 続いて小出会長は、「物価高騰、値上げをはじめとしたうねりが続いている。正解のない時代と言われる今こそ、会員相互で知恵を出し合い、時代のうねりに立ち向かい、力を合わせて難局を突破したい。SP会会員の皆様とトライ&チャレンジをし、共に最大の力が発揮できるよう努める」と述べた。
 中部SP会取組方針は、①新しい企画・商品の協創と価値の創出②物流品質の向上と物流体制の革新③取組商品への集約と計画的な統一販売の3点とする。
 役員改選で代表幹事に選任された渡邉昭秀日東ベスト取締役常務執行役員営業本部長は、「価値が認められ購買につながる提案を、名給様と共に進めていく。大谷選手のように今年も『やるしかない』。トライ&チャレンジを合言葉に中部SP会を盛り上げ、同じ目標に向かう」とした。

羽根つきに「円盤餃子」 ―― イートアンドフーズ・新商品

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大粒餃子を使用

 イートアンドフーズは14日、2024年春夏新商品を発表した。〈大阪王将〉ブランドの家庭用冷凍食品の新商品は11品、リニューアル9品の計20品。3月1日より発売する。
 餃子では、羽根つき餃子発売10年を記念して、「羽根つき円盤餃子PREMIUM」(323g[餃子10個])を投入する。餃子は羽根つき餃子より大きい、大阪王将店舗と同じ大きさの大粒餃子を使用。円盤状になっているため並べる手間なく調理ができる。
 主力商品「羽根つき餃子」は、食べ応えと旨みをアップさせニクニクしさを引き立て、より焼き易く改良した。その他、餃子では変わり種商品として、バターを具材の6%配合し、広がるバターとガーリックの味わいの「背徳のバターすぎるぎょうざ」と同社らしい商品も投入する。
 米飯では、トレー付きのあんかけ炒飯「かけメシ えびあんかけ炒飯」「同 麻婆あんかけ炒飯」や鶏肉、たけのこ、人参、しいたけの4種の具材を大振りカットした「もっちり中華おこわ」などをラインアップ。
 ラーメンでは、「まる餃ラーメン 濃厚どろ旨大盛り」、「同 鶏ガラ旨塩」。ポテト商材では、皮つき中華ポテト」を投入する。

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黒田ビル2階