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今週のヘッドライン|2021年11月第4週号

外食を支え、回復の先へ

 新型コロナウイルスの新規感染者数が減り、10月から週を追う毎に外食産業の売上も回復傾向にある。11月からは、業務用展示会のリアル開催数も増えてきた。いまの外食を支え、回復の先に必要となる商品の提案が加速している。

冷食大手も出展 ―― JF商談会・業務用

赤塚会長
赤塚会長
 (一社)日本フードサービス協会(赤塚保正会長)は16日、東京・五反田のTOCで「JFフードサービスバイヤーズ商談会2021」を開催し、賛助会員など119社が出展した。来場者数は1733人。冷食メーカー大手では、ニチレイフーズ、マルハニチロ、味の素冷凍食品、日本水産、ニップン、味のちぬや、デルソーレが出展した。
 開会式で挨拶した赤塚会長は、「外食産業は厳しい状況が続いている中で、賛助会員の皆様には例年通りご協力をいただき開催となった。今回は20社の生産者にも出展をいただいている。外食と国内農業の協力は今後ますます重要であり、柿安本店でも商品開発に生かしている。産地との情報交換の場ともした商談会はコロナ対策にも十分配慮して開催しており、安心してご商談いただきたい」と述べた。
 来賓挨拶は安楽岡武大臣官房審議官。
 メーカー出品では、チーズの日、クリスマス等年末商戦メニューに向けた「3種のチーズロール」(ニチレイフーズ)や、健康軸の訴求ができる「NPベジペースト」(ニップン)、調理・手間・コストを考慮した「ぽんするえび天」(マルハニチロ)など、これからの時代に適した業務用冷食提案、TO対応の商材が多く見られた。


東京提案会に600人 ―― 尾家産業・業務用
尾家最高顧問
尾家最高顧問
弁当等にも使えるPBに関心
弁当等にも使えるPBに関心
 尾家産業(尾家啓二社長)は10日、東京・平和島のTRCで2021年秋季提案会「BOOM」をリアル開催した。新型コロナとの共存、新型コロナが去った後の新時代に人気急上昇の商品とメニューを予測しいち早く届けるという意味を込めた。東京会場の来場者数は案内を厳選して600人。出展社数は全会場合計で131社。併せてオンライン提案会も開き9500人のアクセスを得ている。
 自社コーナーでは特に、コロナ禍でも売上伸長している「やさしいメニュー」コーナーでは「テイクベジ」として経時変化に強く、持帰りに適した野菜を使用したやさしいメニューのアレンジ提案を行った。
 尾家亮最高顧問は、「元の売上が上がるようご協力をいただきたい。お客様も今日を楽しみにしており、商品をよくPRしメニューに取り入れていただけるよう共に努めてほしい」とした。坂口泰也取締役営業本部長は、「2年分の提案をしたい。業績は少しずつ回復に向かっており、ヘルスケア、中食、PBは前年実績を上回っている。10月は宿泊分野も戻ってきており、失われた分を取り戻していきたい」とした。(詳細を本紙に掲載)

2年半ぶりに見本市 より内容を濃く 萩原専務 ―― ヤグチ・業務用
栗栖社長(右)と萩原専務
栗栖社長(右)と萩原専務
カレーコーナー
カレーコーナー
 ヤグチは17日、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館展示ホールで「第108回ヤグチ秋季見本市」を開催した。見本市の開催は2019年の秋季以来、2年半ぶりとなる。
 出展社数は前回の約2割減の183社。なお新規出展社は嘉恒貿易、日東ベスト。目標来場者は首都圏の卸店を中心に500人(前回3500人)と1社2名と制限し絞り込んだ。
 メインテーマは不変の「『豊かな実りあるマルヤ会』~豊かな品揃えと専門力~」。今回のサブテーマには「やっぱりカレーがたべたい」とし、カレーを「テイクアウト需要」「業態変更」「ランチ営業」「食品ロス対策」など全てを解決するメニューとして取り上げ、メーカー10社が「四川風スパイシーカレー」などオリジナリティあるメニューを提案した。
 当日行われた記者会会見で栗栖信也社長は、「2019年以来の見本市の開催となる。午前中から出足が良い。じっくり商品が見られるようだ。最新の情報を得ていただき、動き始めた業界で色々な提案をユーザーに届けてもらいたい」とした。
 今年8月に専務執行役員に就任した萩原啓太郎取締役専務執行役員は、「展示会の様子をみると、やはり対面の大切さを感じる。見本市も今まで規模、量にこだわりすぎていた。今回は絞り込んだ提案で質を求めた。コロナ前の見本市に比べ内容がより濃いものになっていると思う。今後の見本市も色々な展示方法を模索していきたい」と述べた。

