初の新商品説明会、家庭用で凍菜、デザート ―― エア・ウォーター
(左)岩本社長
(右)グループ会社の旭川工場で製造
凍ったまま食べられる
エア・ウォーターは18日、東京・東品川の同社本社で初の新商品発表会を開いた。子会社のエアウォーターアグリ&フーズが春夏の家庭用冷凍食品新商品として、ミックス野菜4品、冷凍デザート5品を発売する。発売日は3月1日。グループが有する原料調達力と冷凍野菜、畜肉加工品、デザートなどの製造設備を活用した商品の展開で、新規参入した市販用冷凍食品の領域で販路を切り拓いていく。
今回発売する冷凍野菜のうち「北海道やさい人参とごぼう」(170g)は、北海道産のニンジンを6割、ゴボウを4割ミックスした和食に使いやすい野菜ミックス。「ベーコン入り!いろどり野菜ミックス」(同)は3種の洋風野菜(ニンジン、コーン、ブロッコリーの茎)にフレーク状のベーコンをミックスした。温めてそのまま食べても美味しい。共に製造はAWアグリフーズテクノ旭川工場。
「ウインナー入り!えだまめ&コーン」(同)は、市場では珍しいウインナー入りの野菜ミックス。「同ブロッコリー&カリフラワー」(同)は、エクアドル産のブロッコリー、カリフラワーとウインナーを合わせた。共に製造委託はフリゴ。
冷凍デザートのうち凍ったまま食べられる冷凍セミフレッドケーキシリーズには、ヘルシーなイメージのヨーグルトとグラノーラを使った「ヨーグルトケーキフルーツ&グラノーラ」(同)、昔ながらの喫茶店風のレトロプリンをイメージした「レトロプリンケーキ~ほろ苦カラメル仕立て~」(同)を追加する。
冷凍タルトは、サクサクのパイ生地にバニラが香るカスタードクリームとフルーツを散りばめた「エッグタルト ラム酒香るフルーツ入り」(200g)、瀬戸内産レモンピールで甘酸っぱく仕上げた「クリームレモンタルト~瀬戸内レモンピール使用~」(同)を投入する。お手軽スイーツシリーズの「ぷにシュー」は、抹茶味を追加する。
AWアグリ&フーズの岩本康範社長は、「冷凍野菜は当社の今後の核になる分野の一つだ。9月にシリーズを立ち上げた冷凍デザートもバイヤーからの人気が高い。商品開発を進めて市販用市場を開拓していく」と説明した。春夏の新商品累計の売上は年間3億円程度を見込んでいる。
●見方を事業部化
2018年にAWグループ入りした見方は、4月1日付でAWアグリ&フーズの「MIKATA」事業部に改組する。
これまで見方が展開してきた市販用冷食〈北のシェフ〉ブランドも強化する。第1弾として、4月1日付で冷凍パスタ、カンパーニュ、デザートなど5品をセットにした、「北のシェフHOKKAIDOセット」を発売する。2人前で、価格は約5000円。
ガッツリ「豚まぜそば」 ―― ニッスイ
20~40代男性狙う
ニッスイは24日、2023年春夏新商品を発表した。新商品の開発テーマは「Healthy」「Smart」「Satisfaction」。健やかな生活とサステナブルな未来の実現を目指す。
家庭用冷凍食品は新商品7品、リニューアル7品の計14品。発売日は3月1日。
伸長する冷凍麺市場には〈わが家の麺自慢〉シリーズに20~40歳代の男性向けの汁なし麺「ニンニクマシマシ豚まぜそば」を投入する。同社技術の「香りUP製法」でニンニクの風味をしっかり効かせた豚骨しょうゆ味のまぜそば。ソースは特許技術「コク味アップ製法」で旨味を引き立たせた。くせになるガッツリ系、国産小麦「ゆめちから」をブレンドした自家製太麺、真空調理製法でしっとり柔らかな特製豚バラチャーシューが特長。
米飯では、40~70歳代の本格こだわり層に外食の味を再現した「至福の味わいチキンライス」を投入。洋食店のようなバター香るリッチな味わい。「香りアップ」製法で発酵バターの芳醇な香りと、トマトの甘い香りが特長。2人前を想定した550gサイズ。
