冷食売場拡大を検討、具付きうどん、スイーツ投入 ―― セブン-イレブン・ジャパン
青山本部長
セブン-イレブン・ジャパンは20日、東京・有明の東京ビッグサイトで開いた秋季新商品発表会の席上で、店舗の冷凍食品売場拡大について検討していると明らかにした。現在は、新たな冷凍什器の開発に取り組み、実験店舗で売場拡大の効果などについて検証している。秋季の新商品については、アルミ容器入りの冷凍うどん、冷凍スイーツなどを投入する予定。また、物流の2024年問題の対応として冷凍配送の減便に取り組む方針も示している。
冷凍食品関連の取組のうち売場の拡大について青山誠一商品戦略本部長兼商品本部長は、「冷凍食品売場を広げることを視野に入れて新たな冷凍什器の開発を進めている。現在は実験店舗で最適な売場構成について検証している段階だ」としている。2017年の新レイアウト導入を端緒に強化し続けてきた同社の冷凍食品売場が、更に広がる可能性がある。
秋季の冷凍食品の新商品については、アルミ容器入りの冷凍具付き麺、冷凍スイーツなどを投入する。
冷凍具付き麺は、イトーヨーカドーと共同で開発した〈EASEUP(イーザップ)〉ブランドから、「お鍋でグツグツ肉うどん」(税別458円)などを数品発売する予定。アルミ容器入りで、直火で加熱調理する設計。秋冬に需要が高まる具付き麺の充実を図る。
冷凍スイーツは、「レアチーズ」「クッキーティラミス」などを発売する。包装はトップシールで、アイスクリーム売場への展開を想定していると見られる。
また、イトーヨーカドーと共同開発した冷凍食品〈イーザップ〉ブランドの販売状況についても説明した。
今春に4品の取扱いをスタートした同ブランドの売上は計画通りに推移している。月次で好・不調の波がなく、売上が安定しているという。
●冷凍物流を減便
下期は冷凍物流の減便にも取り組む。これまで週7便又は週6便を基本に気温が下がったタイミングで減便していた冷凍商品の納品回数を通年で固定する。回数も週6~5便に減らす。
今秋を目途に千葉県などに出店する予定だった〈SIPストア〉については、現在商品の見直しを進めており、当初の想定より出店が遅れる見通しを示している。「SIPストア」は売場面積100~150坪(コンビニの約1.5~2倍)、商品数訳5000SKU(同約2倍)を想定するコンビニと食品スーパーの中間の施設規模の業態。〈イーザップ〉シリーズなどの冷凍食品を豊富に取り揃えることを公言している。
●初の機能性表示のおにぎりも
下期の商品全体の戦略については、価値訴求型商品と価格訴求型商品を両軸で強化する。「健康」「環境」「地域」をキーワードとした商品を投入する。
「健康」をキーワードとした商品として、機能性表示食品のおにぎりを発売する。「もち麦もっちり!梅こんぶおむすび」(税別130円)、「同ごま塩おむすび」(同150円)の2品で、併せて機能性表示食品の弁当「混ぜて食べる温玉ビビンバ」(同580円)も発売する。
同社が販売する健康配慮型商品の購入者を分析したところ、通常の来店客数より来店頻度が約2.2倍高く、商品の購入を習慣化する傾向が見られたことから、機能性表示食品の展開が来店客数の増加に繋がると見ている。
齋藤会長「CPが市場に定着」 ―― 首都圏市販冷食連絡協議会・消費者キャンペーン報告会
齋藤会長
岡村顧問
首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協)は14日、東京都港区のベイサイドホテルアジュール竹芝で、「2023年度市冷協消費者キャンペーン終了報告会」を開催した。
