日中の連携更に強化、オンラインで日中安全会議 ―― 輸入冷凍野菜品質安全協議会
川崎会長
日中の会場をオンラインで繋いだ
輸入冷凍野菜品質安全協議会(凍菜協)と中国食品土畜進出口商会(土畜商会)は24日、東京・平和島の(一財)日本食品検査セミナー室で、日中安全会議を開催した。日中の会場をオンラインで繋いで約2年ぶりに開催した交流会で、日本側からは川﨑順司会長をはじめ凍菜協関係者17人が、中国側からは徐小虎副会長など25人が参加した。同会では、両国冷凍野菜の現状を伝える各種の講演も開催し、日中の出席者が活発な交流と情報交換を行った。
同会の開催に当たり挨拶した川﨑会長は、「コロナにより世界中がこれまでにない混乱した状態になり、一年半以上が経過した。コロナ自体はしっかり対応していくことで乗り越えていくことができると感じているが、それは市場の環境が元に戻ることと同義ではない。消費者の暮らしに様々な変化が起こっており、食の需給バランスや生活者の食に対する考え方にも変わってきた。コロナによって生まれた変化に対して凍菜協として何ができるかということを、中国の皆様のご協力を賜りながらしっかりと考え、行動していくことで、凍菜協自体も変化に対応していきたい。両国の信頼の下、これまで築き上げてきた総合力で、この厳しい状況をより良い方向へ変化させる機会とできるよう一層の連携をお願いしたい」とした。
引き続き、日本側が竹内陶二郎事務局長による「中国産野菜の日本輸入時の検査状況について」、冷凍食品新聞社社長永沼博明による「日本の冷凍野菜の今」、凍菜協事務局による「2021年度日中残留農薬検査技能試験結果概要」の3講演を行い、中国側が浙江開通食品輸出入有限公司の包偉明部長による講演「CIQ税関合併後の新生フローについて」を実施。講演の終了後には、中国側からコロナ禍の状況を注視した上で20年の対面交流実施を提案されるなど活発な意見交換も行った。
事業構造強化進む ―― 味の素冷凍食品
黒崎社長
味の素冷凍食品(FFA)は19日、21年上期決算報告会をWEBで行い、黒崎正吉社長が説明に当った。それによると、味の素グループ冷凍食品事業の上期売上高は1064億円、事業利益42億円。その内味の素冷凍食品の売上高は505億円(年度進捗率51%)、事業利益は36億円(同52%)。また、味の素フ―ズノースアメリカ社の上期売上高は544億円(同52%)、事業利益は4億円(同12%)となった(事業利益は共通費を除く前のもの)。また、家庭用売上高の対前年進捗率は3%増、業務用は4%減、海外は20%増となった。以上の経過に関して黒崎社長は要旨以下の通り説明した。
FFAはタイのコロナの影響を7月―9月の3カ月間受けた。家庭用は、「ギョーザ」「シュウマイ」を中心に拡大。業務用、キーアカウントは事業構造強化を優先し減少。トータル微減となった。事業構造強化の中で、単価アップは約4.4%と計画を上回っている。GP率は、19年度比3.9%増、20年比1%増。コロナ禍の中、着実に事業構造強化が進んでいる。共通費を引く前の上期BP(事業利益)は36億円。対前年比10億円減。タイの鶏の影響が数億円出ている。
味の素フーズノースアメリカの上期売上高は対前年比115%。増産効果、業務用の復活、家庭用の高水準での維持が奏功。但しGP率は対前年で比1.3%増の計画だが、原料高、人件費高騰、物流費高騰により上期は3.3%減。値上げでリカバリーしていく。共通費を引く前の事業利益の21年度計画は34億円。対前年9億円増を計画しているが、上期実績は4億円。対前年比11億円減となった。挽回が下期のテーマだ。米市場の特別な状況を乗り越えれば下期好転するとみている。11月には家庭用の7%値上げが効いてくるはずだ。欧州は100億円強の売上高があり拡大している、BPも改善されている。
米、欧州の売上拡大、日本の微減により味の素G冷凍食品事業全体では前年比107%。19年度比でも102%。GP率はFFAの増も北米のマイナス分が大きく、今のとこと上期はマイナス0.5%。
共通費を引く前の事業利益は利益は増益を見込んでいたが、結果としては上期42億円。進捗率は43%。前期比16億円減となった。売上が伸びているので共通費負担は、昨年に比べると2億円ほど増えている。下期以降事業利益計画97億円を目指す。
家・業冷食など値上げ ―― 日本水産
日本水産は19日、家庭用冷凍食品、業務用冷凍食品及び家庭用すり身製品の出荷価格を2月1日取引先着荷分より随時改定すると発表した。概要は次の通り。
【家庭用冷凍食品】▽商品数:63品▽改定額:4~13%の値上げ▽主な商品:「ほしいぶんだけちくわの磯部揚げ」「我が家の麺自慢ちゃんぽん」「たこ焼18個」など
【業務用冷凍食品】▽商品数:179品▽改定額:1~13%の値上げ▽主な品目:コロッケ類、国産中華類、水産揚げ物類、すり身製品、鶏肉製品、スナック類、オムライス、そのほか調理冷凍食品、冷凍野菜
【家庭用すり身製品】▽商品数:50品▽改定額:5~13%の値上げ▽主な商品ちくわ、カニ風味かまぼこなどの練り製品、フィッシュソーセージ類、チーズかまぼこ類(「活ちくわ」「海からサラダフレーク」「おさかなのソーセージ」など)
冷食をフルコースで展開 ―― 帝国ホテルキッチン
国産鶏のシュプレームソース トリュフ風味
帝国ホテルキッチンは2021年〈帝国ホテルブランド〉新商品として12月1日より、冷凍食品12品、常温商品2品の計14品を発売する。
今回の新商品は帝国ホテルのホテルショップ「ガルガンチュワ」の12月に予定されるリニューアルにあわせ展開するもの。コロナ下、ホテルショップのオンラインを含めた売上が前年に対し約3倍と大きな伸びを示す中、帝国ホテルと共同で商品開発プロジェクトを発足し、“自宅で、帝国ホテルのコース料理を味わえる”商品として冷食でアペタイザーからスープ、メインディッシュ、デザートまでフルコースで揃えた。
12月1日からはホテルショップ「ガトーガルガンチュワ」店頭での販売を開始、1月には通販カタログ、オンラインショップでの販売も予定している。将来的には商品を選別してのギフトでの販売も見込んでいる。
ラインアップは、アペタイザーに「パテ ド カンパーニュ~田舎風パテ」「アウピック ド レギューム~野菜のゼリー寄せ」、スープに「オマール海老のビスク」「オニオンスープのパイ包み焼き」、メインディッシュに「ポトフ」「国産鶏のシュプレームソース トリュフ風味」「オマール海老のフリカッセ」、デザートに「アップルパイ」「ブルーベリーパイ」を揃えた。
また「野菜カレー(カレーソースと野菜のセット)」「黒毛和牛のハッシュドビーフ」やパスタソースとして「ボロネーゼソース」を発売する。常温品はドレッシング2品。
22日、東京日比谷の帝国ホテルで行われた新商品発表会では福本雅志社長が説明に当たり、「今回の新商品発売によりフルコースでのメニューを楽しんで頂けるようになった。既存品とも組み合わせることで家庭の食卓をより豊かにしていただければと願っている」とした。