冷凍食品新聞社 発行日(週刊・毎週月曜日)購読料1年33,600円(+税)昭和44年6月19日第三種郵便物認可

今週のヘッドライン|2022年5月第3週号

売上6000億円超、過去最高に ―― ニチレイ・3月期

大櫛社長
大櫛社長

 ニチレイは10日、22年3月期業績を発表した。連結売上高6026億9600万円(前期比5.2%増)、営業利益314億1000万円(同4.7%減)、経常利益316億6700万円(同5.6%減)、当期純利益233億8200万円(同10.2%増)。売上高、純利益は過去最高となった。セグメント別では加工食品の売上高2442億3600万円(同8.3%増)、営業利益142億4400万円(同17.0%減)。低温物流同2245億4700万円(同5.8%増)、同146億2600万円(同11.8%増)。

 加工食品のカテゴリー別売上高は、家庭用763億2300万円(同9.1%増)、業務用調理品926億4400万円(同6.6%増)、農産加工品199億6900万円(同1.0%増)、海外408億3400万円(17.2%増)。
 加工食品事業は、業界全体がライフスタイルの変化により、内食、中食需要が好調に推移、その中、チキン加工品や米飯類など主要カテゴリーの商品開発・販促に注力、家庭用、業務用ともに販売が拡大、海外子会社の売上も寄与し増収となった。一方、営業利益に関しては、供給体制の整備や生産体制の改善に努めるも、新型コロナ禍に起因する労働力不足でタイの生産拠点での稼働低下、原材料、仕入れコストの大幅上昇により減益となった。
 家庭用調理品は、販促活動や生産能力の増強により発売20周年を迎えた「本格炒め炒飯」を中心に販売量を伸ばした。また「たいめいけんサイコロステーキピラフ」や「今川焼」の販売も好調。業務用調理品は、主力のチキン加工品や食肉加工品が好調に推移。省人化など業態別のニーズに対応した新商品や「シェフズ・スペシャリテ」シリーズも拡大。農産加工品は、調理の時短ニーズに適した商品開発を続け、「そのまま使えるシリーズ」の取り扱いが伸長も枝豆類が低迷し前年並みで着地。
 23年3月期連結予想は、売上高6180億円(同2.5%増)、営業利益315億円(同0.3%増)、経常利益319億円(同0.7%増)、当期純利益212億円(同9.3%減)を見込む。為替(ドル円)は122円を想定。
 大櫛顕也社長は24年までの冷凍食品の進捗見通しに関して「家庭用は大きく伸長している。今後も需要拡大は続くとみている。ただしチキン、米飯をはじめ現況供給体制はタイトな状況。設備投資も含め生産拡大するが、原材料の調達も含め、確実に確保できることを前提に組み立てていきたい」とした。(詳細を本紙に掲載)

中計22―24発進、24年6600億円へ ―― ニチレイ

 ニチレイは22年度から24年度までの3年間を対象とするグループ中期経営計画「CompassRose2024」を策定、10日発表した。
 同計画では、基本方針として同社の「サステナビリティ基本方針」に基づく事業活動を通じて、社会的価値と経済的価値の向上を目指すことを掲げ、投下資本利益率(ROIC)に基づく事業ポートフォリオマネジメントを導入するとともに、成長分野への設備投資、海外事業拡大、新規事業、デジタル活用による業務革新などに経営資源を優先的に配分。また、社会課題を解決する新たな価値の創造や持続可能な調達、気候変動への取り組みなどのグループ重要事項の目標達成に注力しつつ、ESGへの取り組みを強化する。24年度グループ連結目標数値は売上高6600億円、(その内海外売上高1300億円)、営業利益370億円、純利益245億円、EBITDA 650億円、ROIC7%以上に設定。3カ年の設備投資額1200億円。
 セグメント別では、加工食品売上高2750億円、水産産同440億円、畜産同950億円、低温物流同2600億円。

