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今週のヘッドライン|2021年10月第2週号

大手の利益改善の兆し、コンビニ、GMSは雲間に光 ―― 流通・第2Q

 小売大手の2022年2月期第2四半期決算が出揃った。流通最大手のイオンは黒字に転換し、セブン&アイも最終利益を5割弱伸ばした。コロナ禍が深刻化した前年の裏年に当たる今上期は、GMS、コンビニなどを傘下に持つ大手の利益が概ね改善傾向にある。巣ごもり需要が高止まりしており、消費者の外出自粛も前年より緩和していることがわかる。冷凍食品関連では、セブンがコロナ禍で遅れている新レイアウトへの切り替えを急ぎ、ライフCOが新店・改装店で売場を大幅に広げる方針を表明。各社の冷凍食品強化の流れが継続している。

イオン 売上過去最高、黒字に転換

 イオンの第2Qは、連結で営業収益4兆3449億1900万円(前年比1.7%増)、営業利益777億6500万円(同29.4%増)、経常利益779億3100万円(同78.6%増)、四半期純利益45億8800万円(―)となった。営業収益は微増だったものの、利益は大幅な増収となり、純利益が黒字に転換している。
 事業別の販売状況を見ると、GMS事業は1兆5329億2800万円(同3.6%増)、営業損失162億6700万円(―)だった。売上が前年を上回り、営業損失は半減した。食品部門が堅調に推移した。ネットスーパー経由の食品の売上が食品全体の5%程度を占めるまでに成長している。
 SM事業は1兆3820億9900万円(同8.5%減)、営業利益141億2800万円(同51.6%減)の減収減益となった。巣ごもり特需があった前年の反動が出ている。
 ヘルス&ウエルネス事業は営業収益5107億9200億円(同6.2%増)、営業利益221億9500万円(同13.1%減)の増収減益となった。好調な調剤部門の売上が物販の不振を補った。ただし、売上の伸び率は鈍化しており、利益も前年を下回っている。
 なお、トップバリュの売上は、約4174億円(同1.5%減)となった。
 吉田昭夫社長は上期の事業環境について「緊急事態宣言が想定よりも長く、また度重なったことが永久雄牛、事業別の実績に濃淡が出た。少なくとも今年度中はコロナ禍の影響を想定して事業を運営する必要がある」と振り返った。今後のM&A戦略については「長期的な成長を見据えて、成長性が高く、当社の事業領域でカバーできない分野について積極的に進めていきたい」としている。

セブン&アイ コンビニ好調で増収増益

 セブン&アイ・ホールディングスの22年2月期第2四半期は、連結で営業収益3兆6464億4900万円(前年比30.8%増)、営業利益1861億7000万円(同3.6%増)、経常利益1734億5000万円(同1.0%減)、四半期純利益1065億円(同46.9%増)の増収増益となった。
 事業別の進捗をみると、国内コンビニエンスストア事業は営業収益4458億500万円(前年比4.0%増)、営業利益1233億4100万円(同4.3%増)の増収増益となった。全店の平均日販は65万円(前年同期比9000円増)、既存店ベースの平均客数は横ばい、平均客単価は前年同期比1.5%増だった。
 スーパーストア事業は売上高9011億9000万円(同1.4%増)、営業利益110億2400万円(同38.0%減)となった。粗利益率が悪化して減益となった。
 なお、セブンプレミアムの売上は約7210億円(同160億円減)となった。
 今後の取組について井阪隆一社長は、「デリカ、冷凍食品など、伸長分野の商品を引き続き強化する。新レイアウトの切り替えが遅れているので、今年度中に1万2000店を転換したい」とした。

 ●国内のコンビニで冷食伸びる
 なお、国内コンビニにおける部門別の売上を見ると、冷凍麺が前年同期比13.5%増、冷凍惣菜が同9.3%増と伸びている。19年度比のカテゴリー別の伸長率では、2位に冷凍麺類(19年度同期比55.1%増)、5位に冷凍惣菜(同45.9%増)、7位に冷凍野菜・果物(同35.3%増)がランクインしている。

「冷食月間」イベント始動、「消費者の部屋」で冷食PR ―― (一社)日本冷凍食品協会

パネルを中心に展示
パネルを中心に展示

 (一社)日本冷凍食品協会は4日~8日、東京・霞が関の農林水産省「消費者の部屋」で、冷凍食品の展示「べんりとおいしいのその先へ冷凍食品」をテーマに開催した。パネル、ダミーパッケージの展示や今年が冷凍食品101周年であることなどを紹介した。なお、昨年に続き試食は実施していない。
 なお、農林水産省「消費者の部屋」はコロナによる閉鎖しており、4日に再開、協会の展示が再開第1号となった。
 会場で木村均専務理事は冷食月間のイベントについて、「コロナ禍で何が出来るか検討し、コロナ禍でできる最大限の広報活動を展開する。消費者の部屋も今日から再開、試食は出来ないが冷凍食品をアピールしたい。10月18日の冷凍食品の日イベントも人数制限、感染防止しながら行う」などとした。

「冷凍食品の日」イベント、予定通り開催

 なお、10月18日の「冷凍食品の日」PRイベント(ロイヤルパークホテル)は予定通り一般消費者40組80名を招待して開催する。

13日に記念碑除幕式

 (一社)日本冷凍食品協会は延期となっていた100周年記念碑除幕式を10月13日に開催する。
 当日は午前10時から北海道・森町のオニウシ公園(道の駅YOU・遊・もり)で執り行われる。協会側からは大櫛顕也会長、木村均専務理事、三浦佳子広報部長が参加する予定で、記念式典などは行わない。

202億円(13%増)で着地 ―― ニッカネ・9月期

金田社長
金田社長

 ニッカネ(金田陽介社長)の前9月期業績(速報値)、売上高は前期比13%増の202億1900万円で着地した。「アタコ」(ATACO=魚加工会社)や「畑全」(生鮮野菜事業)などグループ関連企業を含めた連結売上高は230億5400万円(同13%増)であった。
 同社の売上高構成比の約80%は介護施設・病院・事業所給食が占める。前期は事業所給食はコロナ禍の影響を受けたが、他業態は当初の計画に沿って推移した。また、売上高で2桁増の伸長を示した背景は新規の大口顧客の獲得が奏功した。
 前期の業績に関して金田社長は「外食関係の構成比では15%と少ないが、客数、客単価と厳しい状況が続いている。しかし、メインのヘルスケアフード事業に関しては2019年の西東京営業所(埼玉県狭山市)の開設を機に、首都圏の物流網の整備、強化が進んだ。加えて新規の顧客獲得(全社で約1000件)もあり埼玉・西東京・神奈川営業所とそれぞれが2桁増と売上高増に寄与した」とした。
 今期は「10月18日に開設する(当社に於ける)最大級の新東京営業所を核にビッグマーケット、首都圏での更なる顧客サービスの向上と物流強化に取り組む。売上高は同9%増の220億円を計画する」と意欲を見せた。

惣菜管理士の受講者、3965人と過去最高に ―― (一社)日本惣菜協会

 (一社)日本惣菜協会は5日、今年度の「惣菜管理士養成研修」の受講者数を発表した。
 今年度の受講者は過去最高の3965人となった。内訳は、一級が665人、二級が1150人、三級が2150人だった。(詳細を本紙に掲載)

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