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今週のヘッドライン|2022年1月第1週号

22年も冷凍食品市場は伸長―― 小売トップ2に聞く

イトーヨーカ堂 小笠原SMD
イトーヨーカ堂 小笠原SMD
イオンリテール 青木商品部長
イオンリテール 青木商品部長

 冷凍食品新聞社ではこのほどイオンリテール、イトーヨーカ堂の流通トップ2社を取材し、冷凍食品の販売状況、2022年市場の見通し、直近の取組、今後の戦略などについて話を聞いた。今年の冷凍食品市場については両社共に引き続き好調に推移するとみている。また、今後強化を図る商品としては夕食メニューと共に冷凍デザートを挙げており、従来の売筋よりも高単価で味わいに優れた商品の展開にも期待を寄せた。なお、イオン、イトーヨーカ堂では市場の変化を受けて従来の量販店市場の常識を覆す売場改革に取り組んで、共に成果を上げている。流通2大トップが先鞭をつけた改革は今後の冷凍食品売場を大きく変える事になりそうだ。

 イオンリテールの青木郁雄デイリーフーズ商品部長は、2022年の市場環境について、内食需要が継続し、市場が拡大すると見ている。商品の選定についてはアフターコロナの市場で落ち込みが少ない商品を見極める必要があるとした上で、家庭で楽しむ締めのラーメン、持ち帰りで経時劣化を起こしやすいピッツァ、イタリアン具付き麺などにもニーズがあると説明。今後は冷凍惣菜、冷凍デザートなどの強化にも取り組む方針を明らかにしている。
 また、冷凍食品業界に求めたいことについては、味わい・時短の追求、環境配慮の取組を進めてほしいとした上で、事業コストの高騰を吸収するための取組についても、安全安心や品質の低下を招かないことを大前提としてほしいと求めた。
 イトーヨーカ堂の小笠原優シニアマーチャンダイザーも22年の冷凍食品市場の先行きは明るいと語った。今後の商品戦略については、冷凍スイーツ、本格的なディナーなどの強化に取り組んでいく方針を明らかにした。
 また、今後の市場環境の見通しについて、消費者が冷凍食品に寄せる期待が高まっており、今後は競合が外食店やテイクアウト業態に移行していくと指摘した。冷凍食品業界に求めたいこととして、コロナ禍の影響で業界の進化が停滞しており、消費者の期待に応えられなくなれば市場の成長が滞りかねないとして、新機軸商品の展開、新たな設備・ラインへの投資、製造技術の革新などによって冷凍食品の品位を高める取組を積極的に進めて欲しいとしている。
【詳細を本紙に掲載】

新たな事業機会を創出 ―― ニチレイフーズ・竹永社長

ニチレイフーズ・竹永社長

 ニチレイフーズの竹永雅彦社長は年末会見の席上、下期から来期にかけての展望を次の通り語った。
 既存事業領域の強化、新たな事業機会の創出、社会課題の解決の3点で説明する。既存事業領域の強化に関しては、コロナ禍により生産稼働が著しく低下した基幹カテゴリーであるチキン加工品のタイの生産工場GFPTニチレイ及びスラポンニチレイフーズでは当初22年夏頃の生産平常化を見込んでいたが、様々な環境案件を整え、その時期を春に前倒しできる状況になりつつある。今後、オミクロン株の動向次第ではあるかチキンカテゴリーに於ける早期マーケット貢献に鋭意取り組む。
 国内で継続する旺盛な中食ニーズに対応するため生産能力の増強や品揃えの拡充を進める。冷凍野菜は今後健康を含め高い成長が期待される市場で有り、より一層の開発と販売の強化をすすめ、新たな顧客創造を促進する。
 新たな事業機会の創出では、当社は新たな顧客ニーズを捉えた価値創出により、マーケットを創造する。これからの食には、食の新常態を捉えつつ、高まるパーソナル需要を充足する個食、料理素材、健康といった3つの機能が求められる。これらの機能はあらゆる業態に対してシームレスな価値提供が可能であると考えられている。これら3つの機能の内、個食と料理素材では、単独世帯の増加や慢性的な人手不足を背景に食全体でニーズが拡大する。
 個食では栄養バランス、おいしさ即食性の三位一体を独自の価値として冷凍マーケットの拡大を図る。22年2月山形工場で新たな個食の生産が始まる。当社独自の価値を具現化した新たな提案に期待して欲しい。
 料理素材では、アッセンブルされたキット商品を拡充する。料理の余白を残す素材系商品は多彩なメニューへの汎用性が大きな価値だ。多用なパーツ素材の組み合わせは、出来立てと省力化を両立させ、あらゆる業態で高まるニーズに応えられる。順次商品の展開を進める。
 健康に関しては、国の方針である健康寿命の延伸に対して日々の食事から貢献を目指す。当社の強みであるおいしさの再現技術と長年培ってきた栄養素のコントロール技術を土台として、研究開発に裏打ちされた、新たな技術力を駆使し、おいしさと健康を両立する冷凍ならではの差別化技術の確立を目指す。チキン、米飯、冷凍野菜の主力品でも健康コンセプトの開発を加速させ冷凍食品のステータスを向上させる。

『冷凍食品年鑑』発刊 ―― 2022年版 業界人必携“白い年鑑“

2022年版 業界人必携“白い年鑑“

 冷凍食品新聞社は1月5日、業界唯一の『冷凍食品年鑑2022年版』(B5判・300頁)を発刊いたしました。
 “白い表紙の年鑑”として皆様にご愛顧いただき、回を重ねること創刊第51巻目となりました。
 2022年版巻頭コーナーでは、冷食業界の各種指標、売上ランキング等をまとめたほか、21年の業界をコンパクトに振り返る「業界日誌」を収載しています。また「総説篇」では、激しいライフスタイルの変化迎えて、これに伴う冷凍食品の消費変化、事業構造の変化を様々な角度から分析。生産、流通、マーケットごとに詳細に解説しております。
 「企業篇」では、メーカー・問屋・輸入商社・関連企業の最新データを網羅いたしました。
 定価1万8000円+税、送料実費。
 お申し込みは、電話 03-3359-9191、FAX 同9190。
 または、ホームページまで(http://www.reishoku.co.jp/)。

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