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今週のヘッドライン|2023年11月第1週号

増収増益で折り返す 加食営業利益25%増に ―― ニチレイ第2四半期

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大櫛社長

 ニチレイは10月31日、2024年3月期第2四半期業績を発表した。連結売上高は3322億1100万円(前年同期比3.2%増)、営業利益173億9800万円(同18.3%増)、経常利益181億6000万円(同21.0%増)、四半期純利益116億9000万円(同19.3%増)で増収増益となった。加工食品事業は価格改定の浸透に加え、チキン加工品など主力商品やパーソナルユース向け商品など新たな付加価値商品の拡販や海外売上げの寄与により増収。営業利益は原材料、仕入れコスト等の高騰によるコストアップが続くも価格改定効果等により増益となった。

 セグメント別では、加工食品売上高1430億3400万円(前期比5.7%増)、営業利益77億8300万円(同25.6%増)、水産売上高291億2600万円(同10.4%減)、営業利益1億5200万円(同4.2%増)、畜産売上高414億4000万円(同1.4%減)、営業利益4億5200万円(同13.4%減)、低温物流売上高1259億6200万円(同5.7%増)、営業利益86億2700万円(同19.4%増)。
加工食品事業の内、家庭用調理品の売上高は416億8600万円(同6.1%増)、業務用調理品同500億7200円(同0.8%減)、農産加工品同118億6700万円(同22.1%増)、海外同304億9800万円(同11.8%増)となった。
 家庭用調理品は卵原料の供給不足の影響を受け、一部商品の販売数量回復が遅れたものの、チキン加工品など主力商品やパーソナルユース向け商品の拡販に注力したことにより、チキン加工品や「超メンチカツ」などの食肉加工品が伸長。冷やし中華などの麺類の販売も好調に推移し増収。米飯類やスナック類は販促の再開により第2四半期は販売数量が回復。
 業務用調理品は人流の回復・増加に伴い中食・外食需要が堅調に推移、ハンバーグを中心とした食肉加工品や春巻などの中華惣菜が好調に推移。一方、収益性を重視した販売を進めたことや原料の供給不足の影響を受けた卵製品の販売回復が遅れ減収となった。
 農産加工品は調達コスト上昇に対して価格改定を進めたほか、品質面や利便性など顧客ニーズに対応した商品に注力したことにより、ブロッコリー類などの「そのまま使える」シリーズが好調に推移、家・業用ともに増収となった。
 海外は、米国子会社イノバジアンクイジン社に関してはインフレによる米国内の消費減退の影響を受けたが、家庭用主力商品で昨年度実施した価格改定や新商品投入効果及び円安による為替換算の影響で増収。GFPTニチレイ社(タイ)は、中国向けの販売が伸長し増収。
 通期連結業績予想は売上高6680億(期初予想比70億円減)、営業利益357億(同5億円増)、経常利益357億円(同9億円増)、当期純利益230億円(同6億円増)。その内加工食品売上高2890億円(同70億円減)営業利益160億円(同4億円増)、低温物流同2550億円(同増減なし)営業利益160億円(同7億円増)に修正。

25年に冷食新ライン、篠山工場を省人・機械化 ―― ケンミン食品

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髙村社長

 ケンミン食品の高村祐輝社長は10月27日、兵庫県丹波篠山市の篠山工場で開催された新商品発表会席上、2025年春に冷凍食品専用ラインを新たに稼働していくことを明らかにした。
 新工場はもともと乾物のビーフンを生産しており、2000年にタイに乾物のビーフンの生産が移ってからは、倉庫スペースとなっていた篠山工場の建屋を利用。自動化・省人化を進めることで、冷凍食品の生産を一括して担い、単一商品大量生産型の工場としていく。一方で現在、稼働している同敷地内の冷凍食品工場は新規事業や冷凍黒枝豆の生産、またPBを含む小ロット多品種型商品の生産などに活用していくことを計画している。
 高村社長は「新工場では現在生産している冷凍ビーフン240万食/年の生産を一手に担う。人手不足の状況を含め省人化、機械化を進め、4割の人手を削減していく。現在、日本で冷凍ビーフンを生産しているのは当社だけであり、そのための機械を開発しているが、どうしても機械では合わない、手作業でなければ対応できない商品については現在の工場で引き続き生産する」としている。

小田原で総合展 ―― IZUMIYA

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パーティ需要へ提案強化
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鈴木社長

 IZUMIYA(神奈川・小田原市、鈴木雅治社長)は10月25日、小田原アリーナで「第51回業務用総合展(フードサービスショー)」を開催した。
 横浜、東京に続く総合展示会で、創業60年の歴史を有し地域の業務用卸としての存在感の高さから外食エンドユーザー1650人が来場。出展メーカー・商社は137社121小間。
 テーマは「食の魅力・再発見」とし、外食業界の課題である人手不足対応や年末年始の宴会需要、インバウンド向け提案を強化。自社提案コーナーは、簡便な食材・メニュー、パーティ宴会需要を盛り上げるメニューなどを26社の協賛で57メニューを出品した。
 また、「JFDA」や「特価」コーナーは、冷凍食品をはじめ計110アイテムを取り揃えた。

2月期は155~160億円見込む

 鈴木社長は今期3~9月累計の業績について、「本社小田原は箱根、伊豆など観光地の大幅な人流回復も後押し、同29%増、全社的には同30%増で着地した。2月期、売上高は卸業全体で145~150億円、グループ企業全体では155~160億円を見込む。利益は売上高増による販管費の低減効果もあり営業利益率3.5%を確保、同4%を目指している」と語った。
 展示会後、箱根湯本のホテル南風荘でで4年振りに開かれた出展社との合同懇親会には150人が出席。鈴木社長の挨拶、ヤグチ萩原啓太郎社長の祝辞。三桜商事服部昇社長の乾杯発声、東亜商事石井年男取締役食品事業部業務担当部長の中締めで締めくくった。

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