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今週のヘッドライン|2023年3月第3週号

新業態「SIPストア」を計画、コンビニとSMの融合店舗 ―― セブン&アイ・ホールディングス

 セブン&アイ・ホールディングスは9日、今上期にコンビニとSMを融合させた新業態「SIPストア」を出店すると発表した。冷凍食品を豊富に品揃える。イトーヨーカドーのオリジナル冷凍食品ブランド〈EASE UP(イーザップ)〉も展開する。売場面積は100~150坪、商品数は5000SKU以上を想定している。現中期経営計画の修正について説明したオンライン会見の席上で、国内コンビニ事業の成長戦略の一環として明らかにしたもの。

 新業態には、グループのコンビニとSMのノウハウを注ぎ込む。売場面積と商品数はコンビニ(平均売場面積約40坪、商品数2500SKU)と、SM(同300坪以上、同2万SKU以上)の中間に当たる。
 これまでの業態よりも冷凍食品の展開を強化する。拡大した売場のうち、PBで賄いきれないスペースにはイトーヨーカ堂やヨークで販売するNBの売れ筋などを展開すると見られる。新たな販売設備の開発も進める。省エネ対応などの新型冷凍什器が導入される可能性がある。
 同社では、「セブン―イレブンにイトーヨーカ堂の冷凍食品ブランド〈EASE UP〉を品揃えたところ、冷凍米飯の売上が約2倍に伸びる効果があった。冷凍食品は将来性が高い分野なので、イトーヨーカ堂の知見も取り入れながら豊富に展開したい」としている。
 新業態ではヨーカドーの青果ブランド〈顔が見える野菜〉を始めたとした生鮮品も強化する。価格訴求型のPB〈セブン・ザ・プライス〉も導入する。
 現中計見直す、ヨーカ堂は2割の店舗を閉店
 現中期経営計画は、成長戦略を見直す。小売事業は「食」に特化した戦略に修正する。
 スーパーストア事業のイトーヨーカ堂は、新たに14店舗の閉店を決めた。25年までに既存の126店舗を94店舗に減らす。閉鎖店舗は全体の約2割に当たる。また、自社ブランドのアパレル事業から完全撤退する。首都圏事業の統合再編と戦略投資インフラへの投資も進めて筋肉質な利益構造に転換する。
 海外CVS事業は、米国でスピードウェイとのシナジーを強化する。現地の工場に国内CVSの知見を導入して商品の質を高め、FFの構成比を売上全体の34%に引き上げる。欧州、南米などの新たな国への出店を模索し、海外の店舗数を増やす。

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PBF新ブランド発表 ―― キユーピー

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濱崎上席執行役員

 キユーピーは8日、東京渋谷の同社本社で「プラントベースフード(PBF)事業戦略発表会」を開催、新ブランド〈GREEN KEWPIE〉を立ち上げ、第1弾として国内向けにプラントベースのドレッシング「植物生まれのごまドレッシング」と「植物生まれのシーザーサラダドレッシング」を発売することを発表した。
 〈GREEN KEWPIE〉は国内・海外(市販用・業務用)の植物性原材料を主体とした商品や、健康・地球環境などへ配慮した商品に展開する新ブランド。
 第1弾ドレッシングの発売後は、23年夏に第2弾として市販用冷凍食品「HOBOTAMA」のパッケージデザイン変更、秋に業務用冷凍食品「HOBOTAMA」、業務用チルド品「タルタルソース」のパッケージデザイン変更、第3弾は24年春以降に調味料、調理品、タマゴ素材、新規などでプラントベース商品を創出、その後、グループの販路を活用し海外市場へも市販用と業務用で拡大していく。
 説明に当たった濱崎伸也取締役上席執行役員市販用市場統括は「プラントベースフードで食のサステナビリティを実現し、売上目標2025年までに売上高20億円、2030年までに売上高100億円を目指していく。事業フィールドは日本を含む海外だ。我々の目指す世界中の食と健康に貢献できる夢のある新しいブランドになりうる」とした。

アクセス新商品GP 冷食は「日清本麺ワンタン麺」 ―― 日本アクセス

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冷食部門受賞者

 日本アクセスは8日、東京・大崎の本社で、1月下旬に東京、大阪で開催した「新商品グランプリ2023春夏」結果発表会見を行った。
 冷食部門では、「日清本麺ワンタンメン」(日清食品冷凍)がグランプリ。準グランプリは「大阪王将極みの大粒肉餃子」(イートアンドフーズ)が選ばれた。なお、総合1位は加工食品部門1位の「ニップンめちゃラクカスタードクリームミックス」(ニップン)が選ばれた。
 新設のトレンド賞の冷凍食品部門では、「まるごと野菜発酵乳プラス彩り野菜と完熟トマトのペンネ」(明治)だった。
 「新商品グランプリ」は雑誌『Mart』とのタイアップで2009年にスタート。毎年、春と秋に新商品を紹介する販促企画。その後、ウェブメディアなどのタイアップを経て、今回で28回目となる。
 今回から、タイアップコラボから、自社独自企画とした。
 今回の「新商品グランプリ」は加工食品、冷蔵食品、冷凍食品、アイスの4部門と新設の「トレンド賞」を設定した。エントリー商品の対象は23年1月以降、春夏に向けて発売される新商品。今回のエントリーは62社64品(冷凍食品は13社13品)。

創業者伊藤名誉会長が死去 ―― セブン&アイ・ホールディングス

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 セブン&アイ・ホールディングスは13日、創業者の伊藤雅俊(いとう・まさとし)名誉会長が10日に老衰のため逝去したと発表した。98歳。通夜、葬儀は近親者のみで執り行った。喪主は長男の伊藤裕久(いとう・やすひさ)氏。お別れの会などについては改めて詳細を決める。
 伊藤名誉会長は1924年(大正13年)4月30日生まれ。東京都出身。1944年に横浜市立商業専門学校(現横浜市立大学)を卒業後、三菱鉱業(現三菱マテリアル)入社。終戦後に家業の「羊華堂」(東京都足立区北千住)に参画。58年にヨーカ堂(現イトーヨーカ堂)を設立した。以後、デニーズ・ジャパン、セブン―イレブン・ジャパンなどを立ち上げるなどグループを世界的な小売りチェーンに育て上げた。

会社所在地

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