ワンプレート〈まんぞくプレート〉シリーズには、白米とチキン南蛮をセットにした「ふっくらごはんとチキン南蛮」をラインアップ。ごはんと相性の良い、甘酢あんとタルタルソースで味付けた。ブランド鶏「森林どり」のむね肉を使用している。タルタルソースも自家製でレンジ加熱後もなめらか。
食卓向け惣菜では、「おばんざいコロコロっとほうれん草のごまあえ」を追加した。11~16gのブロック状で必要な分だけ使える。
子供の軽食に最適な「ハピもぐ」シリーズでは、新たに鶏むね肉を使用した一口サイズのから揚げ「スナックチキンプレーン」「同ホットチリ」を投入した。
水産品では、MSC認証取得のあさりを使用した「MSCむきあさり」をラインアップした。
量販店向けの冷凍パスタ ―― ピエトロ・新商品
ピエトロレストランで人気のパスタメニュー
ピエトロは3月1日、家庭用冷凍食品の新商品として、量販店向けブランドの〈洋麺屋ピエトロ〉から、冷凍パスタ「博多明太子カルボナーラ」(265g、税別780円)を発売する。
一度食べるとクセになる濃厚でクリーミーな味わいが特長。麺はピエトロレストランで使用しているイタリアのパスタブランド「AGESI(アネージ)」の高品質なパスタを使用している。シェフが施策を重ねてレンジ調理専用の冷凍パスタでもアルデンテの食感が楽しめるように開発した。ソースもレストランの製法を再現し、パスタ専門店ならではの美味しさを家庭で手軽に楽しめる商品に仕上げている。
また、同日付で同ブランドの冷凍パスタ「海老とマッシュルームのバジルクリーム」(290g、同)「なすとひき肉の辛味スパゲティ」(同、同)と、プレミアムな味わいを追求した〈シェフの休日〉ブランドの冷凍スープ「北海道産コーンスープ」(190g、500円)をリニューアルする。
新社長に大河原常務 ―― デルソーレ
デルソーレは24日開催の取締役会において、6月28日付で代表取締役社長に大河原泰常務取締役戦略企画管掌が就任することを決議した。大河原愛子代表取締役会長および和田隆介代表取締役社長は同日付で退任する。
大河原泰氏(おおかわら・やすし)は2019年7月ジェーシー・コムサ(現デルソーレ)入社、執行役員代表取締役社長補佐、2020年6月取締役代表取締役社長補佐、2021年4月取締役製造・開発ユニット管掌、2022年常務取締役戦略企画管掌で現任。1962年7月生まれ60歳。大河原毅CEOの甥。
エシカル、PBF、自然解凍品など強化 ―― 日本生活協同組合連合会
土屋会長
日本生活協同組合連合会は19日、東京都港区の東京ミッドタウンタワーで会見を開き、2023年の事業方針、直近の事業概況について説明した。
2022年の冷凍食品は、主食系、おかず系が共に好調に推移した。中でも時短ニーズに対応した米飯、冷凍麺の動きが良かった。畜肉系は、前年東南アジアのコロナ禍拡大による供給制限のカウンターがあり、2桁増で推移した。
23年の冷凍食品の商品開発については、簡便性と共に、味わいの良さ、健康感の高さ、エシカルなどの価値を追求する。プラントベースフードや、不足する栄養素を補える健康訴求型商品の開発にも取組む。冷凍ミールキット、自然解凍品、冷蔵庫解凍品の開発にも挑戦する。時短ニーズの高まりで供給量が増えた具付麺、米飯商品の開発に取り組み、冷凍野菜は産地の開拓を進めて国産品を強化する。
その他の商品軸の取組として、「健康意識」「国産原料」「時短ニーズ」に配慮した商品の開発を進める。エシカル対応商品の強化も継続する。
会見に登壇した土屋敏夫会長は、今後の販売戦略について「2022年は、各種商品が値上がりする中で、冷静に、適切な値上げを進めてきた。全国の地域生協と共に、『くらし応援全国キャンペーン』(期間限定で商品を値下げ、または価格を据え置くキャンペーン)も実施したが、事業の継続性のために、長期的には事業コストの高騰分を売価へ転嫁しなければならない。適切な値上げを行って、職員の労働条件改善の原資にも充てる」と説明した。