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今週のヘッドライン|2020年11月第5週号

売上減も利益増に、主力品が家庭用けん引 ―― 大手上期冷食実績

 メーカー各社の2021年3月期第2四半期決算が出揃った。コロナ禍の影響が色濃く反映された今回の決算。冷食売上上位5社の冷凍食品販売実績を見ていくと、売上減、利益増の傾向の中、家庭用、業務用における明暗が非常にはっきりわかれる結果となった。家庭用はやはり米飯、麺類を中心とした各社主力カテゴリーが売上をけん引。利益面も販促費用が抑えられたことで伸長している。一方で業務用は介護向けなどで一部伸長は見られるものの外食を中心になかなか回復に至らず、厳しい状況が浮き彫りになっている。

 冷食売上上位5社の冷食販売実績を見ていくと、ニチレイ(加工食品)は売上高が5%減となったものの、利益は1.5%増と微増。加工食品売上高の内訳は家庭用調理品10.6%増、業務用調理品15%減、農産加工品0.6%増、海外1.3%増となった。
 味の素は売上高4.3%減、事業利益96%増となった。味の素冷凍食品単体では売上高4%減、事業利益21%増。家庭用が売上高9%増、事業利益31%増、業務用が売上高22%減、欠損となった。
 日本水産は食品事業が売上高4.8%減、営業利益5.3%減。単体冷食売上高(個別冷凍食品+海外冷凍食品合計)は1%減となった。なお国内における家庭用調理冷食は1.6%増、業務用調理冷食は6%減、農産冷食は7%減。
 マルハニチロは加工セグメントが売上高51億円減、営業利益7億円増。うち家庭用冷食が売上高24億円増、営業利益6億円増、業務用食品が売上高69億円減、営業利益4億円減。
 JT(12月期)の第3四半期決算は冷凍・常温事業は35億円の減収。ステープルの売上は8億円増の1.7%増となった。
 家庭用・業務用別に見ていくと、家庭用ではニチレイはチキン加工品や米飯類などの主要カテゴリーの販売が拡大。味の素も同様に「ギョーザ」を中心とした主力製品が販売増。利益面ではマーケティング費用の減少などにより利益面でも伸長した。日本水産は巣ごもり需要で米飯、麺類が好調。マルハニチロも米飯、麺、中華などの主力カテゴリーが前年比120%~150%程度で推移し全体をけん引している。
 一方で業務用は、ニチレイが「外食需要の回復が遅れ苦戦」としている他、日本水産は惣菜品など居酒屋向けが苦戦、マルハニチロはでも依然として外食、給食向け販売は苦戦を強いられており、生協や介護食向けの販売は好調も推移するも全体をカバーするに至っていない。テーブルマークでは外食向け、ベーカリー事業の販売減少が響いた。

新社長に吉岡常務 ―― テーブルマーク

吉岡氏
吉岡氏

 テーブルマークは24日、同日開催の取締役会で代表取締役社長に吉岡清史常務執行役員製造本部長の昇格を発表した。香川雅司社長は退任する。2021年1月1日予定。
 新社長の吉岡清史(よしおか・きよし)氏は1962年6月8日生まれの58歳。香川県出身。1987年3月松山商科大学(現松山大学)経済学部卒、同年4月㈱加ト吉入社、2000年7月新潟魚沼工場長、10年10月テーブルマーク(株)魚沼水の郷工場長、13年1月新潟魚沼工場長、16年7月執行役員製造本部副本部長、19年1月より常務執行役員製造本部長。
【執行役員の異動】(2021年1月1日)
[新任]
 ▽常務執行役員ビジネスサポート本部長((株)虎ノ門エネルギーサービス<JTグループ>代表取締役社長)土田英樹//新任取締役▽常務執行役員食の安全管理担当、渡邊徳彦▽執行役員戦略本部長、泉貴成▽同ケイエス冷凍食品担当、池内良彰
[担務変更]▽社長(常務執行役員製造本部長)吉岡清史//新任代表取締役▽専務執行役員営業本部長(執行役員ケイエス冷凍食品担当)斎田直樹▽製造本部長(戦略本部長)執行役員喜田直孝
 [昇格]▽常務執行役員(執行役員)営業副本部長松田要輔
 [退任執行役員]▽(社長)香川雅司▽(専務執行役員)亀山明記▽(常務執行役員、取締役)泉本博樹▽(常務執行役員)明石賢治▽(執行役員)福島成人▽(同)橋本伸夫

池内テーブルマーク開発事業部長が社長に―― ケイエス冷凍食品

池内氏
池内氏

 ケイエス冷凍食品は24日開催の取締役会において、池内良彰テーブルマーク開発事業部長が代表取締役社長に就任する役員人事を内定した。
 斎田直樹代表取締役社長はテーブルマーク専務執行役員に就任する予定。2021年1月1日付。また、同日付で喜田直孝テーブルマーク執行役員が取締役(非常勤)に就任し、吉岡清史取締役(非常勤)は退任する予定となっている。
 池内良彰(いけうち・よしあき)新社長は1963年7月9日生まれ、57歳。86年6月BigBendCommunityCollege(米国)卒業。94年9月ジェイティフーズ入社、2009年4月加ト吉出向、10年1月テーブルマークに社名変更後、同年9月家庭用営業本部首都圏営業二部長、11年4月テーブルマーク入社、13年4月首都圏家庭用常温営業部長、15年1月首都圏家庭用常温販売部長、16年1月広域量販販売部長、17年1月開発事業部長、19年1月開発事業部長兼務広域量販販売部長、20年1月開発事業部長兼務広域量販営業部長。

個食タイプのミールキットを発売 ―― 三菱食品

1食398円+税
1食398円+税

 三菱食品は、低温オリジナルブランド「ラ・ラキット」から新シリーズとして個食タイプのミールキット「For me」シリーズ4品を24日より発売する。
 昨今の単身世帯の増加や食事の「個食化」の流れを受け、1人前対応ミールキットとして、新シリーズ「For me」提案するもの。同シリーズは、事前に解凍せず、冷凍のまま調理ができる簡便性が特長となっている。
 今回発売するのは「牛すき焼き」(用意するもの豆腐小パック)、「プルコギ」(同もやし)「牛ごぼうめしの具」(同ごはん、たまご)、「牛肉オイスターソース炒め」(同たまご)。4品とも希望小売価格は398円(税抜)。製造はミートコンパニオン。

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