関東第1に焼売専用ライン ―― イートアンドフーズ

焼売の生産能力は2倍に
焼売の生産能力は2倍に

 イートアンドフーズは16日、 販売好調な「大阪王将 たれつき焼売」のさらなる需要拡大に対応するため、 関東第一工場(群馬県板倉町)で新たに焼売専用の生産ラインを増設したと発表した。テスト稼働を経て、 近日中に本格稼働を開始する。投資額は約2億円。今回の増設で、焼売の生産能力を従来の2倍の月産約60万パックに増強し、「大阪王将 羽根つき餃子」、「大阪王将 ぷるもち水餃子」に次ぐ主力商品へと成長を目指す。
 従来、当社グループ工場での焼売の生産は、 餃子生産ラインの兼用で行っていた。今回、冷凍食品の生産ライン再編を実施し、 焼売専用のラインを新設する。 専用ラインへの生産集約によって、 品目切り替えに伴うロス等がなくなるため生産効率が向上し、 焼売の生産能力は約60万パック/月(従来の2倍)となる予定。なお、 新ラインでは蒸しあがった食材を急速冷凍する工程において、 自然冷媒を使用したノンフロンのフリーザーを導入した。

マリトッツォ冷食で ―― 山崎製パン

濃厚チョコクリーム
濃厚チョコクリーム

  山崎製パンはこのほど、冷凍食品新商品として「マリトッツォ濃厚ミルク(オレンジピール入り)」「マリトッツォチョコクリーム(ベルギーチョコ入り)」を開発、11月下旬より一部量販チェーンでのテスト販売を開始していく。
 「マリトッツォ濃厚ミルク(オレンジピール入り)」は濃厚なミルククリームを使用した、たっぷりのホイップにオレンジピールを配合し、ふんわりとしたブリオッシュ生地で挟んだ。
 「マリトッツォチョコクリーム(ベルギーチョコ入り)」は濃厚なチョコクリームにベルギー産の削りチョコを入れをふんわりとしたブリオッシュ生地で挟んだ。
 同社は既存の冷凍パン、中華まんに続くアイテムとして話題のスイーツを投入することでさらなる売場の活性化を図っていく。

10月以降回復基調 ―― 久世・久世社長

久世・久世社長

 久世の久世真也社長はこのほど開いた記者会見で、外食産業の現況や同社の取組状況など要旨以下の通り述べた。
 当社の外食の構成比は85%であり、影響を軽減すべく中食惣菜・ヘルスケア部門の構成比拡大に努めている。将来的には30%程度まで拡大する。
 コロナ以降、当社では損益分岐点低減に注力した。物流では、物流センターの統廃合、配送サービスの見直しや人員についても配置転換やノジマへの出向策などを講じてきた。
 営業では、顧客目線・現場目線で「基本重視」と「変化対応」に取組んでいる。変化対応では、5K(簡便効率・高付加価値・健康・高齢化・環境)への対応と、新たに「セールスバイヤー部」を新設し、強い単品で配荷件数増を図っている。
 10月に入り緩やかな回復基調。週ごとに良くなっている。10月の売上実績は前月比10%増、コロナ前の売上の約70%、来月には70%以上を越えてくるだろう。

会社所在地

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