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今週のヘッドライン|2022年5月第4週号

業務用のPR活動強化 ―― (一社)日本冷凍食品協会

大櫛会長
大櫛会長

 (一社)日本冷凍食品協会は18日、東京・丸の内の東京會舘で「令和4年度通常総会」を開催した。今年度の広報事業では、業務用の需要回復に向けてPR活動を強化する。訴求対象に適したメディアを幅広く活用し、特にWEB、SNSの比重を高める。訴求対象はシニア、単身世帯を主体とするほか、子育て世代などのユーザー層にも対応、業務用では従来の学給、医療・介護関係に加え一般外食、産給関係などにも対応する。家庭用では新たに協会制作の店頭用POPを制作、店頭での需要喚起を促す。

 開会に当り挨拶した大櫛顕也会長は、「国内の食品企業は、エネルギーや原料の価格高騰に苦慮しており、コストプッシュインフレの圧力が高まっている。このため製品価格の引き上げが進みつつあるが、コスト上昇分の転嫁には至っていない。食品企業として再生産可能な価格の形成に尽力することが重要だ」とした。
 冷凍食品の状況については、「令和2年度に大幅に減少した業務用はやや持ち直したが、まだまだ十分な回復までには至っていない。一方、家庭用は令和3年度も堅調に推移し、冷凍食品全体の生産量は前年を2.9%上回った」と述べた。
 令和4年度の事業計画では広報事業では、厳しい経営環境にある業務用の需要回復に向けてPR活動を強化する。訴求対象に適したメディアを幅広く活用し、特にWEB、SNSの比重を高める。訴求対象では、シニアや単身世帯を主体とするほか、子育て世代などのユーザー層にも対応する。さらに業務用として従来の学校給食、医療・介護関係に加え、一般外食、産業給食関係などにも対応する。
 PRイベントでは、「冷凍食品の日PR」イベントは、10月17日(仮)に都内で開催するほか、10月に農林水産省「消費者の部屋」特別展示も計画する。メディア展開では、協会HP、冷食ONLINEのほか、特定の業務用ユーザーや若年層などそれぞれ関心の高いWEB、SNSを活用する。またWEBメディア等で放映する訴求対象別の動画広告を制作する。
 役員改選では全員が留任したが理事のうち、三菱重工冷熱は多田俊樹氏から内田晴久氏へ、ニップンは宮田精久氏から大内淳雄氏へ、味の素冷凍食品は黒崎正吉氏から寺本博之氏(味の素)へ、明治は松田克也氏から童子秀己氏へそれぞれ交代した。(詳細を本紙に掲載)

営業利益が5割増 ―― 日本水産・3月期

 日本水産は12日、22年3月期決算を発表した。連結売上高6936億8200万円(前期比12.8%増)、営業利益270億7600万円(同50.4%増)、経常利益323億7200万円(同42.8%増)、当期純利益172億7500万円(同20.0%増)と増収増益となった。
 水産は国内養殖の改善に加え、リバウンド消費や堅調な魚価により増収増益、食品はコストアップの影響があるが引き続き海外が売上好調で増収増益となった。ファインケミカル事業も医薬原料、PCR検査薬の販売が拡大した。
 セグメント別の水産事業は売上高2877億円(同15.2%増)、営業利益127億円(同116.0%増)。養殖の回復に加え、需要・市況の改善もあり大幅な増収増益となった。
 食品事業は売上高3286億円(同9.1%増)、営業利益154億円(同9.9%増)。行動制限緩和で業務用が好転、チルドは生産体制の適正化で増益となった。欧米は家庭用・業務用とも市場が広がりコロナ以前の売上、利益を上回る。国内は販売好調も原材料価格上昇や為替影響などの減益となった。単体の食品事業の売上高は1388億円(同7.9%増)であり、冷凍食品関係では、家庭用調理冷食は368億円(同2.9%増)、業務用調理冷食439億円(同19.6%増)、農産冷食98億円(同6.2%増)といずれも増収となった。
 今期は売上高7200億円(同3.8%増)、営業利益225億円(同16.9%減)、経常利益255億円(同21.2%減)、当期純利益180億円(同4.2%増)を計画している。(詳細を本紙に掲載)

次世代物流システムを導入、24年問題対応の一環で ―― ニチレイロジグループ

出走式
出走式

 ニチレイロジグループは9日、川崎市の㈱ロジスティクス・ネットワーク東扇島物流センターで、新・輸配送システム「SULS(サルス)」の出走式を開催した。
 同システムは、同社グループの拠点間輸送で荷台部分の切り離しが可能なトレーラーを活用し、荷積み・荷下ろし等の作業をドライバーではなく、グループの拠点で行うことによりトータルの運行時間を大幅に短縮し、効率的で持続可能な輸送基盤を構築するもの。併せて国内最大級のパレット24枚積みの大型トレーラーをグループで保有し、中継拠点に常に荷積みされた状態のトレーラーを用意しておくことで、車両到着後すぐに次の目的地への運行に移ることができるため、輸送能力を大幅な拡大にもつなげる。同システムでは、ドライバーは運転に専念でき、拠点では荷役作業が増えるが、拠点の都合で計画的に行えることからトータルコストは低減できるとしている。
 出走式で挨拶した梅澤一彦社長は、「現在の国内の物流業界の最大の課題はトラックドライバー2024問題への対応だ。当社グループはお客のサプライチェーンを支え続ける国内ナンバーワンの食品低温物流事業者として強みを最大限生かしながら、大きな課題に円滑に対応し、持続可能な低温物流サービスを提供するためにこの度輸配送システムの革新に着手した」とした。

21年度売上6.7%増、回復傾向の中食や学給牽引 ―― ヤヨイサンフーズ・3月期

大西社長
大西社長

 ヤヨイサンフーズの大西宏昭社長は17日、オンラインで会見を行い、21年度業績および今後の方針について以下の通り語った。
 21年度総売上高は前年比106.7%の374億5000万円、営業利益は前年度の赤字より回復し3億2000万円という結果で終わった。
 市場別では中食市場の売上はコロナ禍より徐々に回復基調にあり、前年比107.1%となった。量販惣菜売場におけるパック売りを中心としたクリームコロッケ、メンチカツ等の導入増加やコンビニエンスルートの市販冷凍食品売場への導入増加が寄与している。
 給食市場では学校給食は新型コロナウイルス感染症対策による影響はあるものの、前年比109.5%、施設・病院・給食はソフリを中心に売上を維持し、前年比101.5%だった。
 外食市場は感染症対策に伴う飲食店等の休業要請は解除されたが、コロナ禍以前の売上まで回復せず、前年比103.5%という結果になった。
 商品カテゴリー別前年比はハンバーグが112%、メンチカツが114.2%、グラタンが106.9%、クリームコロッケが113.1%、煮魚・焼き魚が110.3%、餃子が132.2%と好調に推移した。
 2022年度は総売上高383億円、営業利益4億円を予算とし取り組んでいく。
 なお、2022年度の進捗は4月の売上が前年比105.5%。前年を上回る結果となり、特にクリームコロッケ、ハムカツ、ハンバーグ、餃子、煮魚焼き魚が2桁増と好調、その他、ポテトコロッケ、デザート類も前年を上回った。市場別では、中食市場は定番商品を中心に好調に推移している他、外食市場も回復傾向にあると考えている。給食市場についても施設・病院給食、学校給食ともに堅調に推移している。(詳細を本紙に掲載)

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