最も好調な部門に“冷食”、総供給高前年割れも19年比2桁増 ―― 日本生活協同組合連合会・上期実績
二村常務
日本生活協同組合連合会は10月26日、オンライン上で2021年度上期の販売概況を発表した。総供給高・コープ商品供給高はいずれも前年割れとなったものの、19年比では2桁を超えて伸びている。カテゴリー別では冷凍食品の伸びが最も高かった。調理冷凍食品部門の冷凍麺、米飯、乳幼児向け冷食などが良く動いた。全国主要生協の宅配部門でも、最も好調な部門として冷凍食品を名指しで挙げている。なお、会見では今後のコープ商品の開発方針として、〈コープサステナブル〉ブランドの展開に力を入れると共に、冷凍食品などの強化も検討する方針を示した。
日本生協連の商品事業の上期の総供給高は約2210億円(前年比97.8%、19年度比113.2%)で推移した。そのうち、コープ商品の供給高は約1738億円(同98.5%、同112.2%)だった。
コープ商品のカテゴリー別の実績では、冷凍食品の伸び率が前年比101.4%と最も好調だった。中でも、冷凍麺、米飯、乳幼児冷食などがよく動いた調理冷凍食品部門が104.5%と伸長している。
下期のコープ商品は、サステナブルな原料を使用した〈コープサステナブル〉商品を既存の88品から約120に増やす。冷凍食品は既存品に冷凍野菜及びフルーツ3品を加えてラインアップを6品に広げる。
会見に登壇した二村睦子常務理事はコープ商品の今後の開発方針について「若年層、一人暮らし、高齢者など組合員が多様化する中で、今後はそれぞれのライフスタイルに即した商品の展開を強化する必要がある。冷凍食品を始め、惣菜、チルド品などの強化も進めたい。また、環境やサステナブルというキーワードに対応した商品の開発にもしっかり取り組む」としている。
全国主要生協の上期総供給高は前年比97.7%で推移した。そのうち、宅配事業は20年度比99.2%(19年費116.9%)だった。部門別では冷凍食品が最も好調で、中でも調理冷凍食品部門の動きが良かった。店舗事業は同96.3%(同105.5%)だった。4~5月に前年の反動が起きた。
組合員意識調査 コロナ後に最も購買増えた食品は「冷食」
また、会見では、日生協が今年6月~7月に実施した「全国生協意識調査」の速報値も公表した。同調査で取りまとめた項目のうち、「新型コロナウイルス感染症流行後に最も購入が増えた食品は何か」では、「冷凍食品」を挙げる組合員が38.4%と最も多かった。生鮮食品(同27.3%)、テイクアウト(同23.5%)、弁当・惣菜(同21.5%)が続いた。
同調査は日本生協連が事業・活動の方針検討に活用することを目的に3年毎に実施しているもの。組合員数上位40生協の中から無作為に選んだ組合員8000人の回答を取りまとめた。
「冷食JAPAN2021」開く、最新技術・トレンド学ぶ ―― (一社)日本冷凍食品協会
多くの来場者が訪れ高い関心を集めた
セミナーは満席に
(一社)日本冷凍食品協会は10月27日~29日、東京ビッグサイト青海棟で、専門展「冷食JAPAN2021」を開催した。
同展示会は、食品製造・調理・衛生・工場設備・物流などの6つの専門展示会を包括した「FOOD展2021」の一つとして開催されたもの。FOOD展全体では169企業が展示、また併催セミナーも昨年の1.8倍となる約70セッションが行われた。緊急事態宣言等の解除、感染者数の減少なども見られることから、昨年に比べ多くの来場者が訪れた。
「冷食JAPAN」は昨年「冷凍食品100周年」事業の一環として開催され、今回で2回目となった。5社11小間で展開、コロナの影響もあり出展社こそ少なかったものの、冷凍食品メーカー、機器資材メーカーの出展社は、新商品、最新生産技術などを提案した。
冷凍食品メーカーではニップン1社が出展、秋の家庭用新商品の展示や植物性素材だけで作った「SOYLPRO」シリーズを紹介した。その他機器・資材メーカーは大日本印刷など4社が出展した。
昨年に続き、「冷食JAPAN」の併催セミナーも充実、3日間で10セミナーの最新トレンド等が披露された。初日のセミナーも各回が満席となるなど盛況だった。
「日清製粉ウェルナ」に、22年1月1日付で社名変更 ―― 日清フーズ
日清製粉グループ本社は10月28日、同社連結子会社である日清フーズ株式会社が、同日開催の取締役会において11月10日の開催を予定している株主総会で承認を受けることを前提に、商号を「株式会社日清製粉ウェルナ(英文名Nisshin Seifun Welna Inc.)」に変更することを決議したと発表した。変更日は22年1月1日を予定している。(詳細を本紙に掲載)
家庭用製品値上げ、冷食2月より24品目で ―― 日清フーズ
日清フーズは10月25日、家庭用製品の値上げを発表した。
改定内容は冷凍食品が約4~7%値上げ、小麦粉製品が約3%~6%値上げ、ミックス製品が約4~6%値上げ、パン粉、その他の製品が約3~4%値上げ、乾麺製品が約6%値上げ、パスタ、パスタソース製品が約3%~9%値上げ。冷凍食品、乾麺、パスタ、パスタソース製品は2022年2月1日出荷分より、小麦粉、ミックス製品、パン粉、その他製品は2022年1月4日納品分より価格改定を実施する。
冷凍食品は〈マ・マー超もち生パスタ〉や〈マ・マー大盛りスパゲティ〉や惣菜系商品等計24品が対象となる。(詳細を本紙に掲載)