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今週のヘッドライン|2023年7月第5週号

多様性テーマに研修会 ―― (一社)日本給食品連合会

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〈左〉日給連・中込会長〈右〉ふくしま・後藤氏
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〈左〉マルヒ食品・佐藤氏〈右〉コタニ・花房氏
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ハウディ・井川氏           

 (一社)日本給食品連合会(中込武文会長)は20日、東京・御成門の東京プリンスホテルで「2023年管理者夏季研修会」を開催、会員・特別会員など192人が出席した。今回は、ダイバーシティをテーマとして日給連の女性活躍企業の中からコタニ、ふくしま、マルヒ食品の3社の女性幹部が登壇し、働き方や各社のマネジメントの工夫を紹介した。また日給連としても、NKR事業委員会内に「会員・メーカーの女性社員による商品開発会議」を新たに組織し、初年度の取組として「学校給食向けの主菜」の開発を進めていることを明らかにした。来春の選定商品導入時に、女性開発会議による3品をリリースする予定としている。

 夏季研修会は、総合テーマを「ダイバーシティを考える」とし、事例発表、商品開発会議の説明、記念講演が行われた。
 挨拶に立った中込会長は、「日給連は4月より新年度に入り110%で進捗しているところだ。本日は女性の参加者が増え、わくわくしている。来年以降も女性の参加者が増えることを期待する。武田節には『人は石垣、人は城』とあるが、石垣は多様な形がしっかりと組み合わさっていることで崩れない。企業も多様な人材が居て強い組織になるのではないか」とした。
 女性活躍企業3社の発表では、初めにコタニの花房みつる常務が話し、「休職した時期もあったが、会社には快く対応してもらい40年間務めてきた。これからも全社員が働き易い環境づくりに努めたい」とした。一方、業界の問題点としては、①冷凍庫業務と配送は避けて通れないこと②チャイルドペナルティ(出産・育児によるキャリアの中断)③オールドボーイズネットワークを挙げ、「女性が結婚出産で退職する環境は、オールドボーイズネットワークではないか。若い人たちの成長を阻むものではないか」と問題提起した。
 ふくしまの後藤綾子次長は同社で初めて育児休暇を取得した社員であり、16年に一旦営業部課長代理を降り現職に。会社の制度対応として定時退勤のパート「プロパー」職があり、顧客とのタッチ回数を上げる業務を担う人が別に居ることが働き易さ向上にも寄与していることを紹介した。
 マルヒ食品の佐藤香織専務は、メーカーから転身し「自分の給料は自分で稼ぐ」意欲で歩んだ経歴を紹介。現在は、より製造に踏み込んだメーカーベンダーを目指している。「どらえもんのポケットの様な会社になりたい」とした。
 コーディネーターを務めた林元彦氏は、「深刻な労働力不足への対応には女性活躍が必須だが、その際にオールドボーイズだけでどう活躍してもらうかを考えるのはナンセンス」と締め括り、現場の声を聞き、多様な働き方のサポートをする必要性を強調した。
 【女性社員による商品開発会議参加社】▽マルヒ食品▽大京食品▽甲信食糧▽名給東京▽ハウディ(座長=井川萌子特販部主任)▽テーブルマーク▽大冷▽ヤヨイサンフーズ▽フードコーディネーター

「極海老カツ60」投入 ―― 極洋

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従来比で歯ごたえ50%、サクサク感120%向上

 極洋は25日、2023年秋の新商品として市販用商品10品、業務用商品19品の計29品を発表した。テーマは『魚のおいしさと便利を提案』。
 業務用商品のうち、冷凍食品は11品を発売。外食向けには同社国内基幹工場の極洋食品塩釜工場製造の人気商品エビカツにこだわりの新商品として「極海老カツ60」を投入した。同商品は従来品比でエビの歯ごたえが約50%、衣のサクサク感が約120%向上した。使用するエビのサイズを大きくし、配合量を増やすことで、よりエビの存在感が感じられるように仕上げた。惣菜の他、サンドイッチの具など、和洋を問わず使い勝手の良い商品。
 惣菜向けには小ぶりでぱくっと食べやすい「ぱくっとえびフライ」を投入。プリッと食感にこだわり衣は薄めに仕上げた。
 人手不足の調理現場をサポートすることをコンセプトに、凍ったまま調理ができる骨なし切り身からスタートした〈だんどり上手〉シリーズは今年で10周年を迎えた。今回は自然解凍でそのまま食べられる焼き魚商品として「シロガネダラ塩麹焼き(骨なし)」「赤魚塩麹焼き(骨なし)」、肉商品として「やわらか若鶏みぞれ煮」「やわらか若鶏のトマト煮」をラインアップに加えた。
 回転寿司業態向け等には同社が得意とする生食商材を提案。業務用超低温流通保管品では「塩〆藁焼天然インド鮪大トロ」「塩〆藁焼天然インド鮪中トロ」「塩〆藁焼天然インド鮪赤身」を投入。業務用冷凍加工品にはチリ産のギンザケを粗めにたたき、食べ応えのある食感に仕上げた「サーモンたたきCT4」を投入した。

