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今週のヘッドライン|2022年4月第2週号

17億8千万食、11.1%減、市販用うどんのマイナス響く ―― (一社)日本冷凍めん協会・21年生産食数

 (一社)日本冷凍めん協会(吉岡清史会長)は6日、冷凍めんの2021年1~12月生産食数調査結果を発表、市販用と業務用を併せた年間生産食数は17億8669万食で前年比88.9%となった。市販用、業務用ともにマイナスだった。市販用は昨年大きく数字を伸ばしたが、ボリュームゾーンであるうどんの落ち込みが響いた。ただし市販用はうどん・その他以外の品群はいずれも伸長、昨年に引き続き業務用を上回る生産食数となった。同調査は冷凍めんを製造している国内企業40社を対象に行われた。

市販パスタや中華麺は成長継続

 市販用、業務用の生産食数は市販用が9億7739万食(前年11億2594万食)、業務用が8億930万食(同8億8349万食)とともに減少した。コロナ禍における業務用市場の状況は20年に比べ一層厳しい結果となった。市販用は内食化の後押しがあったものの、「冬場の気温が高く、鍋物などでの使用が減ったうどんの減少が響いたものと見られる」(同協会那須保信専務理事)。
 品群別では「うどん」が10億9086万食で前年比87.3%となった。業務用は97.3%、市販用は81.5%で、市販用の落ち込みが目立つ結果となった。また、加工区分別でも「素材めん」の食数が昨年より大幅に減少している。
 次いで数量の多い「中華めん」は2億9154万食で同95.7%となった。業務用は91.0%、市販用は102.8%。
 販売区分・加工区分別にそれぞれ見ると「市販用」「セットめん・調理めん」の食数が2年連続で増加している。一方で「業務用」「素材めん」の食数は2年連続で減少している。
 「日本そば」は1億7848万食で同81.1%となった。業務用は71.1%、市販用は106.8%。業務用の食数が大幅に減少、加工区分別でも「素材めん」の食数が大幅に減少している。
 「パスタ」は1億8550万食で同103.6%となった。業務用は106.9%、市販用は102.3%。販売区分別、加工区分別にそれぞれ見ると、「市販用」「セットめん・調理めん」の食数が2年連続で増加、また「業務用」「素材めん」の食数も昨年よりわずかに増加している。(詳細を本紙に掲載)

2021年冷凍めん年間生産食数
2021年冷凍めん年間生産食数

売上9600億以上計画 ―― マルハニチロ・新中計

 マルハニチロは、4月1日より新中期経営計画「海といのちの未来をつくるMNV2024」(2022年度~2024年度)をスタートした。
 同中計の、定量目標では、2024年度に売上高9600億円以上、営業利益270億円以上、EBITDA465億円以上、ROIC4.3%以上、ROE9%以上をそれぞれ計画する。また、経済価値(MNV)95億円以上とする。同指標は経済活動の成果に伴う経済付加価値額、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の差に投下資本を乗じ算出し可視化したもの。
 経営戦略では、グループ全体での海外市場への展開拡大と冷凍食品・介護食品、ファインケミカル、ペットフードの成長ドライバー領域の強化に向けた戦略投資を推進する。同領域へ最大500億円規模の戦略投資枠を設定する。
 冷凍食品・介護食品では、研究開発力、技術力強化と商品ラインナップの拡充や北米市場への本格参入に向けた取組みの着手、ベトナム市場向け冷凍食品の開発、販売を強化する。
 セグメント別の加工食品セグメントは、冷凍食品の大型商品開発及び生産拠点再編により収益向上、グローバル市場への加工食品販売の展開、ファインケミカル事業の拡大を行い、2024年度に売上高1119億円、営業利益59億円を目指す。食材流通セグメントは、顧客起点の販売強化と水産加工機能の強化、介護食事業の国内外での規模拡大などによる収益改善を図ることで、売上高2897億円、営業利益47億円を目指す。

冷凍食品は惣菜強化 ―― ファミリーマート・上期商品戦略

トップシール中華惣菜
トップシール中華惣菜

 ファミリーマートはこのほど、2022年度上期新商品発表会を開催した。
 冷凍食品関連では、惣菜を強化する。惣菜は13年比の売上が5倍に伸長している冷凍食品カテゴリーの中でも売上の伸びが特に著しい。伸長率は2021年11月に103%、12月に前年比110%、今年1月に同109%、2月に同122%と高く、麺、米飯、素材などを抑えて直近で最も好調な部門となっている。同社ではコロナ禍でこの部門の潜在需要が高まっており、品揃えの強化が店内の同時購入の増加に繋がると見ている。
 今回は冷凍食品の新商品として中華惣菜計4品を発表した。〈ファミマルキッチン〉から発売する「5種の彩り野菜若鶏と野菜の黒酢あん」(同398円)、「オイスターソースの旨みチンジャオロース」(同)、「鶏ガラと生姜を加えた特製たれのレバニラ」(同388円)はすべてトレー入りで、トップシールに店内の業務用電子レンジでも調理できることを記載した。〈ファミマルキッチンプレミム〉から発売する「肉の旨み味わう黒豚大餃子」(税別328円)は電子レンジで簡単に調理できる。いずれも4月中の発売。(詳細を本紙に掲載)

新社長に白潟副社長 ―― キンレイ

 キンレイは1日、代表取締役社長に白潟昌彦取締役副社長の就任を内定した。6月24日の開催予定の第9期定時株主総会およびその後の取締役会で決定する。
 また同日付で和田博行代表取締役社長は代表取締役副会長に就任することも内定した。

 白潟昌彦(しらかた・まさひこ)氏は1962年4月生まれ、60歳。1986年4月大倉酒造(現、月桂冠)入社、2012年4月製造本部技術部長、2014年5月キンレイ出向(常務取締役生産本部長)、2020年4月同社常務取締役商品本部長、2021年6月同社入社、取締役副社長兼商品本部長、2022年4月取締役副社長〔現任〕。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
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