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今週のヘッドライン|2020年12月第1週号

タイで現地向け冷凍生地製造、グループ初の海外冷食工場を竣工 ―― 日本製粉

生産能力は年間1300t
生産能力は年間1300t
木村常務
木村常務

 ニップングループの「NIPPN(Thailand)Co.,Ltd」(齋藤浩二取締役社長)はこのほど、タイ国パトゥームターニー県の同社プレミックス工場に隣接し、かねてより建設を進めていた冷凍生地製造工場を竣工した。今回新設の工場は同社グループとして初の海外冷凍食品工場。これまでの事業活動から今後、プレミックスに加え冷凍生地に十分な市場性が見込めると判断し、工場建設に至った。同社が長年培ってきたノウハウをフルに活用しグループにおいて重要な役割を担う海外市場での展開を加速していく。

 同工場では最新鋭の設備を導入し、シート品から包餡品まで幅広く製造。クロワッサンやパイ生地などを織り込んだ現地で人気の商品をラインアップする他、日本でも人気のもっちりした食感の商品や揚げ菓子なども検討していく。
 生産能力は年間1300t。投資金額は8億円。鉄筋コンクリート造一部2階建て、延床面積は2036㎡。タイを中心としたアセアン地区において事業展開している外食企業、コーヒーチェーン、ベーカリーなどを販売先に設定していく。
 同社グループでは、国内外において成長が見込まれる分野に積極的な設備投資を行っており、10月には福岡工場プレミックス工場、11月にニップン冷食伊勢崎工場冷凍食品第2工場がそれぞれ竣工、さらにインドネシアにおいても、プレミックス工場の新設を進めている。今後も食品事業、海外事業の強化・拡大を進めていく方針を示している。
 同工場の稼働に当たり11月27日、東京・麹町の同社本社で会見を行った木村昭子取締役常務執行役員海外事業本部管掌海外事業本部国際部長は「今回の工場は規模は小さいが、当社としては初の冷凍食品工場ということで非常に意義がある。海外事業が新局面を迎えたと考えている。(現地では)冷凍生地の需要は伸び、かなり普及している。また今回のコロナ禍により、市場自体が利便性を求めるだけでなく、安心安全かつ高品質の製品を求める方向に向かっている。当社としては求められる市場のニーズに十分応えられる強みを持っている。この時期の竣工をプラスに捉え、市場の変化に遅れることなく、タイで長年培ってきたプレミックス事業の経験と実績を生かし、冷凍生地事業を大きく成長させていきたい」とした。

庫復少し弛むも高水準 ―― 東京冷蔵倉庫協会秋山会長

 東京冷蔵倉庫協会は11月30日、東京・豊海の豊海センタービル会議室で行った年末会見の席上で、秋山真人会長(東京団地冷蔵社長)が概要以下の通り述べた。
 新型コロナにより世の中全体の5~10周期での動きが、半年に凝縮されたようだ。その中で冷蔵倉庫業界はあまり大きくは変わっていない。変わらないのは冷蔵倉庫業界が社会から必要とされているからであろう。
 今年の冷蔵倉庫は搬入搬出とも減少し、明らかに全体量は減少している。搬入減、搬出減により庫復も弛み、余力が出てきた。しかし昨年までが異常な在庫率だったことで、決して半減したなど大きく在庫が落ち込んだわけでは無い。それなりに高い水準は続いている。では、特に家庭用冷食、加工食品などは搬入搬出が伸長し、外食・ホテル向けの業務用は落ち込んでいる。
 人手不足問題は、依然として続いている。庫内作業員の不足感がある。将来的にも少子高齢化がますます進む。人手不足が最大のネックになる。
 オリンピック・パラリンピックは1年延期が決定したが、現在の感染拡大の状況では来夏までに終息は考えにくい。開催されても規模感は小さくなるだろう。協会としても引き続き湾岸地区の庫復計画など関連団体と情報の共有を密にして対応を進めていきたい。

店舗、冷食売場とも関東最大―― 無印良品・東京有明店

レトルトカレーの前に冷食世界観を示す売場
レトルトカレーの前に冷食世界観を示す売場

 良品計画は11月30日、東京・有明の有明ガーデンモール&スパ内に12月オープンする関東最大の店舗「無印良品 東京有明」で、メディア内覧会を開いた。
 説明に当たった金井政明会長は、「7つの留意点で役立とうという大戦略の下、無印良品を立ち上げて40年が経った。東京有明はこれまでの活動が凝縮されている店舗だ。立地として居住人口が多いことも特徴であり、今後、政令指定都市にはこういう店を作っていきたい。暮らしのサポートサービスなど8つの新たなコンテンツを抱え、お客様の生活に必要とされるを目指す」と述べた。
 松橋衆店長は、「店長に志願し、220人のスタッフと共に最良で最高の店舗を作る。コロナで変わった消費行動を踏まえて、空間を売りたい。これからの小売は単品商売は成り立たない。暮らし方、働き方を快適にすることが不可欠になる。感じ良い暮らしを売る、感じ良い空間づくりの商いをしたい」とした。
 過去最大規模の冷凍食品売場は、加工食品で最も強いレトルトカレー売場の前に展開する。MUJI冷食を7シリーズ・72品のフルラインアップを揃え、6段の多段リーチインケース12扉で展開。定番のキンパに加えて、最新の冷凍ブレッドを2扉陳列する。
 日向桃子食品部商品開発担当は、「キンパに続く冷食商品として、リモートワークも多くなった日々の夕食に役立つ夕食惣菜をさらに売り出していきたい」としており、MUJIミールの人気メニューを横展開した「塩こうじからあげ240g」(税込390円)や、「鶏レバーとこんにゃくのからしマヨネーズソース和え180g」(同)といった惣菜冷食の周知も広げたい考えだ。

パッケージに解凍 方法マーク表示

 良品計画ブランドは、オリジナル冷凍食品のパッケージについて、クリーム色の文字記載部分をやや増やし、表面に「解凍方法マーク」を表示していく。「電子レンジ」「オーブントースター」など温め方を独自のマークで表示し、今後は冷食全商品に記載していく方針だ。

夕張工場を閉鎖、 国内生産拠点を再編―― マルハニチロ

夕張工場
夕張工場

 マルハニチロは1日、冷凍食品の国内生産拠点である夕張工場(北海道夕張市・松尾政信工場長)を閉鎖、同工場の生産をグループ内他工場へ移管すると発表した。閉鎖は2021年3月予定。
 同社では現中計で、加工食品事業における収益拡大の取組みとして「生産拠点の再編を通じた利益率の改善」を施策の一つに掲げている。今回決定した夕張工場を他の生産拠点に集約することで、適正な人員確保、輸送効率の向上、老朽化した設備の更新などの課題解決を推進し、中長期的な国内加工食品事業の基盤強化に向けて取組んでいく。
 夕張工場閉鎖後の従業員は、マルハニチログループ企業への配置転換や夕張近郊地区内での雇用斡旋を実施していく。なお閉鎖後は売却を予定している。
 夕張工場は1999年5月操業開始(旧ほくれい夕張新工場)、2007年に旧アクリフーズによるほくれい吸収合併に伴い、アクリフーズ夕張工場に、14年からは旧アクリのマルハニチロ統合により、マルハニチロ夕張工場としてフライ類、グラタン類、中華まんじゅうなど調理冷凍食品を生産している。従業員数は116人(20年1月末、契約社員含む)。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階