新商品160品出揃う、昨年秋から一転し積極投入 ―― 2021年春 家庭用新商品
2021年春の家庭用新商品は本紙調査で21社から160品の発表数となり、昨年の142品を上回る結果となった。リニューアル品は92品で昨年の94品とほぼ同数。新型コロナの影響により主力品への絞り込みが進んだ2020年秋は25社から99品と大きく数字を落としたが、2021年は各社生産体制が整い、巣ごもり需要により家庭用冷凍食品が好調に推移する中、Withコロナへの対応をメインに積極的な商品投入が図られた。「食卓」「家飲み」「健康」等がキーワードとして挙がっている。
最も提案が活発に行われたのが食卓カテゴリー。本紙独自基準による昨年とのカテゴリー比較では26品から68品と大幅な増加が見られた。中でも食卓の一品ではなく、ボリューム感のある食卓のメインの提案が目立つ。ニチレイフーズが発売したのは1個120gと食べ応えのある大きさと品質にこだわった「てり焼きステーキチキン」。マルハニチロも食べ応えある〈ガブっと!〉シリーズに「四元豚のロースカツ」「白身魚フライ」の2品を投入した。
専門店品質にこだわり重点カテゴリー強化を図ったのが味の素冷凍食品。新たに「大海老焼売」を投入する他、期間限定で「黒豚肉餃子」を投入した。(詳細を本紙に掲載)
2021年春の主要メーカー家庭用新商品
社長に三菱商事の京谷氏、森山社長は相談役に ―― 三菱食品
三菱食品は22日、新社長執行役員に三菱商事㈱常務執行役員コンシューマー産業グループCEOの京谷裕氏の就任を決定した。6月の総会で代表取締役に就任する。
森山透社長は代表取締役に就任、6月の総会で代表取締役を退任し、常勤相談役となる。4月1日付。(詳細を本紙に掲載)
新社長に金子氏、佐藤社長はタワーベーカリー社長に ―― 昭和冷凍食品
昭和産業は2月19日、金子敦スウィングベーカリー社長が昭和冷凍食品に出向し、代表取締役社長に就任する人事を発表した。佐藤誠昭和冷凍食品社長はタワーベーカリーに出向し、代表取締役社長に就く。4月1日付。(詳細を本紙に掲載)
新社長に小林専務が昇格 ―― レオン自動機
レオン自動機は2月12日に開催された取締役会において4月1日付で代表取締役社長に小林幹夫取締役専務執行役員が昇格することを決定した。
田代康憲代表取締役社長は同日付で取締役会長に就任する。
「レンジ用とろろ」発売、加熱耐性持つとろろで特許 ―― マルコーフーズ
レンジアップしてもなめらかな食感
マルコーフーズは、電子レンジなどで加熱しても糊化などの変質が起きない冷凍とろろの製造技術を確立し、特許を取得した。登録日は2020年12月1日。併せて、同技術を活用した国産原料の業務用新商品、冷凍「レンジ用とろろN」をこのほど発売した。
同社が特許を取得したのは、製造過程で原料にα-アミラーゼを添加する事で、加熱調理による変質を防ぐ技術。この技術を活用した「レンジ用とろろN」の導入によって、電子レンジで温めて喫食することが多いデリカ売場の温かいそばや米飯弁当などを提供する際に、とろろを小袋や別皿に分け、加熱前に取り外してもらう必要がなくなる。
すでにコンビニ、量販店などから引き合いがあり、同品を使った商品の店頭販売がスタートしている。今後は店頭での反響などを検証し、メニュー開発も進めた上で、今秋を目処に、コンビニ・量販店の惣菜売場や外食のテイクアウトメニュー向けとしての提案を本格化させる。
同品の開発を担当した米須滉一技術部開発課主任は特許取得の経緯について、「レンジアップしても糊化しないとろろは、多くのユーザーから要望があり、約10年の期間をかけて開発に取り組んできた。当初は増粘剤などを添加するというアプローチで開発を進めていたが、長年の研究によって酵素が加熱後の変質に影響していることを突き止め、特許の取得に至った」と説明。「この技術革新によって、秋冬に需要が高まる温かい麺類などでの利用が容易になり、とろろ市場の裾野が広がる」としている。
冷凍とろろはこれまで、オペレーションの簡便さや味わいの良さなどが評価されて、量販店、外食、給食など幅広い業態で利用が進んできた。ただし、家庭でのレンジアップを想定する温惣菜などに利用する際には、とろろを別添するなど提供方法に工夫が必要となることから、加熱耐性を持つ商品の開発が求められていた。