増収、過去最高益を更新 ―― マルハニチロ・3月期

 マルハニチロは9日、2022年3月期決算を発表した。
 連結売上高8667億200万円(前期比7.1%増)、営業利益238億1900万円(同47.3%増)、経常利益275億9600万円(同52.5%増)、当期純利益168億9800万円(同193.7%減)となった。増収、増益となり、最終利益が統合以来最高益を更新した。
 ユニット別では、家庭用加工食品を除く全てのユニットが増収となった。営業利益は、養殖、水産商事、荷受、海外、業務用食品、畜産が増益、漁業、家庭用冷凍食品、家庭用加工食品、化成が減益となった。
 冷凍食品では、家庭用冷凍食品ユニットは売上高529億円(同17億円増)、営業利益15億円(同5億円減)だった。内食需要の継続などにより米飯、麺、中華などが好調だったものの、各種事業コストの増加が響いて減益となった。業務用食品ユニットは売上高1207億円(同98億円増)、営業利益21億円(同10億円増)の増収増益だった。コロナの影響が長引いているものの、量販店惣菜などが好調に推移して増収増益に。
 マルハニチロ単体の市販用冷凍食品は売上高527億円(同18億円増)、営業利益14億円(同5億円減)だった。業務用食品は売上高603億円(同27億円増)、営業利益8億円(前年比2億円増)だった。
 なお、冷凍食品の販売実績の詳細を見ると、家庭用冷凍食品全体の売上が前年比4%増で推移した。部門別では、弁当前年比1%増、麺類横ばい、米飯同5%増、中華同7%増、惣菜同58%増、グラタン同18%増、ピッツァ同4%増だった。第1Qは弁当類の伸びが牽引し、第2Q以降は米飯、麺、スナックなどの主食やおかず類がよく動いた。農産品は103%となり、前年の伸びを維持した。(詳細を本紙に掲載)

 ◎ヤヨイサンフーズは営業利益ベースで黒転
 ヤヨイサンフーズの売上高は344億円(同22億円増)、営業利益3億円(同7億円増)となった。営業利益ベースで黒字に転換している。

減収も利益は増、低温も増益を確保 ―― 三菱食品・3月期

 三菱食品は9日、2022年3月期決算を発表した。連結売上高1兆9556億100万円、営業利益190億3600万円(同21.9%増)、経常利益203億7100万円(同20.5%増)、当期純利益139億4900万円(同25.9%増)となった。
 売上高は収益認識基準適用により前期との比較はないものの、21年3月期を収益基準に組み替えた値との比較では238億円の減収。一部業態で回復基調が見られたものの、前年の家庭内食品需要の反動減や取引の見直しなどによるもの。利益は物流コストを含む販管費の減少などで増益となった。
 セグメント別の低温食品は売上高5422億円(同2.3%減)、営業利益92億円(同27.2%増)となった。
 業務用中心に一部回復基調もあるが取引見直しもあり減収、利益は採算向上、販管費改善効果もあり増益となった。
 なお、品種別の冷凍・チルド類は売上高4520億2300万円(同8.7%減)だった。
 同日会見した京谷裕社長は、「売上減収の中で収益は増益となったことは評価できる。ここ数年の低収益の踊り場から脱却し、新たな成長軌道に乗ったと言える」とした。(詳細を本紙に掲載)

テーブルマーク、一品香食品の新建屋稼働中

一品香食品の新建屋稼働中

 テーブルマークは6日、製造グループ会社の一品香食品㈱(福岡県久山町、安永勝社長)の新建屋が完成し、4月28日より稼働したと発表した。
 一品香食品はテーブルマークグループの冷凍うどん・餃子製造工場として1968年より冷凍食品を製造しており、近年は需要が高まっている玉麺商品も製造している。主な生産品目は「細うどん」「九州めぐりごぼう天うどん(地域限定)」。
 新建屋には旧建屋及び同社国内工場からのライン移設を実施した。また環境対策では、製品の冷凍及び保管する設備には、自然冷媒を使用した冷凍機を導入した。

【一品香食品概要】▽所在地=福岡県糟屋郡久山町大字久原字野添3776番地の14▽敷地面積1万8223㎡(一品香食品㈱全体)▽建築面積3709㎡(第1工場のみ)▽延床面積4709㎡(第1工場のみ)▽製造品目=冷凍うどん、冷凍餃子▽従業員数249名(22年1月現在)▽認証取得 ISO14001/FSSC22000

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階