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今週のヘッドライン|2024年1月第2週号

能登半島地震 冷食関連企業にも被害 工場、拠点、店舗の復旧作業続く 一部配送、生産体制に影響も

 1月1日に石川県能登地方を震源地として最大深度7を記録した能登半島地震は、冷凍食品関連企業にも被害を及ぼした。発生からおよそ1週間が過ぎた9日時点でも、北陸などで一部の量販店が店舗の再開に至っておらず、メーカー・卸も物流拠点や製造工場が被災して復旧に向けて懸命な作業を行っている。奥能登エリアでは物流の乱れで一部商品の遅配や欠品なども発生したようだ。被災地に拠点、工場、店舗を有する関連企業の現況と今後の見通しなどについて話を聞いた(関連記事4面)。

●卸・メーカー、工場などが被災、物流に乱れも

 卸・メーカーは、被災地に工場、拠点を有する企業が震災の影響を受けた。
 カナカン(石川県)では、七尾支店の常温センターが被災し、9日時点で復旧に当たっている。商品については金沢などからの供給でバックアップできているという。商品の配送については奥能登などの交通網が断裂した影響で2日~3日に影響が出たものの、取引先からの受注分の配送は復旧した。人的被害はなかった。なお、例年2月に開催している展示会については、石川県産業展示館4号館(金沢市)が現在支援物資の集積所となっているため、開催は未定。
 昭和冷凍食品(新潟県)は本社工場の設備で水道管の破裂、水漏れなどが発生した。5日までに復旧が完了しており、製造ラインも正常に稼働している。人的被害は発生していない。神田俊哲営業部長は、「人的被害がなかったことは不幸中の幸いだった。本社工場は震災によって配管にズレが生じ、漏水などの被害が発生したものの、本社社員なども動員して復旧作業に当たり、5日の仕事初めには予定通り製造をスタートできた」としている。
 羽二重豆腐(石川県金沢市)は、本社工場(金沢市)及び北陸3県(石川県、富山県、福井県)の協力工場については一部の被災した協力工場を除き、従業員及び設備等に大きな被害はなく、5日より稼働を開始している。なお石川県珠洲市の協力工場が被災し、現時点で復旧の見通しが立たないため、同工場製造商品(「花型おとうふしんじょ1㎏×10」「蟹信田巻きカット750g(50)×10」)は、現在庫製品を持ち、いったん休売する。物流については同社全国在庫拠点は通常通り運行。北陸エリアも能登地区を除き、通常通り運行しているが、各地域の今後の被災状況や道路状況により、遅延や配送できない地域がある可能性がある。
 日本冷凍食品協会によると、9日時点の会員社、能登製菓(白馬工場、古府工場)、みやけ食品(七尾工場)、コシノ(七尾工場)、スギヨ(北陸工場)の状況についてはは石川県七尾市内にある拠点は断水等の影響で生産復旧のメドは現在のところ見通せないとしている。
 食品機械メーカーの、サン・プラント工業は、北陸工場(石川県白山市)への被害状況について、従業員の安否、生産体制に影響はないものの、工場内の天井パネルが一部剥がれたことを明らかにしている。

●小売、一部店舗が未だ休業

 小売では、9日時点でコンビニ業態など一部の店舗が休業しており、物流の乱れで欠品も起きている。
 イオンリテールでは、1日に、商品の棚落ちなどがあり一部店舗の運営を見合わせたものの、2日にGMS、SM共にすべての店舗が運営を再開した。9日時点で商品供給も滞っていない。人的被害はなかった。
 アクシアルリテイリング(新潟県)では、原信南万代店など一部の店舗の運営を一時停止した。2日には、安全確認を行っていた原信吉田店、同新通り店、同柏崎東店などを含めたすべての店舗が営業を再開している。
 セブン&アイ・ホールディングスのうち、イトーヨーカドーの店舗に被害はなかった。セブン&イレブンは、1日20時時点で最大150店舗が被災し、6日午前中に全店舗が運営を再開している。奥能登エリアの店舗はなく、商品供給も平常通りに回復している。人的被害はなかった。
 ファミリーマートは、5日8時時点で石川県内の16店舗が店舗の運営を停止している。商品の供給は、奥能登エリアを中心に一部商品の欠品や配送の遅延が発生している。人的被害はなかった。
 ローソンは、1日の時点で石川県、富山県、福井県などの80店舗が休業した。9日時点では78店舗が運営を再開しており、石川県内の残り2店舗についても早期の開店を目指して復旧作業に当たっている。商品の配送は5日時点で大きな問題は発生していない。人的被害はなかった。

