栃木に国内最大級のCKが完成 ―― 日清医療食品・HFF関東
作業工程の大半を自動化(HFF関東)
大型冷蔵自動倉庫
日清医療食品(立林勝美社長)は10日、栃木市・千塚産業団地内に建設を進めていた東日本エリアをカバーする新たな生産拠点「ヘルスケアフードファクトリー関東(HFF関東)」が完成し、竣工式を行った。新工場は、医療施設や福祉施設での食事提供向けに供給する「モバイルプラス」の専用工場であり、1日10万食の規模で製造・配送を行う。操業開始は11月。同社所有のセントラルキッチンとしては7施設目、1日10万食規模のものとしてはHFF亀岡に続く2番目の施設となる。
HFF関東の特長は、原材料管理のための大型冷凍自動倉庫の採用をはじめ、調理工程で加熱から冷却までの自動化、搬送工程の自動化など作業工程の大半を自動化していることがある。これにより、生産の効率化と1日10万食という大量・多品種生産を実現する。
新工場稼働後は、同社のCK体制の生産能力は日産20万食に近づくと計画であり、一部の離島等は除きほぼ全国に「モバイルプラス」を届けることが可能になる。
説明に当たった立林社長は、「HFF関東の生産能力は日産10万食を計画する。これは、当社のみならず給食サービス業界の工場において国内最大級と言える規模である。我が国最大の消費地である関東圏、首都圏への供給基地、最重要拠点として、今後のビジネス展開に必ずや寄与していくと考えている。あらゆる業界において人手不足の現況となり大変厳しい状況にある。その中で、従来の当社のビジネスモデルに加えてCK方式のビジネスモデルが新たに加わることは、1年365日・1日も欠かすことなくサービスを提供する責務を負っている給食サービス業界においては大変有意義なものになるのだろうと考えている」としている。
【ヘルスケアフードファクトリー関東概要】▽所在地:栃木県栃木市千塚町1722▽敷地面積:2万4134・13㎡、延床面積22110・87㎡▽操業開始:2022年11月▽設計管理:三菱ケミカルエンジニアリング▽施工管理:古久根建設▽構造規模:鉄骨造 地上2階建▽製造商品:医療・福祉施設で提供する一般食、治療食▽製造数:約10万食/日
冷凍の悩みオープンに議論 初のサミットを成功へ ―― (一社)フローズンエコノミー協会
山口代表
昨年9月より「フローズンエコノミーラボ」としてスタートし、今年5月に一般社団法人化した「(一社)フローズンエコノミー協会」(東京都大田区、山口翔代表理事)は設立より間もなく1年を迎える。“冷凍食品の新価値”を創造・発信するためのコンソーシアムとしてパンフォーユーを中心に11社から始まった同協会は今や60社を超える規模に。11月29日、30日には東京ミッドタウンにおいて「フローズンエコノミーサミット」の開催も予定している。今回本紙では山口代表にサミット開催を含む今後の活動および、1年を振り返っての成果や課題、一般社団法人化の狙いついて聞いた。
―スタートから約1年、参加企業は非常に広がった。
山口 設立当初からの思いとしては大手企業だけでなく、地方から冷凍品を提供している企業にどんどん加盟していただきたいと考えていた。地方で美味しい食品を提供している企業は多くあるものの、新しい情報に触れる機会がなかなかなく、ITを活用した販売方法が分からない、最新の決済システムがどうなっているのかわからないといった問題があった。
当協会ではエコノミーラボ時代から数え既に6回の勉強会を開催しているが、勉強会や会員間の交流を通じ互いの工夫や想いを共有し、非常に充実した活動ができていると考えている。
味の素冷凍食品様の工場にお邪魔した際には、現場の方の生の声を聞くことで自分たちの品質管理体制を見直す機会となった。シャープ様の研究所にお邪魔して行った解凍実演会では、レンジの違いによる解凍品質の違いをロジカルに学ぶことができた。このように食品に留まらず異業種がうまくコラボすることによって実業に生きていく情報が得られたのはひとつの成果だと考えている。
