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今週のヘッドライン|2021年12月第1週号

新社長に髙宮氏 ―― キユーピー

長南社長(右)と髙宮次期社長
長南社長(右)と髙宮次期社長

 キユーピーは11月30日開催の取締役会で、代表取締役社長執行役員海外担当に髙宮満キユーピータマゴ代表取締役社長の就任を決議した。2022年2月25日付。長南収社長は相談役に就任する。髙宮次期社長に期待されるのは同社が培ってきた理念を大切にしつつ、新たなビジョンを実現していくこと。第10次中計がスタートし商品軸から市場軸へと事業構造の転換を進める中で、海外展開へのシフトをスピードを持って進めるとともに国内におけるブランド力強化、多様化するニーズへの対応を進めさらなる成長に繋げていく。

 同日、東京・渋谷の同社本社で行われた記者会見では、はじめに長南社長が退任の経緯について語り「社長の任期については2017年2月の就任当初から65歳になる5年をひとつの目安としていた。2021年度は第10次中計1年目として組織体制を商品を軸にした体制から市場を軸にした市場担当制へと転換し今後の成長の基盤づくりに取り組んできた。グループの成長を描くに当たり、新たなリーダーシップの下、ビジョンの実現を図っていく良いタイミングだと思い社長交代を決意した」とした。
 後任となる髙宮氏については、研究開発本部長やキユーピータマゴ社長など厳しい環境下での幅広い経験値に加え、①理念を大切にした経営ができ、グループを束ねる力や傾聴力があること②戦略の構築や理論的に分かりやすく説明する能力に長けていること③厳しい状況でも明るく粘り強く対応できることの3つを選定の理由として挙げた上で、「こうした強みを発揮し海外展開へのさらなるシフトをスピード感を持って進めるとともに国内の多様化するニーズに対応し健康寿命延伸に貢献するグループを実現してほしい」とした。
 髙宮次期社長は就任に当たり、「大切にしたいことは3つある。ひとつは明確なビジョンと行動力、2つ目は従業員の心理的安全性の確保と親和、3つ目は中長期的な視点を持ってお客様に価値をお届けすること。仲間と共にお客様に様々な価値を届け続ける企業集団を目指していく」とした。(詳細を本紙に掲載)

 髙宮満(たかみや・みつる)氏は1987年3月東京水産大学(現・東京海洋大学)大学院水産学研究科食品生産化学専攻修士課程修了、同年4月キユーピー入社、2012年7月研究開発本部長、2013年2月執行役員、2015年2月マーケティング本部長、2017年2月ファインケミカル事業担当、2019年2月上席執行役員、2020年2月キユーピータマゴ代表取締役社長で現職。1961年4月生まれ、60歳、東京都出身。

25年に冷食売上5倍へ ―― ローソン

竹増社長
竹増社長
4種のマカロン
4種のマカロン

 ローソンは11月24日に開催した商品戦略説明会の席上で、2025年までに冷凍食品の売上を20年度比で5倍に増やす方針を表明した。上期に約800店を切り替えた冷凍食品売場を約2倍に広げた新レイアウトを、下期に5000店に導入する。巣ごもり需要で20年度の冷食売上が約2倍(15年度比)に増えており、新レイアウトへの切り替えによって更に売上が約4割伸びたことから、売場の拡大と品揃えの強化によって売上を積み増せると見ている。消費期限が長く、ロスが生まれにくい冷凍食品の売上構成比を上げることで「ローソン型のロス削減」も実現させる。商品面では、既存カテゴリーの改良に加えて、①デザート②ベーカリー③冷凍弁当・容器付き麺④冷凍畜産・水産新たな商品群の開発を進める。店内喫食できる業務用電子レンジ対応商品も増やす。
 下期に強化する各カテゴリーは、①デザートは「4種のマカロン」(11月30日発売)「フォンダンショコラ」(12月7日発売予定)②ベーカリーは「ブランのクロワッサン」「同イングリッシュマフィン」(12月7日同)③冷凍弁当「6種の具材の中華丼」「激辛!麻婆豆腐丼」(1月25日同)、容器付き麺「淡麗醤油らぁ麺」「同白湯らぁ麺」(関東で先行発売後、12月よりエリアを拡大)、④畜産・水産は「鮮馬刺し赤身スライス」「真鯛お刺身」(1月よりエリア限定発売)など。
 竹増社長は今後の冷凍食品の戦略について「冷凍商品の売上は過去5年間で2倍に増えた。新たなカテゴリーの商品開発に積極的に取組みながら、売上を20年比で5倍に増やしたい」と説明した。(詳細を本紙に掲載)