製品サイズ見直しでパレット積載効率1.5倍に ―― 日清製粉ウェルナ

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 日清製粉ウェルナは26日、冷凍ワンディッシュパスタ等の「製品サイズ見直しによる配送効率化」の取組みによる物流負荷低減を発表した。
 今回、同社は8月中旬から順次、パレットの効率的な積載方法を実現させるため、ダブルピロー包装全製品(100品以上)の製品と段ボールのサイズを見直す。同取組は①製品の内容量はそのままに、製品サイズを見直し②①に伴い、入数を変えずに段ボールサイズと体積を縮小③その結果、1パレット当たりにおける製品の積載量が1.5倍にアップする―というもの。なお、これに伴い、同社では今後、倉庫間物流におけるトラックへの製品の積み込み方法をパレット積みにすることで、更なる配送効率の向上を図る。

大判揚げのきつねうどん ―― キンレイ

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甘く味付けした大判揚げ

 キンレイは8月21日より、2023年秋冬冷凍食品新商品として〈お水がいらない〉シリーズより「大判揚げのきつねうどん」を、また3年ぶりのリニューアル新商品として「同 かぼちゃのほうとう」を発売する。「大判揚げのきつねうどん」は関西エリア限定で、「かぼちゃのほうとう」は関東エリア限定で、共に地域戦略の要となる商品として販売に注力していく。
 「大判揚げのきつねうどん」(504g)は3種の削り節と昆布からとった関西の合わせだしに、甘く味付けした大判揚げを盛り付けた大阪発祥のきつねうどん。麺は表面が滑らかで中はもっちりとした食感に仕上げた。
 「かぼちゃのほうとう」(520g)はだしに2種類の味噌をブレンドし、『コクと深みのある味噌感と野菜の煮込み感の両立』を追求した。麺は専門店の作り方にならい、真水仕様にし、ほうとうの特長である『煮溶け感と噛み応え、食べ応え』を再現した。
 また、汁なし麺には新たに「汁なし麻辣担々麺」(241g)を同じく8月21日より投入する。ごまの風味豊かなコク旨たれに、もちもち食感の平打ち麺を合わせた。

売上、利益が過去最高に ―― トモシアHD

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荒木社長

 トモシアホールディングスは13日、同社仕入れ先メーカーで構成される「トモシアホールディングス共栄会」の第5回総会を、東京・下目黒のホテル雅叙園東京で開催した。会員企業86社、トモシアグループ関係者などが出席した。
 総会では役員を改選し、新会長に藤江太郎味の素社長が就任した。藤江新会長は「トモシアホールディングスはコロナ下の環境でも着実に成長を続けられてきた。コアメッセージの〝つなぐ〟〝束ねる〟〝育む〟のコアメッセージの下で、明確な成長戦略に取り組まれた成果だと感じている。中でも、私は〝つなぐ〟取組が素晴らしいと感じている。私自身も、〝つなぐ〟ことに力を入れ、トモシアHDと会員と共に発展していきたいと考えている」と挨拶した。
 引き続き、荒木章代表取締役社長がトモシアホールディングスの活動報告とグループビジョンについて説明した。
 2022年度の業績は、売上高7755億円(前年差334億円増)、営業利益54億円(同25億円増)経常利益67億円(同24億円増)、当期純利益59億円(同33億円増)となり、売上・利益ともに過去最高を更新した。外食業態の急回復や値上げの浸透などが奏功して売上が伸長し、コスト削減効果も出て利益も大幅に伸長している。
 荒木社長は、「前年度は総合卸売事業が値上げの浸透も奏功して堅調に推移し、外食卸が大幅に回復した。引き続き、既存領域を維持拡大しながら他の領域も開拓して売上を積み増していく」と語った。今年度グループ業績は、売上高8000億円、経常利益78億円の増収増益を目指す。

●新中期経営計画「TGV2027」で四つの施策

 総会では、新中計「Tomoshia Group Vision(トモシアグループビジョン)2027」についても説明した。コアメッセージに「地域に、本気だ。2.0」を掲げ、「エリア×カテゴリ×チャネル戦略」「地域深耕施策」「共創戦略」「4社組織デジタル改革」の四つの重点施策に取り組んで売上、利益の向上を図る。

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