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今週のヘッドライン|2023年10月第3週号

GMS10期ぶり黒字化 ―― イオン上期

 イオンは11日、2024年2月期の第2四半期決算を発表した。売上が前年を5%上回り、営業、経常利益が上期として最高益を更新した。人流回復の影響を受けた小売3部門(GMS、SM、ディスカウント)の好調がけん引している。PBの売上高は約4800億円(同約10%増)となり、前年から約1割伸長した。同社は下期は売上全体に占めるPBの構成比を高めることを下期最重要課題に掲げている。今年度中のPB売上1兆円達成が見えてきた。

 2024年2月期第2四半期の実績は連結で、営業収益4兆7113億3500万円(前年比5.0%増)、営業利益1176億2300億円(同22.7%増)、四半期純利益233億1800万円(同29.0%増)となった。
 売上が伸長し、営業利益も3倍以上に膨らんでいる。
 事業別の実績を見ると、GMS事業は営業収益1兆6710億7400万円(同4.5%増)、営業利益36億1500万円(前年差36億1500万円増)となった。2013年以来、上期として10期ぶりに黒字化した。利益は、コロナ下で進んだ地域GMS各社の統合効果が寄与して、販管費の伸びを跳ね返している。
 SM・DS事業は営業収益1兆3538億2400万円(前年比3.4%増)、営業利益164億8400万円(前期差79億円増)の増収増益となった。
 SMはコロナ特需があった20年以来の減収が今上期に反転している。首都圏の小型SM〈まいばすけっと〉業態が人流回復の追い風を受けて来店客数を伸ばした。利益はセミセルフレジ導入拡大などの業務効率化の取組が奏功して伸長している。ディスカウントストア事業は、インフレに対応した商品構成や値付けで売上を伸ばした。独自PBや大容量食品の取り扱いを増やしたことも奏功した。

吉田社長、トップとボトムのラインを引き上げる

 吉田昭夫社長は上期の実績を振り返って「小売各事業の実績が復調したことが上半期の好調に寄与した。幅広いフォーマットを展開する当社の中で、事業の根幹となる小売が復調したことは明るいニュースだ」とした。
 下期以降の戦略については、トップラインとボトムラインの引き上げに力を入れる方針を示している。
 トップラインの引き上げについては、PBの販売構成比の向上に力を入れる。第2Qに、レギュラーラインの〈トップバリュ〉と、価値訴求型の〈グリーンアイ〉が伸長していることから、価値ある商品の強化が企業力の向上に繋がると見ている。吉田社長は、「昨年実施した価格凍結によってPBの認知度が高まった。そのタイミングで価値訴求型商品の強化を進めたことで、プレミアムなラインのPBに対する支持も高まっている。PB構成比の向上は当社の競争力強化にもつながるので下期に最も力を入れていく」としている。
 ボトムラインの引き上げについては、DXの推進が寄与すると考えている。
 吉田社長は「少子高齢化が進み、人件費も高騰する中で、DXの推進による業務の効率化は避けては通れない取組だと。これまで400店舗に採用した電子棚札の展開を加速し、レジゴー、小型セミセルフレジなども導入店舗を広げたい」としている。

6年度57品を決定 ―― 学流協の推奨品

 (公社)学校給食物資開発流通研究協会(古川裕志会長)は5日、令和6年度『学流協の推奨品』として新規9品と更新品48品の合計57品を決定した。【4-5面に特集】
 新規品目は、「なめらかワンタン(鉄分・食物繊維)」(味の素冷凍食品)、「宮城県産いわし入りハンバーグ(鉄・Ca)」(ヤヨイサンフーズ)、「FMうす味肉団子6g・10g・15g」(日東ベスト)、「スノーマン鶏そぼろと大豆のたまごやき」(キユーピー)、「鉄腕チキンナゲット」(テーブルマーク)、「クリームブッセ(Fe入り)」(同)、「Today's Deli えびフライ2L、3L」(マルハニチロ)、「ちくわスライス」(ニッスイ)、「青りんごゼリーFe」(ニチレイフーズ)の冷凍食品7品、冷凍デザート2品の合計9品。給食センター調理において小学校・中学校で異なる摂取量に対応できるよう、複数規格の提案が充実した。

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