値上げ発表相次ぐ ―― 冷凍食品メーカー

●味の素冷凍食品、タイ産鶏商材値上へ、家庭用・業務用で

 味の素冷凍食品は11月30日、タイで製造している鶏肉加工品の家庭用商品4品の出荷価格改定と1品の容量改定を2022年2月1日から、業務用商品40品の出荷価格改定を同3月1日から実施することを発表した。
 対象商品は家庭用の出荷価格改定品が「ザ®★から揚げ」「塩麹レモンから揚げ」「若鶏の備長炭焼き」「グリルチキン 黒胡椒」の4品、容量改定品(3月以降順次出荷切替)が「やわらか若鶏から揚げ ボリュームパック」の1品。
 業務用の出荷価格改定品は、唐揚げ、グリルチキンなどの鶏肉加工品40品。値上げ幅は家庭用約6~10%、業務用約6~8%。

●マルハニチロ、家庭用冷食の一部を価格改定

 マルハニチロは11月29日、家庭用冷凍食品の一部について2月1日納品分より価格改定を実施すると発表した。
 対象商品は家庭用冷凍食品の調理品と農産品。価格改定率は調理品約2~10%、農産品約5~23%。アイテム数は調理品65品、農産品34社の計99品。主な対象品は、「白身魚タルタルソース」、「牛カルビマヨネーズ」「ミラノ風ドリア2個入」などとなっている。

●極洋、冷食・常温650品値上げ

 極洋は11月26日、業務用食品・市販用食品の出荷価格改定を行うと発表した。
 対象商品は業務用冷凍食品約500品、市販用冷凍食品約50品、市販用常温食品約100品。実施時期は22年2月1日納品分より。なお、一部商品は22年1月1日より実施する。
 出荷価格の改定の内容は、業務用冷凍食品は現行の出荷価格から3~25%アップ、市販用冷凍食品は同3~15%アップ、市販用常温食品は同3~15%アップとなる。

●テーブルマーク、家・業冷食一部を値上げ

 テーブルマークは11月26日、家庭用及び業務用冷凍食品の一部出荷価格について、22年3月1日納品分より改定すると発表した。
 家庭用は、冷凍麺16品、お好み焼き5品、たこ焼き4品。改定内容は約5%~10%値上げする。業務用はデザート・米飯を除く全品群292品、改定内容は、2%~10%値上げする。

●シマダヤ、冷食・チルドを値上げ

 シマダヤは11月29日、22年3月1日納品分より家庭用商品および業務用商品の価格を改定を発表した。家庭用商品(チルド・冷凍)は出荷価格4%~14%、業務用商品(冷凍)同3%~8%の値上げとなる。
 主原料の小麦粉をはじめ、原料資材およびエネルギーコスト急騰のため。

2年半ぶりダイヤモンド ―― 三菱食品

生鮮に冷食をプラスした売場づくり
生鮮に冷食をプラスした売場づくり

 三菱食品は11月30日~12月2日、東京・平和島の東京流通センターで2年半ぶりとなる総合展示会「ダイヤモンドフェア2021」を開催した。テーマに「食で創造する、持続可能な社会」を掲げ、Withコロナ、アフターコロナを見据えた小売業の課題解決を提案した。
 低温食品の売場提案では、「+(プラス)フローズンでつくる未来予想図」をテーマに展開。市販用冷食売り場やアイス売り場を中心に発展拡大してきたフローズンに対し、生鮮3品(畜産・水産・農産)売り場にまでフローズンを拡げることで、生活者ニーズの「簡単」「便利」に応えながら、売場のムリ、ムダを減らしサステナブルな売場の実現を提案した。
 「畜産売り場+フローズン」では、素材品から加工品まで冷凍化していくことを想定し、バラ凍結の肉スライス、味付け済み商品から加工品などを紹介。「水産売場+フローズン」では、販売時間のチャンスロス、バックヤード人員の技術不足など売場の課題に対応する。
 凍魚や味付け済み、フラインパン調理などの水産フライなども紹介した。「農産売り場+フローズン」では、農産売り場に冷凍野菜を陳列で新たな生活者ニーズ・使用シーンの創出を提案した。(詳細を本紙に掲載)

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階