●主要業務用卸、大きな被害は無し

 被災地域の業界団体会員卸については、大きな影響は無いが、9日時点で得意先と連絡が取れない状況などは発生している。
 全日本外食流通サービス協会の信越・北陸エリア会員は、石川県金沢市の㈱マルシンで棚から商品が落ちる、倉庫の荷物が崩れる等の被害があったが、現在は通常通りの営業を再開。
 塩田食品㈱、㈱カンダは建物・人的被害は無し。
 (公社)学校給食物資開発流通研究協会会員の富給(富山)、タカノ食品(新潟)、浅地産業(石川)ともに建物・人的被害は無し。得意先については一部で連絡不通になっている所がある。また、学校給食に関しては一部で3学期の始業日が延期・未定となっており、開始未定。
 日本給食品連合会会員は、建物・人的被害無し。
 全給協会員は、建物・人的被害は無かった。

「若鶏もも焼き」投入 ―― 味の素冷凍食品・春新商品

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シニアを狙う

 味の素冷凍食品は春の家庭用冷凍食品の新商品1品とリニューアル品15品を2月11日から発売する。
 同社の独自価値の中の特に「おいしさNo.1」と「楽しさ」に重点を置いて、永久改良を続ける「ギョーザ」の調理性向上や、外食品質を楽しめる「ザ★」シリーズの全面刷新、またシニア層も手軽に楽しく喫食できる、備長炭で焼き上げた「若鶏もも焼き」を発売する。
 新商品の「若鶏もも焼き」は備長炭でこんがりと焼き上げ、香ばしい醤油風味が香る香ばしい醤油風味が香る逸品。炭火ならではの香ばしい醤油の風味を楽しむことができるやわらかくジューシーなもも焼き。
 誰でも簡単に失敗なく綺麗に焼ける「ギョーザ」はフライパンへの張りつきを改善。「黒豚大餃子」、「海老大餃子」は、20個入から18個入にリニューアル。さらに「ザ★」シリーズ」4品を同時にリニューアル。「ザ★シュウマイ」、「ザ★チャーハン」、「ザ★から揚げ」内容量の変更にあわせてあわせて、出荷価格も変更する。「ザ★ハンバーグ」は、肉の配合を見直肉の配合を見直すすことにより、さらに肉汁を感じるジューシーなハンバーグに。「洋食亭ハンバーグハンバーグ」はブランドロゴを統一。デミグラスソースはさらにコク深い味わいになった。
 「白チャーハン」もお米のパラっと感を向上させ、さらにおいしく。「海老肉焼売」はブリッとした海老の弾力が際立ち食感がアップした。
 お弁当商材「いかと里芋のふんわり揚げ」は塩分に配慮した商品に。「カップに入ったエビのグラタン」は“キモチ”を伝えるメッセージ入りとした。

●生協向けにモス監修品

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レンジ調理
 味の素冷凍食品は15日より、モスフードサービスが展開するモスバーガー監修のもと、「レンジでテリヤキハンバーグ」を全国の生活協同組合(生協)宅配向け製品として発売する。
 同商品はモスバーガーのこだわりである「日本人の味覚に合う味」を実現するために、隠し味に味噌を使用し、赤味噌と白味噌をブランドして配合することで、コク深い味わいに仕上げた。ハンバーグは、肉厚感にこだわり、鉄板での直火焼に加えオーブンでじっくり中まで火を通す製法で焼き上げた。

生販一体の発展期す ―― 「翌檜」事業委員

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左から田中社長、中本社長、竹尾社長

 業務用卸4社で組織される「翌檜」(中本靖司社長)の事業委員会及び忘年会が昨年12月22日、大阪府堺市のホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺で開催され、会員社幹部および会員メーカーが参加、福堀和雄事業委員長(ジーケーエス常務取締役)の進行により上期の事業報告及び下期に向けた事業計画が紹介された。
 冒頭あいさつに立った中本靖司社長は「本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。久々の会となり顔と名前が一致しない方々もいる。今年最後の会議となる。本会の実績は全体としては、順調に伸びている。引き続き皆さんのご協力と、我々会員とで頑張っていきたいと考えている。今後ともよろしくお願いいたしたい」と述べた。その後メーカー会員による4月~11月の事業報告が行われ、PB商品の開発推進や売上増に関して意見交換した。
 メーカー会員より、「業績発表に関しては個別対応願いたい」との要望に対して、大和商会田中耕太郎社長は「我々4社とメーカー会員が一堂に集まりそれぞれ刺激を受けながら情報交換をしていくのが当初からの会の目的の一つ。全体会議は懇親も含めて今後も継続すべきではないか」と発言。中本社長は「事業報告を主体とした全体会議と商品紹介等の個別対応を分けて行うなど会全体で発展する発想で考えていきたい」とした。
 「翌檜」は本多(広島県福山市・中本靖司社長)、ジーケーエス(岐阜県岐阜市・竹尾匡利社長)、大和商会(大阪府堺市・田中耕太郎社長)、大協食品(神奈川県川崎市・松波達治社長)の4社により2016年4月1日から営業を開始した業務用食品販売会社。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階