―5月には社団法人化に踏み切った。
山口 勉強会や交流会は今までの形でもできるが、数多くの企業との協働の機会が増えてきたことで、パンフォーユー単独ではなく一般社団法人で活動していく必要があると考えた。また、他団体との連携も強化しており、こういった他団体との相互取組みも進め易くなった。
―「フローズンエコノミーサミット」開催の狙いについて。
山口 今までは、各社の知見の共有をクローズドで行てきたが、これをサミットという形式でもっとオープンにしていこうというのが狙い。「冷凍×IT」「冷凍×グローバル」「品質管理」「冷凍庫容量問題」など、みんなが悩んでいる内容をオープンに議論できる場を作りたいと考えた。
―今後について。
山口 まずは「フローズンエコノミーサミット」を成功させることが第一。加えて、協会ではグローバル展開についても活発な議論が行われている。日本から世界へ勝負できる可能性のあるカテゴリーのひとつが「食」であり、地方にある本当に美味しい食品を冷凍して世界に持っていくことを話し合っていきたい。
紅はるか使用の冷凍焼きいも ―― ライフフーズ・新商品
ワンハンドで適量の焼き芋を楽しめる
ライフフーズは9月1日、家庭用新商品1品、リニューアル品1、業務用新商品1品を発売する。
家庭用新商品の「国産紅はるか使用焼きいも」(350g)は、ねっとりした食感と高い糖度が特長の品種「紅はるか」を、専用焼成釜の滞留する熱で1時間以上かけてじっくり焼き上げた。Sサイズを中心に小さいサイズを選別しているので、いつでもどこでもワンハンドで適量の焼き芋を楽しめる。電子レンジなどで温めるだけでなく、凍ったままアイスクリームを載せて冷たいデザートとしても楽しめる。自然解凍対応品。
リニューアル品の「乱切り揚げなす」(200g)は、乱切りしたナスを素揚げして急速冷凍した。バラ凍結なので、使いたい分だけすぐに料理に使える。環境に配慮して揚げ油にパーム油を使用していない。自然解凍対応品であることをパッケージに大きく記載し、簡便性の高さをより強く訴求している。
業務用新商品の「赤・黄ピーマンカットミックス1kg」(中国産、1kg×10袋)は、赤と黄色のピーマンをミックスしたミックス野菜。調理の素材として加えるだけで、様々なメニューを彩りよく仕上げることができる。
凍菜PR誌「冷凍野菜」を発刊 ―― 冷凍食品新聞社
冷凍食品新聞社はこのほど、一般消費者向けのPR誌として「冷凍野菜」(おいしく、たのしく、かんたん、べんり)~特集輸入冷凍野菜品質安全協議会を発刊した。
「冷凍野菜」はこれまで06年以来「ポジティブリスト制度」、「えだまめ」、「凍菜協・評価制度」など冷凍野菜に関するもっとも旬な話題を特集してきた。
今回は輸入冷凍野菜品質安全協議会(凍菜協・川﨑順司会長)の全面協力を得て同協議会を特集、04年に設立され今年16年目を迎えた同協議会の設立意図、活動内容を消費者に分かりやすく解説している。
掲載内容は川﨑順司会長へのインタビューによる同協議会の設立意図、会員紹介を始め、活動の説明など、輸入冷凍野菜の安心・安全確保のために活動を続ける凍菜協の全貌を詳細に紹介している。
さらに同協議会会員メーカー10社(味の素冷凍食品、岩谷産業、東洋水産、ニチレイフーズ、日本水産、マルハニチロ、ノースイ、ライフフーズ、富士通商、松田産業)および、台湾区冷凍蔬果工業同業公会の市販用及び業務用の冷凍野菜商品の紹介と各社冷凍野菜のPRを掲載した。
オールカラーB5版半折(260mm×90mm)36頁。
※各種展示会での配布やPR活動等に無料でご提供します。お問合せは冷凍食品新聞社まで。