冷凍食品新聞社 発行日(週刊・毎週月曜日)購読料1年33,600円(+税)昭和44年6月19日第三種郵便物認可

今週のヘッドライン|2022年6月第4週号

PBの価格凍結を延長、5000品の価格据え置き ―― イオン

<トップバリュ>の冷凍食品も対象に
<トップバリュ>の冷凍食品も対象に
森トップバリュ副社長
森トップバリュ副社長

 イオンが6月末を期限に実施してきたPBの価格凍結を延長する。これまで売価を据え置いてきた商品のうち、マヨネーズや即席麺など3品を除く約5000品の売価を維持する。<トップバリュ>ブランドのすべての冷凍食品も対象になる。エネルギーコストや原材料費を含む製造コストの上昇は各種の企業努力で吸収する。21日に千葉県千葉市のイオンスタイル新幕張店で開いた会見で明らかにした。

 PBの価格凍結は昨年9月から実施しており、延長は今回で2回目。価格を維持する期間は単品ごとに判断するが、「数カ月間は価格を据え置く」(和田浩二イオントップバリュマーケティング本部本部長)。価格凍結の実施以降、対象となったPBの売上が全体で2桁、NBとの価格差が大きいカテゴリーでは7割程度上向く効果が生まれている。
 製造コストの増加分は、①計画生産②全量買い取り③流通の中間コストの削減④営業費・広告の削減─など<トップバリュ>ブランドを製造する際のメリットと各種の企業努力で補う。
 会見でコスト削減の成功事例として例示された冷凍パスタでは、イオンが自社製品として販売している乾麺パスタの生産工場からメーカーに原料を直接提供することでメーカー側の原料仕入れや物流に掛かる中間コストを削減できているという。
 森常之トップバリュ取締役副社長は「サプライチェーン全体のご協力も頂いて、これまで価格を凍結してきた対象商品のほぼ全品の価格を据え置くことができた。商品の値上げが続くこういう時期だからこそ、様々なコスト削減策が打てるPB商品の強みを活かしてお客様の生活を応援し、自社商品の魅力をしっかりと伝えていきたい」としている。(詳細を本紙に掲載)

フローズンフェア開催 ―― イオン琉球

コロナ禍で売り方に工夫
コロナ禍で売り方に工夫

 イオン琉球は5月27日~6月22日まで、イオンスタイルライカム、イオン南風原店、イオン那覇店の3店舗で冷凍食品・アイスの販売イベント「フローズンフェア」を開催した。
 コロナ禍で20年秋より、試食・対面販売をなくし、フェア期間を延長して実施する同フェア。会場ではリモートマネキンを導入して商品の魅力を訴えた。
 また、今回は最終週のみマックスバリュ宮古西里店(沖縄県宮古島市)を加え、初の離島開催も実現した。

供給実績反動減も19年比は増 ―― 日本生活協同組合連合会

土屋会長
土屋会長

 日本生活協同組合連合会は17日、東京・高輪の品川プリンスホテルで会見を開き、2021年度の事業実績、22年度の取組などについて説明した。
 全国生協の2021年の総事業高は3兆8056億円(前年比99.8%)で推移した。地域生協の総供給高は3兆922億円(同98.9%)だった。うち宅配事業は2兆1148億円(同99.2%)、店舗事業は9273億円(同97.7%)となった。宅配事業のうち個配は1兆5815億円(同100.2%)だった。宅配、店舗共に前年を下回った。なお、19年比では共に伸長しており、特に宅配の伸び率は2桁を超えている。総組合員数は3027万人(同101.0%)で堅調に伸びている。
 事業別の実績を見るとコープ商品事業の供給高は3383億円(同98.4%)となった。19年比では110.3%と大幅に伸長している。特に、冷凍食品、菓子飲料などが好調だった。
 22年度は、環境変化に対応して足下を固める期間と見なし、①人生100年時代に対応する事業構築②値域ネットワークの一翼としての役割発揮③未来を切り拓く組織づくり④コロナ後の世界に向けた準備─などに取り組む。
 藤井喜継専務は今後の価格戦略の方向性について、「これまでの取組で冷凍の焼鳥の包材を縮小することで包材費と物流費を圧縮したり、冷凍餃子の調達で地域生協などと連携してスケールメリットを生むことで価格を値引いたりできたという成功事例も生まれている。今後も無駄なコストを削減しながら商品価格を据え置く、あるいは値上げ幅を小さくすることに取り組む」としている。
 土屋敏雄代表理事会長は、「物価高やロシアのウクライナ侵攻などで社会的に弱い立場の方々の生活も影響を受けている。足下ではSDGsの実現も重要視されるようになった。生協として今年度も山積する課題に向き合い、組合員と共に解決に取り組む」と挨拶した。

『焼おにぎり』を利用、初のアップサイクル商品 除菌ウエットティッシュ ―― ニチレイフーズ

規格外品を利用
規格外品を利用

 ニチレイフーズは16日、工場から出る食品残渣をアップサイクルした付加価値型の商品『「焼おにぎり」除菌ウエットティッシュ』を発表した。17日~19日の3日間、千葉市の袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コースで開催された「ニチレイレディス」で、期間計1万個を配布した。アップサイクル商品の発表は初めて。
 同品は、ファーメンステーションと協業、「焼おにぎり10個入」の規格外ごはんを除菌ウエットティッシュへ生まれ変わらせた。「焼おにぎり10個入」の生産に際して、ライン上からこぼれてしまうごはんや、形が崩れた規格外のおにぎりが発生する。これらの「規格外ごはん」をファーメンステーション社による発酵・蒸留を経て生み出された「規格外ごはん」由来のエタノールを使用し、除菌ウエットティッシュへとアップサイクルした。

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