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今週のヘッドライン|2020年11月第1週号

新R&D拠点開所・グループ3社の開発部門集結 ―― 味の素冷凍食品

 味の素冷凍食品は、10月27日、味の素川﨑工場(神奈川県川崎市)内に新設した「フローズンフードテック&デザインステーション」メディア向け開所式を行った。同施設は、同社群馬県大泉町、埼玉県東松山市にあった研究開発センター、生産技術開発センターを移転統合した施設。味の素、味の素AGFとの共同で運営する。建物面積7400㎡。耐震4階建。投資額は60億円。1階(全部)設備実験室(全室使用)、2階(一部)包装実験室、3階微生物、感応等各種実験室、4階事務所、調理施設で構成される。黒崎正吉味の素冷凍食品社長は開所に当たり「味の素Gの力を結集し生活者ニーズの課題にスピーディーに取り組む」と抱負を述べた。

 開所式には黒崎正吉社長、坂本次郎味の素常務執行役員、下保寛味の素冷凍食品取締役専務執行役員が出席した。
 冒頭挨拶に立った黒崎社長は「同所は食と健康の課題解決企業を目指す味の素Gの味の素、味の素AGF、そして味の素冷凍食品の3社の食品開発部門が集結した施設だ。シナジー効果を追求しグループの力を結集して、社会課題、生活者ニーズの課題にスピーディーに取り組む」と述べた。
 続けて同所の果たす役割として①冷凍食品おける基本価値である時間ロスの解決・フードロス削減を踏まえ、味の素の食品技術を最大限活用し、圧倒的なNO1のおいしさを追求する。②健康栄養価値向上、更なる付加価値の向上を目指す。③生活者に寄り添う「冷凍食品」。つまり冷凍食品の調理する楽しさや家族とのつながりを作り上げていく、の3点を掲げ、「社会と食、健康の課題解決企業を目指すと同時にウエルビーイングの実現に向けてチャレンジしていく」とした。
 また、フローズンフードテック&デザインステーションという名称の由来に関して「『テック』はテクノロジー。徹底的にテクノロジーの部分で最先端を走っていくということ。『デザイン』は生活者の生活を常にイメージし、貢献できることをデザインしていくということ。テックが左脳ならデザインは右脳。左右合わせてしっかりと生活者の課題、ニーズに応えていきたい。また、ステーションという名称にしたのは世界中の冷食技術者がここに集い、学び、研鑽し、獲得したものをここから世界に展開するという意味を込めた」と説明。「これからも我々はチャレンジャーとして、失敗をしながらも果敢に取り組んでいきたい。そして日本そして世界の冷食市場をより素晴らしいものにしていきたい」と締めくくった。

●バリュークリエーションセンターとして発展する
 味の素坂本食品研究所長

グループシナジーを結集
グループシナジーを結集
黒崎社長
黒崎社長
 主催者を代表して黒崎正吉味の素冷凍食品社長が挨拶(既報)続いて坂本次郎味の素常務執行役員食品事業本部食品研究所長が挨拶に立ち、要旨以下の通り開設の抱負を述べた。
 三年前、味の素、味の素冷凍食品、味の素AGF社3社のR&D拠点を集約するという対外発表を行い、研究棟の建設に着手した。最終的な拠点の集約は来年4月の予定だが、本日その中核である味の素冷凍食品の研究開発部門が、移転し本日開所を迎えた。その大きな一歩を踏み出した意義深い日である。
 ここに至るまでの黒崎社長のリード、味の素冷凍食品関係者の尽力に厚く御礼申し上げる。
 食品は、食べることを通じて人を幸せにするものだ。残念ながらそこはまだ機械では図れない。ICT技術がいかに発展しても。食品の研究開発においては、担当者が集い一緒に食べるということが重要だ。勿論リモートオフィスを使った先端的な新しい働き方であるとか、コロナ下における感染防止対策をしっかり行いつつ、当社グループのR&D部門が集いお互い高め合いお客様への新しい価値を創造する。これが当所設立の大きな意義だ。
 今回の集約により味の素が強みとする技術と味の素冷凍食品が強みとする技術がシナジー効果を発揮し、お互いの商品の更なる高品質化、高付加価値化に繋がっていくものと確信している。
 1956年に川崎の地に味の素としての最初の研究所が設立された。それから64年になる。この地が新たな味の素Gの新しい時代のバリュー、バリュークリエーションセンターとして発展していく。3社が一緒になり邁進していきたい。

日本生活協同組合連合会、上期の冷食大幅増

 日本生活協同組合連合会は10月23日、2020年上期(4月~8月)の<CO・OP>商品の販売状況を公表し、冷凍食品の販売が好調に推移していることを明らかにした。
 調理冷凍食品(カツ、揚物などの冷凍畜産品を除く)の売上は前年比117%で推移した。麺類が同131%と大幅に伸び、<きらきらステップ>も同146%と好調だった。冷凍野菜も前年比129%と伸び率が高かった。ほうれん草が同134%、フルーツが同136%、野菜ミックスが同129%、枝豆が同122%と伸びた。
 藤井喜継専務理事は、上期の冷食の販売動向について、「炒飯、うどんなどを始めとした調理冷凍食品がよく伸びた。学校の臨時休校を受けて、児童・生徒の昼食向けとしての利用が進み、その後も巣ごもり需要が高止まりしていることで、調理素材品などの販売も好調に推移した」としている。
 なお、日生協が展開を強化している乳幼児用冷凍食品<きらきらステップ>は商品数が27品に、幼児用食品(チルド、常温含む)<きらきらキッズ>は10品に拡大しており、両ブランド累計の供給高は年間約7億円に育っている。<きらきらキッズ>では、6月に発売した冷凍シリーズなどが好調に推移した。11月には「6種国産野菜のふんわりミニお好み焼」(5枚入)も発売してブランドの強化を図る。

古賀社長「業績回復に注力」 ―― トーホー

古賀社長

 トーホーグループの取引先メーカーで構成するトーホー会(山口聡会長=カゴメ社長)の第11回総会が10月29日、東京・虎ノ門のThe Okura TOKYOで開催され、108社108名が出席した。
 古賀裕之社長は、「当社は今期、第7次中計の最終年度であるが、3月以降新型コロナの感染拡大により、大きな影響を受けている。新しい生活様式の中で、新たな需要を取り込み、経営の効率化、コストの見直しを進め業績回復に努めていく」とし、「GoToキャンペーンなどで少しは明るい兆しが見えつつあるが、依然として外食業界は苦況に立たされている。トーホーグループでは、これまで以上に外食産業を元気づけられる商品開発、提案活動を実施していく。今後もマーケティング本部を中心に、PB開発を迅速かつ積極的に進める」とした。

輸入凍菜9月・前月に続き大幅減

 財務省が10月29日に発表した通関統計によると9月の凍菜の輸入数量は7万9403t(前年比92.8%)、金額は143億5800万円(同91.9%)だった。
 中国産の輸入数量は3万8026t(同100.42%)、米国産(ポテト等)は2万3444t(同86.4%)。1月~9月の累計輸入数量は76万4152t(同95.2%)、累計輸入金額は1.41393億1800万円(同94.0%)。

輸入凍菜9月・前月に続き大幅減

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