冷食専門業態新たに、国内最多、1500品を品揃え ―― イオンリテール
広大な売場に圧巻の1500品
〈ピカール〉ブランドも平台でコーナー化
イオンリテールは8月30日、千葉県浦安市の「イオンスタイル新浦安MONA」内に、冷凍食品の新業態「@FROZEN（アットフローズン）」をオープンした。冷凍食品の商品数は1500品を超えており、本紙が把握する限り国内最多の品揃え。同社ではコロナ禍の発生以来、冷食の売上が2桁を超えて伸び続けているが、SMの既存フォーマットでは売場の拡大に限界があるため「伸びゆく冷食に特化した新業態の展開に光があると見て出店に踏み切った」（西野克執行役員MD改革本部長）。
同店は、食料品売場約872㎡内にインショップとして新設した。売場面積約464㎡の店舗売上目標は食品売場全体の約3割で、これは既存店の冷食売場の約10倍に当たる。
店舗を囲む壁面にリーチイン什器72面分を、中央部分に省エネ対応の扉付き平台什器56台を設置した。リーチインの扉には随所に小型のデジタルサイネージを取り付けている。
売場は、専門店品質の味わいを楽しめる商品などを販売する「Heat」（約800品）、冷凍スイーツなどを集積した「Eat」（約400品）、冷凍素材品を展開する「Cook」（約300品）の三つのエリアで構築している。
各エリアのうち、「Heat」には、〈俺のイタリアン〉〈俺のフレンチ〉などの有名店監修品や、シュガーレディの〈Z'sMENU〉などのディナーメニューを数多く取り揃えた。〈ピカール〉の冷凍食品も平台でコーナー化して売り込んでいた。このエリアで店舗の販売目標の6割を売り上げる。
「EAT」には、ガトー・ド・ボワイヤージュの「カヌレ」、エビアンコーヒーの「神戸元町珈琲ロール」などの専門店品質の冷凍デザートを数多く展開した。「Cook」には、凍菜、畜肉、冷凍魚、ミールキットなどの簡便化素材のほかに、乳幼児用の冷凍食品もリーチインの扉１面分でコーナー化していた。
商品全体の約半数に当たる750品が同店で初めて導入したオリジナル商品。トップバリュ商品は約230品を品揃えた。近隣の「イオンスタイル新浦安」の冷凍食品売場とのカニバりを避けるために、コモディティ商品は売れ筋に絞り込み、弁当コーナーもリーチイン2面分に抑えた。
1500品目という圧巻の品揃えながら、通常店舗店の売れ筋を横滑りさせるのではなく、新業態ならではの差別化商品をしっかりと選定して独自性を打ち出していた。全体として、来店者に驚きと買い物の楽しさを提供することで、コアなリピーターを育成しよう狙いがよく分かる売場となっていた。
同店の商品はECでも取り扱う。新業態で培ったMDを新店や既存店に水平展開し、グループの冷食部門を底上げする。2号店以降の出店計画は未定で、今後同店の売上などを検証した上で新規出店の是非を含めて判断するという。
冷食売場を新設、本格メニュー出揃え ―― 松屋銀座
松屋銀座は8月31日、地下2階に、自社運営の冷凍食品売場「ギンザフローズングルメ」をオープンした。同店舗はギンザの名店の味を中心に354円～1万1880円まで55ブランド350種類の冷凍食品を揃えた。
黒を基調とした高級感有る売場には、銀座の名店を始めとした外食店の本格メニューやSLCreationsの展開する「Z'sMENU」などの商品が並び、量販店とは一線を隠したオリジナリティの高い売場を実現した。
社長に萩原専務、栗栖氏は取締役相談役 ―― ヤグチ
ヤグチは8月30日、定時総会及び取締役会を開き、社長に萩原啓太郎取締役専務執行役員の昇任を決議した。栗栖信也社長は取締役相談役に就任する。8月30日付。
新社長の萩原啓太郎（はぎわら・けいたろう）氏は1987年5月11日東京生まれの35歳。萩原美明会長の長男。2010年3月、早稲田大学理工学部経営システム工学科卒、同年4月、マルハニチロ食品（現マルハニチロ）入社、16年3月、慶応義塾大学大学院経営管理研究科卒、同年4月ヤグチ入社、18年6月経営戦略室兼販売戦略室（課長）、19年6月経営戦略室長兼販売戦略室長（部長）、19年10月経営戦略室長（部長）、20年8月取締役執行役員、21年8月より取締役専務執行役員。
【役員体制】▽代表取締役会長執行役員 萩原美明▽代表取締役社長執行役員 萩原啓太郎＝昇任▽取締役専務執行役員 岩見陸向＝昇任▽取締役常務執行役員 千野鉄夫▽取締役執行役員 高尾祐史＝新任▽取締役相談役 栗栖信也＝新任▽社外取締役 和田見大作＝新任▽社外監査役 横井雄介
米国の合弁会社取得、Shinmei Foodsを子会社化 ―― ニチレイフーズ
ニチレイフーズは、8月26日、米穀及び食品の仕入・販売等を行う企業（株）神明と株式譲渡契約を締結し、両社の合弁会社であるShinmei Foods U.S.A.社（米国カルフォルニア州）の全株式を取得することについて合意したことを発表した 。
本株式譲渡によって、Shinmei Foods U.S.A. Corporationは同社の完全子会社となり、Nichirei Sacramento Foods Corporationに商号を変更する。