EC1千億、達成迫る ―― 西友・大久保社長
西友の大久保恒夫社長は6月24日、東京・日本橋のベルサール東京日本橋で会見を開き、直近の業績、今後の戦略などについて説明した。同社の2021年度の利益はウォルマート傘下となった過去16年間で最高益を達成、ネット通販の売上も伸長しており、1000億円の達成も間近に迫っている。今後は商品力、販売力の二つの力を強化し、ネットとリアルの融合も進めながら、西友を国内を代表するOMOリテーラーへと成長させる。大久保社長の談話の概要は次の通り。
当社の2021年度の実績はウォルマートの子会社化以来、最高益を達成した。売上は7373億円、EBITDAは419億円だった。
小売業界を取り巻く市場環境を見ると、ネットの浸透は加速度を増しており、ネットを使った食品の購入も一般化した。このような変化を受けて、今後の小売業はマーケティング業に変化していくと考えている。
小売業が製造にまで入り込んで商品を展開していく必要性が高まる。また、既存事業の定義を見直し、MD、販売、店づくり、物流、情報システムを変えることも、持続的な発展には必要不可欠になるだろう。
市場の変化に対応するためには、主たる事業でしっかりと利益を上げ、それを前向きな投資に回していかなければならない。利益の追求には独自の価値を創造してお客様の満足度を上げることが重要で、これを達成するためには「商品力」「販売力」を強化することが必要不可欠だ。当社では、社員教育と情報システムを強化することで、この二つの力を上げていこうと考えている。
また、社会のネット化が加速する中で、ECチャネルは今後も伸長していくだろう。ネット通販の売上は、小売業界の中でおそらく当社が最も高い。2025年までを目指してきたEC売上1000億円の達成も、24年度に前倒して実現することができそうだ。引き続き取組を進め、チャネルのシェアを上げていきたい。
商品面では、生鮮、惣菜の部門がやや弱かったという反省点があるので改革に取り組む。
2022年の実績は売上7562億円(前年比2.6%増)、営業利益226億円(同3.0%)を目指す。小売業としての「超変革」を進め、当社を日本を代表するOMOリテーラー(オンラインとオフライン、ネットとリアルを融合した小売業者)に育てたい。(詳細を本紙に掲載)
応援購入でヴィーガン対応冷食販売 ―― ニップン
ニップンダイレクトで取り扱い
ニップンは6月16日より、新しいものや体験の応援購入サービス「Makuake」において、ヴィーガン対応の冷凍ワンプレートミール2品の応援購入募集を開始した。
同社は、持続可能な社会の実現に貢献するため、ヴィーガン対応プラントベース素材として豆腐から作ったお肉「ソイルプロ」を独自開発し種々の商品に活用してきた。
今回、〈よくばり〉シリーズで初めてヴィーガン対応商品「ニップン よくばりプレート PLANT BASED 中華風炊き込みご飯&豆腐から作ったお肉の麻婆茄子」と「ニップン よくばりプレート PLANT BASED 豆腐から作ったお肉のミラノ風ドリア&カポナータ」の2品を購入応援サービス「Makuake」で応援購入募集する。
なお、同企画の商品2品は2022年9月以降、同社通信販売サイト「ニップンダイレクト」において販売を計画している。
応募など詳細はプロジェクトページにて。
【「Makuake」プロジェクト概要】▽応援購入募集期間:2022年6月16日~8月6日▽リターン(一例):ニップンよくばりプレートPLANT BASED2種2個セット(合計4食分)▽目標金額:50万円▽発送予定時期2022年8月末まで
食と健康への貢献図る ―― キユーピー・髙宮社長