今年度の消費者キャンペーンには4万4657通(前年比92%)の応募があった。景品別の構成比は、JCBギフトカードが33%と最も多く、「グルメカタログ」25%、「アイリスオーヤマ上開き冷蔵庫」19%、となった。今回初の取組となるトークショーの応募数は3038通で占有率は7%、当選倍率は76%だった。
応募者の属性は3~4人世帯が半数以上を占め、年齢別は40代が最も多いなどの傾向は変わっていない。82%が既婚者で、子供・配偶者のいる家庭で冷凍食品の人気が高いことが分かった。応募ルートの構成比は一般ルートが76%、DMが12%、DLが12%だった。
報告会では、アンケートの集計結果についても説明した。「1カ月に約何袋の冷凍食品を購入するか」との問いでは、「約10袋」が37%と最も多く、「10袋未満」26%、「約20袋」24%、「約30袋」10%、「約40袋」3%だった。
利用シーンでは「昼(弁当)」28%、「昼」27%、「夕食」22%の順に多かった。年代別では、10代で「昼(弁当)」が35%(前年比2ポイント増)、「昼」が24%(同11ポイント増)となり、20代では「昼(弁当)」が46%(同16ポイント増)を占めている。若い世代で、冷凍食品の昼食利用が増えた。
報告会に登壇した齋藤顕範会長は消費者キャンペーンにも応募者数が約4万5000通という多くの方が応募されている。このキャンペーンに対する認知度が上がり、定着したと感じている」と語った。
なお、報告会には病気療養中だった岡村智顧問も登壇して挨拶し、「療養中も市冷協のメンバーのご活躍について伺っていた。消費者キャンペーンも順調に応募者数が増えている。無事に会にも戻ってきたので、皆様と共に冷凍食品市場を盛り上げていきたい」と語った。
胸を張れる50年作る ―― 東京冷蔵倉庫協会・武田会長
(左から)武田会長、吉川元会長、織茂元会長、渡辺元会長、秋山元会長、藤本前会長
東京冷蔵倉庫協会は14日、東京・永田町の都市センターホテルで、創立50周年記念「第34回講演と懇親の夕べ」を開催した。講演会には300名、懇親会は350名が出席した。
記念式典・懇親会で挨拶した武田信一郎会長(マルハニチロ物流社長)は、「当協会は今年の6月で創立50周年を迎えた。諸先輩方が基礎を築かれ、関係官庁、関係団他の支援のたまものだ。50年前は量販店トップ企業が初めて百貨店の売上を超え、コンビニエンスストアの1号店ができた。冷凍食品が普及して外食産業が発展したのもこの時代だ。ライフスタイルの変化もあるが、円高、輸入自由化で食品輸入が急増した。50年前、会員各社はこのタイミングを自らの成長の原動力と捉え、規模を拡大してきた」とした。
また、「現在、東冷倉の庫腹は143万tと、設立当時の2倍となった。冷凍食品も16%から33%。食品輸入も30%から63%と質的にも量的にも変貌した。新たな50年を迎えるが、大きな課題が山積している。施設の老朽化、人手不足、2024年問題などだ。課題があるが、諸先輩がオイルショック、バブル崩壊の波を乗り越えられたように、我々現役世代もコロナの3年間、物流を止めることなく、東京の食に貢献してきた自負がある。大きな課題もあるが、東冷倉でまとまって考え行動してこれからの50年を作っていきたい。新しい50年、東冷倉会員各社、そこで働く社員一同、胸を張れる50年を作っていくよう頑張っていく」とした。
来賓祝辞は、勝山潔国土交通省関東運輸局長、松川桂子東京都港湾局長。乾杯の発声は浜田晋吾(一社)日本冷蔵倉庫協会会長。記念式典・懇親会には吉川光太郎氏(2013年~16年)、織茂裕氏(16年~18年)、渡辺淳氏(18年~19年)、秋山真人氏(19年~21年)、藤本健次郎氏(21年~23年)の歴代会長も出席した。
なお、第1部講演会は俳優で戸板女子短大客員教授の菊池桃子氏を講師に迎え。「いま必要な働き方のポイント」について講演した。