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今週のヘッドライン|2023年9月第3週号

北米冷食事業を本格始動 アジアンメニューの新ブランド ―― マルハニチロ

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「Japanese-Style Ramen Stir Fry(ガーリック塩焼きそば)」
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下川氏

 マルハニチロは、北米での冷凍食品事業を本格化する。同社が22年3月に出資した現地企業「WaffleWaffle社」(米・ニュージャージー州)と共同開発し、アジアンメニューの新ブランド「LAUGHING TIGER」(ラッフィング タイガー)を立ち上げ、第1弾商品4品を8月29日より発売、ウォルマート等での販売を開始した。同ブランドは、マルハニチロ、WaffleWaffle社共同で開発したもの。同ブランドにより、マルハニチログループでの北米冷食事業を拡大させる。

 今回発売した商品は、「Japanese-Style Ramen Stir Fry(ガーリック塩焼きそば)」、「Thai-Style Green Curry Sauced Chiken(グリーンカレー)」、「Korean-Style Bulgogi Beef Stir Fry(プルコギ)」「Thai-Style Drunken Noodles(ドランケンヌードル)」。ターゲット層は、第1義はミレニアル世代(主に主婦層)、次に、新しもの好きなアーリーアダプターなどを想定する。
 規格は、いずれもファミリー層を対象としたマルチサーブと言われる2~3人前、595g。フライパン調理専用。麺や米、野菜、畜肉、ソース袋が入っており、フライパンで調理(約10分)して食べるキット商材的な商品設計。現地の販売価格は9.27ドル(約1360円)。
 フライパン調理専用にしたのは、2~3人前をフライパンで10分程度で調理できるのは評価が高く。米国でも家庭内調理でひと手間かけて調理する潜在ニーズがあること。また、電子レンジも普及はしているものの、ワット数が1200Wと高いため、加熱ムラができ、仕上げに影響がある。本格的な味を追求するため、フライパン調理のみとしたと説明している。
 マルハニチロの下川健事業企画部ユニット企画チーム加工食品ユニットフィールド担当は、「米国での家庭用冷凍食品の展開は日系メーカーなど既に進出しており当社は後発組だ。後発組だからこそ、当社の既存事業での知見、ノウハウを活用し、既存のアジアンメニューとは一線を画した商品として、味、香り、麺の食感、ソースなどにこだわった。同事業をきっかけに北米事業を軌道に乗せていきたい」としおり、第1弾商品の反応を見ながら第2弾、3弾商品も検討しているとしている。
 米国のアジアンフードは、現地スーパーの冷凍食品売場では必ずコーナー化されいるなど多数の商品が揃っている。
 同社によると「アメリカの冷凍食品市場は現在650億ドル規模で年4%平均で成長が予想される。そのうちアジアンフードは約2000~3000億円規模と想定される」としており、市場の成長が期待されるとしている。

秋冬新商品試食会を実施 ―― 日東ベスト

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溢れる肉汁、焼きたて感再現
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渡邊常務

 日東ベストは4日、東京・神田のレンタルキッチンスペースで「2023秋冬新商品試食会」を開催した。同社初となる新商品試食会ではハンバーグ製造ライン復活後の象徴的な商品である「JG鉄板焼ビーフハンバーグ」をはじめ、オードブルからメインに使える外食向け〈JGブランド〉各種商品を紹介。また〈BESTブランド〉からは汎用性の高い「いろいろ使えるロースカツ」などを紹介した。
 「JG鉄板焼ビーフハンバーグ」は焼き立て感を再現した100%ビーフの鉄板焼ハンバーグ。フォークや箸を入れた時の溢れ出る肉汁が特長的な商品だ。メニューの単価アップにも貢献する商品として期待されており、今回の試食会のメイン商材として提案した。
 「JGタンスモーク(スライス)」はオードブルの1品として、また居酒屋からの問い合わせも多く、おつまみ需要にも対応する。〈BESTブランド〉では「旨辛鶏だしまぜそば」を、「とんこつマー油まぜそば」との対比の中で“赤”と“黒”の特長的な色味を打ち出し商品訴求。同様の打ち出しで新たな麺メニューも来春に向けて投入を予定している。
 試食会で渡邊昭秀取締役常務執行役員は「今回の企画はこれから販売し、売りに繋げていきたい商品を実際にレストランで食べていただくようなスタイルで用意させていただいた。当社は外食、惣菜、給食、病院と4つの分野で商品展開を行っている。販売状況は前期決算発表時から大きな動きはないが、惣菜は大口ユーザーが抜けた影響で若干前年割れ、他分野については販路と商品が合致しており高いレベルで推移している。引き続きこの4分野についてはしっかりと商品投入し、売りに繋げていく。今秋の目玉はやはり『JG鉄板焼ビーフハンバーグ』だ。既存の販路はもちろん、新たな販路についても広げていきたい」とした。

4年ぶりに業務用展 ―― 中村角

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中村社長
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多くの来場者でにぎわった

 中村角(中村一朗社長)は8月30日、広島・広島市中小企業会館で「中村角グループ水産品・業務用食品 年末ミニ展示会2023」を開いた。4年ぶりの開催となった同展の出展規模はメーカー94社66小間、自社提案コーナーが44小間の合計110小間。来場者数は約400人。給食・中食の人流の回復を受けて「年末の売上の山を確実に作る」位置づけであり、主眼の「おせち材料」から、デリカ、給食への充実提案で、開場直後から多くの来場者でにぎわった。
 朝礼で挨拶に立った中村社長は、「12月から新春までの期間をターゲットとした年末ミニ展示会を4年ぶりに開催する。総合展示会はこれまで何とか開催してきたが、年末ミニ展示会はコロナ禍の中で開催できなかったものだ。7月の総合展示会から2カ月弱だが、ご出展いただいたメーカーの皆様には心から御礼申し上げる。申し上げるまでもなく、年末の売上の山は大変大きなものがある。12月単月の売上は平常月と比べて1.5倍となる。これを確実に作っていく。本日は多くのお客様にご来場いただく。お客様のこれからの商売のヒントを持って帰っていただく展示会としたい。企画提案をしっかり行っていく」と、述べた。
 業務用食品の自社提案コーナーは、①厳選!おせち材料②2023年年末のパーティーシーンにはこれ!(デリカ)③惣菜寿司材料揃ってます(デリカ)④年末年始イベントを感じよう!(施設・保育園)⑤スマホでカンタン発注システム⑥手間抜きで手早く美味しく!(業務用全般)を展開した。
 デリカ向けのパーティーシーン提案では、「今年こそはみんなで集まりたい!」として、おうち忘年会などホームパーティーに持ち寄り易い2~3人前の「ちょこっとセット」を訴求。
 また、ホテルグランヴィア広島・中華レストラン煌蘭苑の山本料理長監修のガチ中華惣菜5品も紹介。
 一方、フードサービスの人手不足解消に向けては『手間抜き』商材を訴求。品揃えが広がっている簡便調品を厳選40品、試食展開した。中でも、開封のみで提供できる「JFSA チルド惣菜肉じゃが」は関心を集めた。

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