キユーピーの髙宮満代表取締役社長執行役員海外担当はこのほど、東京・渋谷の同社本社で会見を開き、今後注力すべく「キユーピーグループの魅力を創るための4つの視点」(①食と健康への貢献②持続可能性への挑戦③お客様とのつながりをさらに深める④自由闊達に挑戦し、悦びを分かち合えるグループに)について次の通り説明した。
まず「食と健康への貢献」、このテーマを推進する。食を通じて健康に貢献するということは、我々グループにとって非常にやりがいがあり、力を発揮でき、間違いなく社会に貢献できるテーマだ。
特に卵とサラダは私達の得意技であり、非常に健康にも良いということがわかってきた。当社は「サラダとタマゴのリーディングカンパニー」を掲げてきたが、ここに「健康」という意識を付与していく。
サラダの領域拡大は今後も継続していく。タマゴについては、当社が日本で一番卵を扱っているが99%が業務用だ。最近、コンシューマー向けにも着手し始めたが、手応えを得た段階で展開を加速していく。
もうひとつ私達は内・中・外の全てでビジネスを展開している。これを武器にしていきたい。さらにこの先には健康機能を意識した商品開発もある。
「持続可能性への挑戦」については、サラダとタマゴは、原料を調達し、それをお客様に届ける中でいろいろ未利用部分が出てくる。この未利用部分に価値を見出していく。サラダは野菜の循環プロセスを考えていく。
サラダクラブ7工場で未利用部分の廃棄はゼロに近づきつつある。おいしさと日持ちを核に様々なものにチャレンジする。
「お客さまとのつながりをさらに深める」という点では、企業は単独では存続せず、お客様とのコミュニケーションは非常に大事だと考えている。工場見学ではオンラインとリアルをクロスすることでお客様とのコミュニケーションを強化、SNSでは商品情報だけはではなく、当社の考え方を伝えていく。
「自由闊達に挑戦し、悦びを分かち合えるグループに」向けては、当社従業員に働く上で大事なこととして「自己実現」、「期待役割」の2点を理解し、重ね合わせていってほしい。
4店舗でフローズンフェア ―― イオン琉球
4店舗同時中継のリモートマネキンは子供にも大好評、相互コミュニケーションが進んだ(那覇店)
南風原店
イオンスタイルライカム
宮古西里店
イオン琉球は5月27日~6月22日まで、イオンスタイルライカム、イオン南風原店、イオン那覇店の3店舗で冷食・アイスの普及啓蒙イベント「フローズンフェア」を開催した。同社は昨年よりコロナ禍で試食販売が困難となった同フェアを試食なしの形で、期間を1カ月というロングスパンで実施。今年は、新たに6月17日~22日の最終週のみマックスバリュ宮古西里店(沖縄県宮古島市)も参加店舗に加え、初の離島でのフェアを実現した。Withコロナの中で対面での接触を極力減らし、デジタルをフル活用し行われた同フェアは確実に沖縄県内における冷凍食品市場の成長を支えている。
コロナ禍で対面販売ができない中、導入したのはリモートでの販売員による商品提案。大型モニターをそれぞれ4店舗に配置、4店舗を同時につなぎ、販売員と来店客の相互コミュニケーションの中で商品の魅力を訴えた。リモートでの商品提案は子連れファミリーに人気、画面の中から呼びかける声に子供が反応し、それをきっかけにお勧め商品を紹介するといった流れで購入が進んだ。
また、情報発信ツールも充実。大型モニターでのCM放映や各店舗における小型モニターでの各社商品情報の提供(企画会社製作)、そして今回チラシ配布は行わなかったものの、同社お買い物アプリやインスタグラムでの告知などデジタルをフル活用した販促進めた。なお、那覇店、南風原店のネットスーパーでも「フローズンフェア」を開催した。
冷食出展メーカーはニチレイフーズ、マルハニチロ、日本水産、トロナジャパン、ハインツ日本、日清食品冷凍、かねます食品、日清製粉ウェルナ、ニップン、日本ハム冷凍食品、味の素冷凍食品、明治、テーブルマーク、キンレイ、イートアンド、八ちゃん堂、ケイエス冷凍食品、ファンケル、東洋水産、極洋。