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今週のヘッドライン|2021年11月第2週号

パーソナルユース需要対応、山形・長崎工場に50億投資 ―― ニチレイフーズ

 ニチレイフーズは2日、ニチレイグループの中期経営計画「We Will 2021」(2019~2021年度)に掲げる「持続的な成長」の一環として、コロナ禍で加速した「パーソナルユース需要」を取り込み、さらに時期中期経営計画に向けて市場を牽引すべく、山形工場・長崎工場に合計約50億円の設備投資を行うことを発表した。山形工場には個食生産ラインを、長崎工場には今川焼を主体とした軽食・スナックラインを導入する。2024年度には「パーソナルユース商品」の売上高合計で300億円を目指す。

 同社が「パーソナルユース商品」と位置付けるのは、1人前規格の主食・主菜、片手で食べる事ができる軽食メニュー。今後もテレワークが一定程度定着することや単独世帯、とりわけ高齢者単独世帯の増加などを背景に、あらゆる業態において、パーソナルユース需要はさらに伸長すると見込んでおり、伸長する需要に向けて積極的に投資し、家庭用・業務用ともに商品を投入する。
 山形工場新ラインは、「主食」と「おかず(複数の具材)」をセットできるように設計され、容器の形状なども複数対応することができるフレキシブル性を有したもの。主食・おかず・容器などの組み合わせによって、家庭用商品だけでなく、惣菜や給食、個食の喫食場面のある外食向けなどあらゆる業態に向けて、様々なメニューの製造が可能となる。栄養バランスにも配慮していく。
 また、既存の山形第二工場を含めた使用電力を、山形県内の水力発電所で発電された電気に置き換える。これにより山形工場全体の使用電力にかかるCO2排出量ゼロを実現していく。
 山形工場の新設備は工場棟(機械棟を含む)約5800㎡、冷凍冷蔵倉庫は2100㎡、投資金額は40億円、生産能力は日産25トン、従業員数は100人程度、2022年2月の稼働を予定している。
 長崎工場では付加価値の高いワンハンドスナック商品への対応を進め、軽食・スナック市場の拡大を図る。今回の増強により生産性も高めることで、今川焼の生産能力は2020年度比130%に。投資金額は約10億円。

来年2月1日より、家・業価格改定へ ―― 味の素冷凍食品

 味の素冷凍食品は10月29日、2022年2月1日納品分から家庭用製品14品の出荷価格改定と2品の容量改定および2品の出荷価格と容量改定、また、業務用製品346品種の出荷価格改定を実施することを発表した。出荷価格および容量改定による値上げ幅は家庭用製品約4~13%業務用製品約3~8%。
 なお、タイで生産している鶏肉加工品は、安定した供給体制が整った後、順次出荷価格改定、または一部容量改定を実施する予定。
 対象製品は以下の通り。家庭用製品=出荷価格改定:14品(「洋食亭®」ジューシーハンバーグ、同和風ハンバーグ、同お弁当ハンバーグ、「ザ★®ハンバーグ」、「ごろんと®」肉厚ハンバーグ、同肉厚メンチカツ、「ゆず胡椒のチキン香り揚げ」、「国産鶏のやさしいからあげ」、「いかと里芋のふんわり揚げ」、「スーパースイートコーン」、「ミックスベジタブル」、「グリンピース」、「ブルーベリー」、「北海道まるごと牛肉コロッケ」容量改定2品(「エビ寄せフライ」、「それいけ!アンパンマンポテト」)。出荷価格と容量改定:2品(「レモンとバジルのチキン香り揚げ」「えびとひじきのふんわり揚げ」)
 業務用製品=出荷価格改定346品(米飯類を除く全カテゴリー)

