供給高が過去最高更新 ―― 21年冷食実績・日本生活協同組合連合会
きらきらステップに新商品
日本生活協同組合連合会は12日、オンライン上で開いた会見で2021年度の冷凍食品の供給実績を発表した。冷凍食品の総供給額が584億2000万円(前年度比100.2%)となり、過去最高額を更新した。カテゴリー別では、構成比が最も高い調理冷凍食品が103.6%(19年比116.4%)、冷凍野菜が93.1%(同114.7%)、畜産が97.1%(同108.7%)で推移した。調理冷凍食品の伸びが顕著だった。20年に大きく伸長した日本生協連の冷凍食品が好調を維持している。
部門別の実績を見ると調理冷凍食品は麺類、米飯などの主食系が特に好調だった。冷凍野菜はコロナ禍で特に伸長した20年の反動減があったものの、19年比では2桁増となっている。畜産は、主力の焼き鳥が製造を停止した影響を受けた。
また、調理冷凍食品の中分類の売上の実績を見ると、乳幼児用冷凍食品〈きらきらステップ〉の伸長率が前年比125.5%と最も高く、食事セット同118.8%、冷凍中華総菜同110.4%、冷凍米飯同105.4%、冷凍丼の具同104.4%、スナック同103.9%、冷凍麺類同102.0%、冷凍洋風惣菜同前年並み、冷凍和風惣菜同99.6%、冷凍ハンバーグ・ミートボール同97.9%、冷凍フライ同94.5%が続いている。〈きらきらステップ〉、食事セットの伸長が際立って高かった。
会見に登壇した長門哲也第一商品本部冷凍食品部部長は、近年の冷凍食品の進捗を振り返って「生協の冷凍食品は、11年以降右肩上がりに売上を伸ばし、20年には巣ごもりで供給高が大幅に伸長した。21年の売上は2005年比154%を記録し、生協の商品の中でも最も伸びている」としている。
22年度は、包装のデザイン、表示のブラッシュアップなどによる「核商品づくり」、商品設計の見直しなどによる「コスト改善の取組」、おいしさの向上、健康軸の訴求などによる「価値訴求型商品の追求」、供給体制の強化などによる「安定供給への取組」、組合員や取引先とのとのコミュニケーション強化による「組合員やお取引先から選ばれるコープ商品づくり」に注力する。新商品は、「レンジでそのまま北海道枝豆夏風香」(200g、4月1日)、「3種のチーズがとろ~りとうふハンバーグ」(360g、2月1日)を発売しており、6月1日には人気の〈フローズンヨーグルト〉シリーズに「国産白桃」を追加する。
●きらきらステップの供給高、発売当初の4倍強に
乳幼児用冷凍食品〈きらきらステップ〉シリーズは、発売5周年を記念してファンミーティングの開催、PRマンガの作成など様々な記念イベントを実施する。7月1日には「4種国産野菜と国産若鶏を使った肉だんご(鶏レバー入り)」を発売してラインアップを拡充する。(詳細を本紙に掲載)
常務理事に高橋氏、幹事に本多氏 ―― (公社)学校給食物資開発流通研究協会
高橋常務理事
古川会長
本多監事
(公社)学校給食物資開発流通研究協会(古川裕志会長)は7日、「令和4年度社員総会」を開催した。令和4年2月現在の会員数は141社、委任状出席は61社、リアル出席は54社の計115社だった。
冒頭挨拶に立った古川会長は、「年明けよりオミクロン株が猛威を振るいだし感染者数も爆発している中で、2月に入り1社1人の制限付きでご案内をしたところ、このように北海道から九州まで会員の皆様にお集まりいただいた。お陰様で、昨年の推奨品の普及実績は9900万食を超え、大台の1億食に迫っている。これら推奨品と組み合わせた地域性や季節性の豊かな献立のご提案を全国の会員と連携して継続していく」と述べた。
続いて会員表彰が行われ、流通会員77社、生産会員9社を表彰した。「学流協の推奨品」普及100万食超の会員は33社(前年26社)と大幅に伸びた。
総会では1号議案、2号議案を事務局原案通り承認。役員退任に伴う改選では、新常務理事に高橋敏博味の素冷凍食品常務執行役員、新監事に本多昭亘美濃忠社長が選任された。
来賓挨拶は三木忠一文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課課長。会員研修の講演は、鈴木徹東京海洋大学特任教授による「冷凍食品の優位性 安心・安全の科学」。(詳細を本紙に掲載)
「ナッシュ」に出資、新たな価値提供も期待 ―― マルハニチロ
幅広い支持集める
マルハニチロは11日、ナッシュ㈱(大阪市、田中智也社長)に対し、1月7日付で出資したと発表した。出資額は2億6600万円。
ナッシュは「社会全体を健康に」という企業理念のもと、専属シェフ監修による手軽でおいしく、健康的な食事を自社製造し、インターネットを中心に販売している。糖質・塩分を徹底管理した冷凍弁当のサブスクリプションサービスを展開しており、生活習慣病の予防・改善をめざす人、負担の少ないダイエットを目的とする人、調理に時間をかけられない人など幅広い層から支持されている。
近年巣ごもり需要とも相まって大きな飛躍を遂げており、今後、サービス内容のより一層の向上や、対象顧客層を広げることで、さらなる需要拡大が見込まれている。
マルハニチロでは2020年から水産物を皮切りに、畜肉、農産品などナッシュの企業理念・コンセプトに合致する食材提供を通じて協業を進めてきた。
今回の出資により、食材供給面での一層の関係強化はもとより、両社の強みを融合することにより、さらなるサービス向上や新たな価値提供の可能性が広がることが期待できるとしている。
完全グルテンフリー化宣言、子会社冷凍食品工場で ―― ケンミン
冷凍グルテンフリー焼きそば
ケンミン食品は12日、静岡県藤枝市の子会社工場であるフジケンミンフーズを完全グルテンフリー化したことを発表した。
同工場で、小麦由来の原料を一切使用せず、他原料や完成製品に対しても小麦アレルゲン検査を実施し、商標表記10ppm未満、出荷基準1ppm未満で管理する。
製品は冷凍調理めん類で、電子レンジ加熱のみで食べることができる冷凍焼ビーフンをはじめ、冷凍グルテンフリーラーメン、冷凍グルテンフリー焼そばなどを開発・展開していく。
創業72年で米めん市場シェア1位の企業として培ってきた米めん製造技術を活用し、近年国内だけでなく世界で増えている小麦アレルギーやセリアック病といったグルテン不耐症の疾患のある消費者が安心して食べられる食品を提供していく。
冷凍品のラインアップはライスラーメンを使用した、「グルテンフリー焼きそば」(200g)と「グルテンフリーラーメン」(511g)。発売は6月から。