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今週のヘッドライン|2022年3月第4週号

米飯工場再編へ、千葉工場に集約化 採算性と資産効率向上へ ―― 味の素冷凍食品

現・千葉工場
現・千葉工場

 味の素冷凍食品は18日、2023年3月を目途に、冷凍米飯の自社工場を千葉工場(千葉市美浜区)に集約し、大阪工場(大阪市大正区)での生産活動を終了することを発表した。冷凍米飯専用工場である千葉工場へ19億円の設備投資を行い、低炭素型炊飯ラインを導入、エネルギー効率を高めるとともにきめ細やかな炊飯管理を可能にしていき、生産性の大幅アップ、環境対応、高品質独自製品への対応を強化する。また、大阪工場の生産を終了し、資産の効率化、バリューチェーンの強化を図っていく。

 味の素グループは、2020―2025中期経営計画の中で、高い提供価値を持つ製品の拡大とオーガニック成長、それに対応した構造改革による事業構造強化を推進している。また、食と健康に関わる課題解決に経営資源を集中し、健康を軸とした生活者への提供価値向上を目指している。
 今回の工場再編はその方針に基づき行うもの。同社では「コモディティ化・低価格化が進む冷凍米飯領域において、ブランド力や味の素グループの技術による独自価値を持つ『ザ★チャーハン』並びにおいしく減塩を実現する健康栄養製品などへの集中をさらに進めるために生産体制の再編を行い、冷凍米飯専用工場である千葉工場へ19億円の設備投資を行い、低炭素型炊飯ラインを導入、エネルギー効率を高めると共にきめ細やかな炊飯管理を可能とする」としている。
 これにより生産性の大幅アップ、環境対応、高品質の独自価値製品への対応力向上を進め、年間約7000t/のCO2排出の削減(2020年度国内工場総排出量の約12%に相当)を見込む。
 また、大阪工場の生産を2023年3月に終了、千葉工場に移管し、資産の効率化、バリューチェーンの強化を図る。

 【千葉工場の概要】▽千葉市美浜区新港230▽従業員約150名(22年2月末)▽家庭用、業務用冷凍米飯類▽操業開始1991年11月▽23年4月より生産能力を増強

久世と資本業務提携、筆頭株主に ―― 国分グループ本社

(左から)國分晃社長、國分勘兵衛会長、久世健吉会長、久世真也社長
(左から)國分晃社長、國分勘兵衛会長、久世健吉会長、久世真也社長

 国分グループ本社は18日、久世と資本業務提携に基本合意したと発表した。久世は第三者割当による新株発行及び自己株式処分を行い、国分グループ本社が19.99%を保有し筆頭株主となるほか、国分グループから役員を受け入れる。
 今回の提携で経営資源を相互活用し、中長期的なビジョンを共有しながら業界発展に貢献すると同時に、両社グループの独自性や強みをさらに成長させる事で企業価値の向上を図る。
 久世が保有する国内業務用卸売事業に関する機能・ノウハウ等の経営資源と国分グループが保有する物流・販売網等の経営資源を相互活用する。
 提携分野は①物流機能=国分グループが保有する倉庫インフラやノウハウの共同活用で物流サービス及び機能の最適化を図り物流コストの負担軽減に取組む。また配送インフラの共同活用を検討し、これにより配送効率の向上におけるCO2削減が実現可能となり、持続可能な環境への貢献を行っていく。
 ②情報システム=情報システムの相互利用でマーケティングデータを有効活用し、優位性のある市場へ向けた有効な投資効果を確保する。
 ③商品購買=商品の仕入れ・調達についての協業により、購買力と品揃えの強化を実現する。
 ④共通情報プラットフォーム=新たな共通の情報プラットフォームを検討・構築し、流通業界全体の更なる発展を目指し、業界各社との協調につなげていく。
 ⑤人材育成=人材交流を通じ、異なる経営環境での経験を積み重ねていくことが可能となることを活かし、両社グループのマネジメント強化や人材育成につなげる。
 また久世は22年3月期定時総会で国分が指名する取締役候補1名を含む取締役選任議案を株主総会に上程する。
 資本提携では、久世は発行新株式数及び処分自己株式数の合計92万4945株(発行済株式総数の19.99%、1株当り取得価額757円、取得価額約7億円)を国分に割り当てる。

米国家庭用冷食企業に出資 ―― マルハニチロ

 マルハニチロは23日、米国の食品企業でHappi Foodiブランドを展開するWaffleWaffle社(米国ニュージャージー州)に出資したと発表した。出資額、比率等は非公表。
 同社は2009年にベルギーワッフルの販売から操業、現在はオリジナルブランドである「Happi Foodi」の名称で、ボウルミール(丼メニュー)、ソテー野菜、ピザなど幅広いカテゴリーの商品を販売、北米の家庭用冷凍食品マーケットでユニークな事業展開を図っている。
 高品質で手頃な価格の冷凍食品の開発・販売を行っており、昨年は、米デジタルメディア企業「Brastool Sports社」との協業による「OneBite」を立ち上げるなど、時流を的確に捉えるマーケティング力、スピーディーな商品開発力、米国内での販路を備えた成長企業。
 マルハニチロは、海外市場での販売網の構築を今後の重要な成長戦略と位置付けるとともに加工食品の展開にあたり、食に関する現地の先端トレンドを捉えるマーケティング・企画・開発力及び販売網を有する現地パートナーとの資本・業務提携を基軸とする方針としており、今回の出資に至った。
 今後マルハニチロは同社への出資を通じて同社の持つマーケティング力・商品開発力・販路を活用し、米国における同社事業の拡大に向けて共に歩むとともに、同社との協業を通じて、世界中の人々に向けて新しい価値の創造、そしてより良い世界づくりに取組むことにより、世界中の人々においしいしあわせをお届けていくとしている。

プラントベースエッグの冷凍オムライス発売 ―― TWOとカゴメ

本格ふわとろオムライス
本格ふわとろオムライス

 プラントベースフードの(株)TWO(東京都渋谷区、東義和CEO)は9日、カゴメとの共同開発商品第一弾として、〈2foods〉ブランドの冷凍食品「プラントベースオムライス」を発表した。応援購入サービスMakuakeで限定2350セットを先行予約販売するほか、10日より、2foods都内6店舗でもメニュー展開する。2foods店舗での販売価格は、テイクアウト税込1188円・イートイン同1210円。販売チャネルは、カゴメの業務用流通や、スーパー、ECサイトを検討している。
 同商品は、両社で共同開発したプラントベースエッグ「EverEgg(エバーエッグ)」を使用した本格ふわとろオムライスで、エバーエッグの原料には、大豆ではなく、野菜(人参)と白いんげん豆を選定し、独自技術の野菜半熟化製法を用いて“ふわとろ食感”を実現した〔特許出願中〕。
 プラントベースチキンライス部分は、大豆ミートで弾力・繊維感・肉汁を出すことにこだわった。カゴメの独自素材である「野菜だし調味料」とウスターソースに大豆ミートを浸漬し、またスーパースイートコーンを併せて炊き込むことで、出汁の香るチキンライスを完成させた。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
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