伊藤氏に旭重(元味の素社長)、旭中に細見氏(元日本水産社長)、西氏(元カゴメ社長) ―― 秋の叙勲褒章

伊藤氏
伊藤氏
細見氏
細見氏
西氏
西氏

 政府は3日、秋の叙勲褒章を発表した。
 業界関連の主な受章者は次の通り(敬称略)。

〈勲章〉
【旭日重光章】
 ▽伊藤雅俊(元味の素社長、元日本冷凍食品協会会長)
【旭日中綬章】
 ▽細見典男(元日本水産社長)▽西秀訓(元カゴメ社長)

 伊藤氏「食とアミノ酸事業の更なる発展に努力」
 この度は、「旭日重光章」という栄えある栄誉を賜りましたこと、誠に名誉なことであり、心より御礼を申し上げます。
 この受章は、長期に渡り多くの我々の先人たちが築いてきた国や社会への貢献を受け継ぎ、社業の発展にしっかりと繋いだ結果であり、それを広く支えていただいてきた、関係する先輩、社員やお客様など、社内外のすべての方々のご支援、ご助力の賜です。
 改めまして、これまでお力をいただいた多くの方々に、味の素グループを代表して御礼を申し上げます。
 これを機会に、さらにより進んだ社会や人々の健康を目指し、「食とアミノ酸」の事業の発展に向かって、これからも努力を重ねてまいります。

 細見氏「日本社会の発展に貢献できるよう尽力」
 このたび叙勲の栄に浴し、身に余る光栄に存じます。この受章はお客様をはじめ、関係する多くの皆様のご支援の賜物と深く感謝申し上げます。
 私がこれまでに携わってきた水産・食品・ファインケミカルなどの事業が多少なりとも社会や産業界の発展に寄与したとのご評価をいただいたものと、大変嬉しく存じます。
 既に社業からは離れましたが、この栄えある受章を心の励みとしながら今後も精進を重ね、日本社会の発展に貢献できるよう尽力して参る所存です。

コロナ禍の中増収、営・経減も純利益増益に ―― ニチレイ・第2Q

 ニチレイは2日、22年3月期第2四半期業績を発表した。連結売上高2945億7800万円(前年同期比4.5%増)、営業利益160億2000万円(同4.3%減)、経常利益162億1700万円(同4.8%減)、四半期純利益111億1500万円(同2.2%増)で増収、営業利益減も純利益は増益となった。
 セグメント別では、加工食品売上高1207億6600万円(同7.2%増)、営業利益67億6600万円(同21.2%減)、水産売上高316億6700万円(同8.0%増)、営業利益6億5400万円(同―)、畜産売上高397億円(同3.7%減)、営業利益5億8000万円(同3.3%増)、低温物流売上高1096億2900万円(同4.7%増)、営業利益78億1300万円(同13.6%増)。
 加工食品事業の内、家庭用調理品の売上高は383億8600万円(同11.6%増)、業務用調理品同437億円(同2.4%増)、農産加工品同102億5600万円(同0.1%減)、海外同204億7600万円(同17.1%増)となった。
 加工食品事業は、チキン加工品や米飯類などの主力カテゴリーを中心とした商品開発や販売活動に注力、家庭用、業務用ともに販売が拡大した。海外子会社イノバジアンクイジン社の売上も貢献、増収となった。営業利益に関しては、新型コロナに起因する労働力不足から、タイ生産拠点での稼働が低下、加えて原材料、仕入れコストの上昇により減益となった。
 家庭用調理食品は、TVCMなどの販促活動や生産力増強により、発売20周年を迎えた「本格炒め炒飯」や「特から」を中心に引き続き販売数量が伸びた。また今春発売した「たいめいけんサイコロステーキピラフ」なども寄与。
 業務用調理食品「シェフズスペシャリテ」シリーズや、今春発売の「柔らかひれかつ」などの取り扱いが拡大し増収となった。
 大櫛顕也社長は、タイのチキン加工の現状に関して「コロナの拡大で、人材の確保が厳しくなり、7月、8月、9月と生産面で厳しかった。様々な手立てを打っているが今年一杯は厳しさが続く。来年の上期にはフル稼働体制に回復する見込み」とした。(詳細を本紙に掲載)

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