新商品137品、改訂84品に ―― 21年秋冬家庭用・冷食新商品
2021年秋の家庭用冷凍食品新商品は本紙調べで24社から137品、リニューアル84品が投入された。新商品数は昨年の99品から38品の増加、ただし2019年の153品には届いていない。リニューアルは昨年の72品からやや増加した。各社力を入れるのはコロナ禍で高まる内食需要への対応。ボリューム・品質にこだわった食卓向け商品をはじめ、手作り需要対応、テレワークに最適な丼もの、家飲み用おつまみ、小腹満たしのスナック等の提案が目立った。また健康を意識した商品がさらに充実。特に人も地球も健康にするという観点から代替肉商品は計9品がこの秋投入されており、SDGsへの関心の高まりも取り組みを加速させた。
食卓品充実
得意分野でさらに食卓への進出を進めるのがニチレイフーズだ。チキンカテゴリーには美味しさとボリュームにこだわった健康志向の唐揚げ「むねから」を投入。米飯カテゴリーでは「牛すき焼めし」を復活させた。
唐揚げには今秋、マルハニチロが本格参入。「極旨!ももから揚げ」を〈新中華街〉シリーズより投入した。味の素冷凍食品もハンバーグで食卓への提案を強化。〈ザ★〉シリーズ初となる「ザ★ハンバーグ」を投入している。ケイエス冷凍食品も「国産肉 肉だんご」「エビのチリソース」などボリューム感、本格感ある商品の投入を進めた。
代替肉関連 商品は9品
唐揚げ、ハンバーグ、麺、スナック、丼の具、米飯類の各アイテムで展開が進んだのが大豆ミートをはじめ代替肉を使用した商品。健康面の利点とともにSDGsを意識した商品づくりに利用しやすい点等もあり各社が取り組んだ。
健康価値 提案多様に
明治やシマダヤは健康価値へのアプローチを継続。明治は〈まるごと野菜ごはん〉シリーズや〈TANPACT〉でグループ力を生かした展開を、シマダヤは〈健美麺〉ブランドで糖質カット商品の展開を進めた。味の素冷凍食品も減塩商材、食物アレルギー対応といった観点から米飯、ギョーザを投入している。
家庭内での調理時間の拡大へ対応した商品としてはニップンがアレンジ自在な「オーマイ 生パスタシート」を投入する他、ハインツ日本は卵を加えるひと手間調理〈おはようカップ〉に新商品を追加した。
自粛傾向の中、外食になかなか足を運べない層に向けては有名チェーンの冠が付いた商品の提案が進む。日本水産は「松屋監修牛めしおにぎり」を、トロナジャパンは〈すき家どんぶりの具〉シリーズに個食タイプを投入した。
家庭用新規参入としては敷島製パンが冷凍パンで参入。またニチノウが冷凍野菜・フルーツの展開を進める。
カテゴリーごとのアイテム数(※改訂含む、本紙独自基準)は食卓惣菜74品、麺類43品(うちパスタ18品)、弁当41品、洋風スナック31品、米飯29品、和風スナック9品、野菜・果実4品などとなっている。(詳細を本紙に掲載)
2021年の秋主要メーカー家庭用新商品
アスリート向けギョーザを発売 ―― 味の素冷凍食品
味の素冷凍食品は、8月25日から公式オンラインストアで「“For ATHLETE”エナジーギョーザ」(税込1200円)と「同コンディショニングギョーザ」(同1500)円の2品を発売する。
味の素Gでは、トップアスリート強化支援事業「ビクトリープロジェクト」に取り組み、栄養 サポート活動を行っている。2品はこのプロジェクトでトップアスリートにも提供されている商品。
実際に卓球・伊藤美誠選手らに試作品を試食してもらい「エネルギー摂取」と「コンディション調整」の2つの目的別に応じ、試合前には炭水化物、ビタミンB1が多く摂れる「“For ATHLETE”エナジーギョーザ」、試合後にはたんぱく質、ビタミン類が多く摂れる「同コンディショニングギョーザ」を開発した。
「“For ATHLETE”エナジーギョーザ」は豚肉・ 鶏肉を使った中具を米粉の皮で包んだギョーザ。ビタミンB1と炭水化物がしっかりと摂れるので、効率よくエネルギー補給ができる。
「同コンディショニングギョーザ」(30個入袋(720g))は大豆・鶏肉に、なたね油、野菜がたっぷり入ったギョーザ。身体を作り、良い状態に保つたんぱく質とコンディションを整えるのに必要なビタミン類(A・C・E)」が手軽に摂取できる。2品とも油・水なしで簡単に調理可能。
また、レストラン「GYOZA IT.」(東京・赤坂)で“For ATHLETE”ギョーザ2品種を期間限定メニュー〈1人前(6個)税込550円〉として提供する。(詳細を本紙に掲載)
一部商品を価格改定、タイ産チキンは改定時期延期 ―― ニチレイフーズ
ニチレイフーズは11月1日から、家庭用、業務用の一部商品の価格を改定する。
対象商品は家庭用・業務用冷凍食品と業務用常温食品。改定率は家庭用約4%~8%、業務用約3%~10%。なおタイ産チキン商品は、昨今の供給状況を鑑み価格改定時期を延期する。
世界的な食料需要の増加などを背景に、海外ならびに国内で使用する原材料価格の高騰が続く中、同社では全社挙げての効率化、合理化、原材料の見直しなどできる限りのコスト削減に取り組み、商品の安定供給とともに品質・価格の維持に努めてきた。しかし、特に油、畜肉原料、小麦粉の急激な価格高騰の影響を受け、自助努力だけではコスト吸収の限度を超える状況となったため、現在の商品品質を維持し、安定的に届けるため出荷額の改定に踏み切ったとしている。
ニチレイ タイ2工場で一時生産停止
ニチレイは23日、タイの生産工場の状況について以下の通り発表した。
タイ国内では新型コロナウイルス感染拡大が継続する中、当社グループのGFPTニチレイ(タイランド)やスラポンニチレイフーズにおいても、生産体制に影響が生じている。
GFPTニチレイ(タイランド)では、従業員の安全確保を最優先し感染拡大を防止するため、一時的に生産を停止、今後体制が整い次第稼働再開する予定だ。(詳細を本紙に掲載)
全国休校の要請しない ―― 萩生田文科相
萩生田光一文部科学大臣は8月20日の会見で、夏休み明けの小・中・高等学校のコロナ対策について、「学校は、学習機会や学力の保障のみならず、発達・成長を保障する役割や、子供たちの居場所、セーフティネットとして身体的、精神的な健康を保障するという福祉的な役割も担っており、国から全国一斉の臨時休業を要請することは考えていない。また、地域一斉の臨時休業については学校の設置者の慎重な検討が必要だ」と述べた。
なお、夏休みの延長については、学校設置者の判断で柔軟な対応ができるとした。(詳細を本紙に掲載)