@FROZEN 客足落ちず好調に推移、ディナー・スイーツ強化の意向 ―― イオンリテール
1500品目のうち約900品目がオリジナル商品
青木部長
イオンリテールの青木郁雄デイリーフーズ商品部長は17日、同日オープンした「@FROZEN与野店」で、冷凍食品専門業態の販売状況、今後強化したい商品、出店計画などについて説明した。冷凍食品専門業態の既存3店舗では、売上が当初の想定を上回っている。オープン当初から客足が落ちず、一人当たりの買い上げ点数も2点を上回るなど堅調に推移している。これまでの成功を受けてこの業態に最適なエリアなどについて検証を進めているという、今後の店舗網拡大に期待がかかる。
青木部長によると、昨年から出店した〈@FROZEN〉4店舗は当初の計画を上回っている。季節や時間帯による客数の波が小さく、オープン後も客足が安定しているという。
品揃えの7割程度は同業態のみで取り扱うオリジナル商品だが、既存店の新たなトレンドを探るために、新機軸商品の実験販売の場としても活用している。この業態で販売が好調だった冷凍寿司、コリアン冷食、一部の冷凍弁当などの売れ筋を既存店に水平展開している。
今後強化したい商品については「冷凍ディナーとスイーツは奥深い」(青木部長)として強化を検討する考えを示した。また、海外の輸入品についても「チャージの問題はあるものの、まだまだ新たな商品を掘り起こせる」として、国内で売れる商品を掘り起こす意向を示している。
今後の出店については、現在は首都圏への出店を検討している。ただ、関東以外への進出について「近畿や東海などについても視野に入れている」と含みを持たせた。
なお、イオンモール内に初めて出店した「与野店」など、これまで出店した店舗は商圏の特長に違いがあり、それぞれの販売動向などを検証して冷凍食品専門店に最適な立地の特長を探っている。いずれにせよ、当面は路面店ではなく、イオングループの施設内への出店となる見通し。
与野店で地域別のMDを強化
「@FROZEN与野店」は、10日に埼玉県与野市のイオンモール与野内にオープンした。同業態として4店舗目、埼玉県への出店は2店舗目の出店となった。売場に展開した1500品目のうち、約900品は同業態のオリジナル商品で構成している。
商品は、温めてから食べる〈HEAT〉、解凍してそのまま食べられる〈EAT〉、調理の下ごしらえがされている〈COOK〉に分類しており、既存店同様、「朝食」「ランチ」「ディナー」「おつまみ」「スイーツ」の食シーンを冷凍食品で充足してもらうことを提案する。
売場のMDは、日本全国の商品をカテゴリー分けして販売する取組を更に強化している。
既存店で取り組んだエリア毎に商品を集積して提案するデザートコーナーは、同業態最大の品揃えとなった「レイクタウン」よりも更に扉一枚分売場を拡大した。
売場の什器は壁面のリーチイン什器と共に1号店から導入している省エネ対応の蓋付き平台を導入している。販促については、平台のエンド部分に設置した大型のデジタルサイネージで商品をPRする動画を放映し、商品の試食も実施しておすすめ商品を売りこんでいた。
売上増、利益も大幅伸長 ―― 三菱食品・第2Q
京谷社長
三菱食品は1日、2024年3月期第2四半期決算を発表した。
連結業績は売上高1兆421億8200万円(前期比4.4%増)、営業利益136億6900万円(同35.9%増)、経常利益146億6100万円(同32.3%増)、四半期純利益101億5900万円(同36.3%増)となった。
売上高は本格的な人流回復により、CVSや業務用取引等を中心に全般に取引が伸長し増収。経常利益は、売上増加による利益額の増加や取引伸長や採算管理強化による利益率の改善等により増益となった。
セグメント別では、加工食品は売上高3339億円(同1.6%増)、営業利益34億円(同35.5%増)、低温食品は売上高3140億円(同7.0%増)、営業利益80億円(同25.9%増)、酒類は売上高2572億円(同2.9%増)、営業利益14億円(同37.4%増)、菓子は売上高1371億円(同8.2%増)、営業利益16億円(同65.1%増)と全てのカテゴリーで伸長した。
品種別の冷凍・チルド食品類は、SM・CVS等を中心に特に市販冷凍食品が好調に伸長したことや業務用商材の復調により、売上高2584億円(同6.6%増)となった。業態別では、取引先との付加価値の高い取組みに加え、インバウンドを含め人流回復により全業態で増収に。
上期決算を受け同社では2024年3月期の通期業績予想を修正も発表した。連結売上高は2兆800億円(期初予想2兆2002億円)、営業利益290億円(同243億円)、経常利益310億円(同260億円)、当期利益220億円(同175億円)とそれぞれ上方修正する。特に経常利益は過去最高の310億円を予想する。また年間配当予想も130円から160円に修正する。
KRSとの合弁、冷食から
京谷裕社長は先日発表されたキユーソー流通システムとの合弁会社設立について、「開示以上のことは言えないが、考え方としては低温物流は非常に拡大している。特に冷凍領域が伸びている。そこで両社が持つインフラをもっと有効活用できないかが発端だ。まずは一部業務でのスタートで、チャレンジングな試みだ。冷凍食品からスタートし、今後は商品の拡大、また、地域の拡大もあり得るだろう」とした。