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今週のヘッドライン|2020年11月第4週号

構造強化さらに推進 マーケティング投資積極化 ―― 味の素冷凍食品 黒崎社長

味の素冷凍食品 黒崎社長

 味の素冷凍食品は13日、同社上期業績を発表、黒崎正吉社長が、上期状況及び下期展望を語った。黒崎社長は「上期は、基本戦略ASVを推進、順調に進捗している」とし、下期に関しては「売上は前年を下回る。下期も構造強化を推進、売りの中身を変えていく」と述べた。AFF全冷食事業(国内外)の上期業績は売上高995億円(前年比96%)、BP56億4000万円(同121%)。

 今上期は、コロナ禍の中、当社の基本戦略であるASV(味の素シェアードバリュー)の推進を中心に進めてきた。具体的には以下の4点だ。一つ目は、生活者起点を大切にし、コロナ禍の中でも、供給責任をしっかりと果たす。あるいはユーザーの方へできるだけの支援をしていくこと。2点目は、構造強化あるいは構造改革を将来に向けて実施することを骨子とした中期経営計画(20年~22年)を、コロナ禍にあっても予定通りに進めていること。3点目は将来に向けて全体の構造強化を図るため、7月に組織変更、組織改革をした。まだ、立ち上がったばかりではあるが、それぞれ順調に機能を発揮しつつあること。4点目は9月に発売した秋の新製品の販売も概ね順調に進んでいることだ。
 下期方針も基本的に3点だ。中計の基本方針である構造強化(構造改革は)さらに推進していく。2点目は、コロナによって冷食市場が大きく変わってきている。特に家庭用は、新規購入者が増えている。これは大きなチャンスだ。冷食市場全体の成長のためマーケティング投資を行う。冷食市場全体がさらに成長していくため。昨年よりもさらに積極的なマーケティング投資を行う。
 3点目は営業力の強化だ。全体の構造強化の中で、営業についても変えていきたい。
 下期売上高は前年を下回る見込みだ。コロナの影響が継続する中、構造強化を推進する。売りの中身も変えていく。結果として下期も売上に関しては落とす。BPに関しても下期だけ見ると、構造強化の実施、積極的なマーケティング投資により、対前年で落ちる。但し通期では期首に計画したBP予算を確実に達成し、昨年度のBPを必ず上回りたい。結果として年間を通じては、減収増益を予定。
 今後も常に2つの時間軸を意識して事業に取り組む。「今日」と「未来」だ。両方のバランスが非常に大切だ。下期に関しては将来のためにやるべきことに投資し、実行するということだ。

110社出展で開催、ジビエ普及や農との連携継続 ―― JF商談会

説明する赤塚会長
説明する赤塚会長
自然解凍品等PR(ニチレイフーズ)
自然解凍品等PR(ニチレイフーズ)

 (一社)日本フードサービス協会(赤塚保正会長)は17日、東京・五反田のTOCで「フードサービスバイヤーズ商談会2020」を開いた。新型コロナ対策をして出展社数を例年の7割の110社に抑えて、個包装試食など感染防止対策をした上での開催となった。来場者数は1606人。
 挨拶に立った赤塚会長は、「外食産業は新型コロナの影響で大変厳しい状況にある。Go Toイートの効果も見られるが、まだ元には戻っていない現状だ。JF商談会は賛助会員の皆様、生産者の皆様との交流を図る大きな位置づけの行事であり、開催できたことに感謝申し上げる。ソーシャルディスタンスを保ち通常の7割の出展に抑えて、感染対策を行いながらの実施となったが、冷凍食品をはじめとする賛助会員レギュラーメンバーに加え、TO&D向けの容器包装やパッケージの新しい出展も見所だ。もう一つは、外食産業の大切な課題である食と農との連携として、約20産地の生産者の皆様に出展いただいた。さらに、ジビエに関する特別コーナーでは試食も展開する。本日は理事会も同時開催しており、JF役員も商談に訪れる。この機会を生かしていただきたい」と述べた。
 来賓祝辞は池山成俊農林水産省大臣官房審議官。

新しい生活様式対応で提案強化 冷食メーカー

 展示会の構成は、JF賛助会員を中心とし、(公社)日本農業法人協会から全国の農業産地の出展も継続した。またジビエフェアでは、柿安本店レシピの鹿肉しぐれ煮なども試食展開した。冷凍食品では大手メーカーが出展し、外食産業の復活に向けた提案に注力した。
 ▽エム・シーシー食品=秋冬新商品として「冷凍スパゲティソース(大容量)」を提案。TOに即した1ポーションタイプでは、カフェスタイルシリーズ「四川麻婆豆腐」などを展示。
 ▽日本水産=「助子」全般、速筋タンパクを提案。産地・製法にこだわった辛子明太子「博多 あごだし」も紹介した。
 ▽日本製粉=イタリアンのラインアップを紹介。需要が高まっている冷凍パンでは、「フリーカットフォカッチャ」を出品した。
 ▽味の素=TO&Dメニューの経時変化抑制に「お肉やわらか調味料」「お米ふっくら調味料」を紹介。個別容器で商材使用時の変化を食べ比べ試食を展開。
 ▽ケンコーマヨネーズ=TOの増加に合わせて拡充した小袋タイプのソース・ドレッシングを訴求。常温でも形状を保持するバターソースなど技術力を示せる商材をサンプル配布した。
 ▽キユーピー=「ペイザンヌ」サラダを訴求。
 ▽ニチレイフーズ=相場に左右されず安定供給が可能な冷凍野菜や、オペレーションの簡素化に資する調理品として「甘酢さっぱりたれづけから揚げ(アセロラピューレ入り)」など自然解凍品をアピールした。
 ▽マルハニチロ=素材品から「ぽんするえび天」「香火力華炒飯」まで、業務用商材を幅広く展開。来春発売の「粉付き殻軟化エビ」(インドネシア産)も先行出品した。

2万8千超の応募集める・消費者キャンペーン抽選会 期間短縮でも一定の成果―― 首都圏市販冷食連絡協議会

(左から)冷食協・三浦部長、岡村顧問、齊藤会長、菅野副会長
(左から)冷食協・三浦部長、岡村顧問、齊藤会長、菅野副会長

 首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協)は19日、東京・平和島の東京流通センター会議室で「2020年度消費者キャンペーン」抽選会を開催した。
 今年度は、市冷協は新型コロナの影響で活動が大きく制限された。全公立展での試食会は中止。消費者キャンペーンについては春開催から秋開催に変更し、期間も2カ月間から1カ月間に短縮され行われた。
 消費者キャンペーンの応募総数は2万8287通。有効応募数は2万7682通(前回4万9042通)と期間が1カ月少ないながらも一定の成果を得た。なお今回、2カ月開催したと想定すると前期比113%になるという。
 挨拶に立った齋藤顕範会長(国分フードクリエイト首都圏支社長)は、「新型コロナの影響で協議会の活動は大きく制限された。消費者キャンペーン春は市販冷食自体が特需で各社供給が追い付かない状況だった。いたずらに消費を刺激しないため春の開催を延期し、冷凍食品月間の10月に消費者キャンペーンは何とか秋に実施とした。結果は前年応募を下回ったが、1カ月期間を短縮しても想定の効果があった。キャンペーンの認知と冷食への期待の高さを感じる。何よりキャンペーンを無事継続できたことに意義がある。今後も未購入者層、購入者の頻度の増加を図り、市販冷食の普及啓蒙活動に取組んでいく」とした。

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