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今週のヘッドライン|2022年11月第1週号

増収ながらも減益に ―― ニチレイ・第2Q

 ニチレイは1日、23年3月期第2四半期業績を発表した。連結売上高は3218億3600万円(前年同期比9.3%増)、営業利益147億900万円(同8.2%減)、経常利益150億900万円(同7.4%減)、四半期純利益97億9800万円(同11.8%減)で増収ながら減益となった。加工食品事業は外食需要が回復する中、業務用調理品が伸長したことに加え北米子会社の供給体制強化も貢献し増収。営業利益はタイ子会社の業績回復はあったものの、原材料費の高騰及び円安などによる仕入れコストの上昇、生産工場のエネルギーコストの大幅上昇により減益となった。

 セグメント別では、加工食品売上高1353億3400万円(同12.1増)、営業利益61億9700万円(同8.4%減)、水産売上高325億1300万円(同2.7%増)、営業利益1億4600万円(同76.6%減)、畜産売上高420億1400万円(同5.8%増)、営業利益5億2300万円(同9.9%減)、低温物流売上高1191億6400万円(同8.7%増)、営業利益72億230万円(同7.5%減)。
 加工食品事業は外食需要の回復による業務用調理品の伸長に加え北米子会社の供給体制強化も貢献し増収。営業利益はタイ子会社の業績回復も、原材料費の高騰及び円安などによる仕入れコストの上昇、生産工場のエネルギーコストの大幅上昇減益となった。
 加工食品事業のうち、家庭用調理品の売上高は393億3300万円(同2.5%増)、業務用調理品同504億9600万円(同15.6%増)、農産加工品同96億9100万円(同5.5%減)、海外同272億8800万円(同33.3%増)。家庭用調理品は「ミニハンバーグ」」等の食肉加工品や「今川焼」等のスナック類が好調。また「冷やし中華」「極太つけ麺」を含む新商品も寄与し取り扱いは拡大した。
 業務用は主力のチキンに加え食肉加工品、米飯類、春巻など主力カテゴリーの販売が好調に推移。またアッセンブル商品の拡販も貢献し大幅増収となった。
 農産加工品は海上物流の混乱による調達難が残り家庭用は「そのまま使える高原育ちのブロッコリー」の取り扱いが大きく減少、業務用は回復した外食市場へのコーン、ほうれん草との販促による増収となった。
 海外は米国子会社のイノバジアンクイジン社では、主力商品の供給体制の強化を進め増収。タイ子会社GFPTニチレイ社は稼働回復により欧州向けの好調で取り扱いが伸長した。

採算性向上で利益増 ―― 三菱食品・第2Q

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京谷社長

 三菱食品は1日、2023年3月期第2四半期決算を発表した。
 連結業績は売上高9986億300万円(前期比1.0%減)、営業利益100億6000万円(同20.6%増)、経常利益110億8100万円(同23.4%増)、四半期純利益74億5400万円(同18.9%増)となった。
 売上高は収益基準の処理の関係で実質は増収。コロナ感染症による行動制限が緩和され、人流回復等により一部の業態で回復基調が見られたものの、家庭内食品需要の落ち込みによる減少や取引の見直し等により微減収となった。利益は、取引の見直しに伴う採算性の向上に加え、第1四半期より(株)ケー・シー・エスを新規連結したことなどで増益となった。
 セグメント別の加工食品事業は売上高3283億7100万円(同4.1%減)、営業利益25億400万円(同38.2%増)。家庭内食品需要の落ち込みや取引の見直し等により減収も、利益は取引見直しによる採算性向上で増益となった。低温食品事業は売上高2932億8500万円(同0.6%増)、営業利益63億6800万円(同28.3%増)。業務用商材を中心に外食、ディスカウントストア等との取引が伸長し微増。利益は業務用商材の回復に伴う売上総利益増に加え、低温物流を展開する(株)ケー・シー・エスを新規連結したことなどで増益となった。なお、商品別の冷凍・チルド食品類は売上高2424億円(同1.9%減)。前期収益基準処理の関係もあり実質は増収。
 通期業績見込みは、当初公表通り売上高1兆9900億円、営業利益199億円、経常利益215億円、当期純利益140億円を計画する。
 同日東京文京区の同社本社で行われた決算説明会で京谷裕社長は、「中経2023」の進捗について、「定量効果は見えにくいが着実に取組は前進している」としながら、AI需要予測自動発注などリテールサポート、商品開発、地域パートナーシップなどの取組を説明した。
 また物流・電気料金のコスト増については、「物流費上昇は、ほぼ想定の範囲だが、電気料金は通期で3億円の増加を見越していたが、上期で4億円増、通期では7~8億円増と想定をはるかに超えている」とした。

トーホーストアを譲渡 ―― トーホー

 トーホーは10月31日、連結子会社で食品スーパー事業を展開する(株)トーホーストア(神戸市、橋本博文社長)の同社所有の全株式を関西や中部地区を中心に食品スーパーを運営する(株)コノミヤ(大阪市、芋縄隆史社長)に譲渡すると発表した。譲渡日は2023年2月~3月末予定、譲渡価格は未定。
 トーホーストアは1963年に神戸市に出店して以来、兵庫県南部を中心に最盛期の1980年代後半は最大69店舗を展開し、グループの売上構成比は40%と業務用卸売事業と両輪を担っていた。しかし近年な競争激化の影響を受け商圏の拡大には至らず、22年1月末で店舗数34店舗、売上構成比9.3%と事業規模を縮小、22年1月期の売上高175億6800万円、営業損失3億7900万円と厳しい状況が続いていた。
 この状況から今後もグループでトーホーストアの事業を継続することは困難と判断する一方、従業員の雇用維持、地域の食インフラとしての店舗の存続、トーホーストアの再生を実現できる先としてコノミヤに譲渡することが最善であるとして譲渡を決めたもの。
 株式の譲渡については、トーホー所有の株式7万7700株(所有割合92.8%)に加え、他社が所有している6000株(同7.2%)をトーホーが買い取りことを同時に進め、全株式8万3700株を譲渡する。

加食、原料高騰等で減益 ―― 日本たばこ産業・第3Q

 日本たばこ産業は10月31日、2022年12月期第3四半期決算を発表した。
 加工食品事業の売上高は1128億円(対前年比5.8%増)、調整後営業利益19億円(同21.2%減)となった。売上については冷食・常温事業等での価格改定により増収、営業利益は原材料費等の一層の高騰や為替影響を価格改定効果で相殺できず、減益となった。
 売上のうち冷食・常温の売上高は884億円(4.7%増)。
 なお加工食品事業の通期見込みは売上高1510億円(同2.6%増)、営業利益20億円(同49.4%減)を計画。売上はベーカリー事業の株式譲渡の影響などで前回公表から下方修正した。利益は変更なし。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
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