冷凍食品新聞社 発行日(週刊・毎週月曜日)購読料1年33,600円(+税)昭和44年6月19日第三種郵便物認可

今週のヘッドライン|2021年9月第2週号

新時代見据えた提案も加速 ―― 2021年秋冬業務用・新商品

 2021年秋冬の業務用新商品・リニューアル品は、各社、コロナ禍による変化への対応を進めるとともに、行動制限の解除後、その先の世界を見据えた商品投入が進んだ。また、人口減少や高齢化を見据えた人手不足対応、簡便調理品の開発も継続された半面、アイテム数は前年に引き続き絞り込みが進んだ。注力カテゴリーを明確にし、得意分野に磨きをかけて、厳しい市場環境に立ち向かう。

 ニチレイフーズは、新型コロナ禍で苦戦を強いられる業態に向け〈チキン加工品の強化〉〈店舗オペレーション負荷の軽減と生活者の健康志向への対応〉〈包装販売に変わる売場への対応〉〈外食代替・プチハレ需要〉への対応をテーマに「未加熱IQF」の新商品、包装販売でもバラ販売のような衣の品質を実現したコロッケ等を投入した。
 味の素冷凍食品は提案をスイーツに絞り、デリバリーに向けた「イタリアンプリン」を販売。C&C、ECを見据えた取組を進める。コロナ禍で伸長する惣菜テイクアウト、C&Cといった業態に向けての提案は他社でも積極化。日清フーズはテイクアウト、デリバリーにも適した少量、経時耐性のあるIQFショートパスタ4品を提案した。
 「経時耐性」に特化した商品としてはヤヨイサンフーズが「焼かずにできる!焼き餃子26/19」を投入。シマダヤは、茹で伸びしにくいラーメンを提案した。
 内食化が進む中で、家庭でも使い勝手にこだわったのがマルハニチロ。「いかリング唐揚げ」や「いか磯部天ぷら」は小容量定番アイテムをC&Cやドラッグストア向けにも提案した。
 日本水産は、技術力を活かした次世代メニューとして大豆ミート使用商品「白身魚と大豆ミートのハンバーグ50・80」等を投入。キユーピーも同社初のプラントベース商品「HOBOTAMA」を発売している。
 テーブルマークは、家でも楽しむ「プレッツェルバンズ」を投入した。(詳細を本紙に掲載)

2021年 主要メーカー秋の業務用新商品

国内GP率が改善 ―― 味の素冷凍食品・第1Q

黒崎社長(左)と下保専務
黒崎社長(左)と下保専務

 味の素冷凍食品は8日、オンラインで第1四半期業績説明会を開き、黒崎正吉社長、下保寛専務、羽賀俊弘執行役員が出席した。今回公表されたのは、8月に発表された味の素グループの業績の内、事業利益から共通費を差し引く前の実態に近い数字。
 味の素Gの冷凍食品事業全体の売上高は525億円、事業利益25億円。うち、味の素冷凍食品の売上高は254億円(前年比101%、2019年比96%)、事業利益21億円(同4億円減、同5億円増)。味の素フーズノースアメリカ社の売上高は266億円(同114%、同111%)、事業利益3億円(同9億円減、同7億円減)。
 国内事業の内、家庭用の売上高進捗率は前年比104%、前々年比112%、業務用は同106%、同68%、KA(キーアカウント)同84%、同74%、FFA海外同122%、同147%。国内事業のGP率は、前年比1.1%増、前々年比5%増。
 GP率改善に関して黒崎社長は、「事業構造強化が着実に進捗、成果が出ている。要因は①高付加価値品の発売とその売上増。②KA、業務用での不採算品の終売(業務用116品、KA約20品)。③安定生産とコストダウン」とした。

黒崎社長 価格改定は現況考えていない

 また、国内製品の価格改定に関しては、 「現時点では考えていない。原材料の高騰、コロナの影響等をみて複合的に検討はしていくが、現況、値上げは考えていない。むしろ価格競争に加わらず高付加価値品、高単価品の発売に傾注。利益確保に努めたい」とした。(詳細を本紙に掲載)

冷食売場を初導入 ―― 無印良品 新宿

無印良品 新宿の冷食売場は、フルライン90品で展開。前には保冷エコバッグ売場も
無印良品 新宿の冷食売場は、フルライン90品で展開。前には保冷エコバッグ売場も
永原本部長
永原本部長

 良品計画(堂前宣夫社長)は10日、新宿地区の2店舗「MUJI新宿」「無印良品 新宿」をリニューアルオープンした。新宿通りに面する「無印良品 新宿」は、1階に冷凍食品売場を初導入。90品のフルラインアップで展開する。暮らしの基本となる日用品を拡充し、商品構成比で食品を現状10%から20%に倍増し、売上構成比20%を目指していく。
 メディア内覧会で説明に当たった永原拓生執行役員営業本部長は、「中計では第二創業として、基本商品を適正な価格で提供する、店舗が地域の課題を地域の方と解決するという二つの行動指針の下、2024年度に個店100店舗の展開を目指している。新宿地区の2店舗は、店長が行政に入り込んで話を聞き改装計画を立てた。地域の課題に取り組んでいく」とした。
 白濱賢無印良品新宿店長は、「コンセプトは『新宿通りのインフラ、くらしの基本を整える』。新宿は人流の変化により通勤通学が増え、インバウンドは減少した。その中で、お客様の食品へのニーズが高い。新宿地区最大の食品の品揃えでこれに応える」とした。
 食品売場の拡大に合わせて、冷食やチルドの日替わり弁当といった温度管理が必要な食品物販も増えるが、持ち帰り対応の充実としてアルミ保冷袋(銀色)の販売を行う。併せて、同バッグのリサイクルも検討する。「冷凍食品は働く方に気軽に買っていただいて、時短で料理サポートができたら一番良い。売場の品揃えはまだ少ない方だと思う。ニーズが増えればもっともっと拡大することは考えられる。また今回、有料保冷バッグを販売するが、その回収サービスができないか社内で検討している」(永戸順也MUJI新宿店長)。(詳細を本紙に掲載)

初のレンジ調理品、個食パスタ3品フローズンミールに ―― ロイヤルデリ

ロイヤルデリ

 ロイヤルホールディングスは10日、家庭用フローズンミール〈ロイヤルデリ〉に、初の電子レンジ加熱調理商品としてディナーパスタ3品を発売した。
 庵原リサロイヤルデリ担当部長は、ブランドの近況として、グループ店舗での取り扱いが350店舗(高速SA含む)となり、2021年1~6月の売上は前年同期比・7倍で推移していることを報告した。
 新商品は、「和牛のラグーボロネーゼ」(230g、税込880円)、「3種のきのこと生ハムのクリーム」(239g、同880円)、「ヴェネツィア風シーフード」(254g、同1100円)=写真=。(詳細を本紙に掲載)

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階